もし日米同盟がなくなったらどうなるか

アメリカ共和党の大統領候補、大富豪ドナルド・トランプ氏が日米同盟に非常に懐疑的な視線を向けています。もし日米同盟がなくなったらどうなるのでしょうか？それでも日本の平和は守れるのでしょうか？その場合日本は核武装をするのでしょうか？

今、日米同盟が揺らぎ始めています

日米同盟、それは日本の安全保障の礎であり、これがなくなることはありえない。それが今までの日本人の常識でした。
しかし、現在それが揺らぎ始めています。

アメリカの有力な大統領候補であるトランプ氏は、日米同盟に非常に懐疑的な視線を向けています。「なんでアメリカが日本を守らなくてはならないのか、そんなことをしても何の特にもならない」彼は日米同盟と言うものに対して、そう思っています。そんな彼が大統領になっても、すぐに日米同盟がなくなることはないでしょう。
国と国との同盟関係は、一朝一夕で破綻したりはしません。

しかし、このままアメリカという国が「他国のことなど知ったことではない、アメリカ第一」というトランプ氏のような考えに傾いていけば近い将来、日米同盟が破綻する事もありえます。
もしそうなったら、この国はどうなるでしょうか。

実は日米同盟がなくても日本本土は守れます

日米同盟がなくなれば、日本は圧倒的な戦力の不足にさらされることでしょう。その埋め合わせをするには、大規模な軍備の拡張をしなくてはなりませんが、財政破綻寸前の日本に、それだけの余裕はありません。

ではどうするか、実は核武装という道があります。今まで人類の歴史上、核を持った国の本土が侵略された事はありません。なので、日本本土を守るのが目的なら核武装は有効な手になります。
では、現実問題日本が核武装することはあるのでしょうか。
結論から言うと、十分ありえることだと思います。

今の国際社会では、勝手に核武装をした国には重い経済制裁が課せられます。（昔のパキスタンや今の北朝鮮がいい例です）しかし、日本が核武装をしたとしても各国が連携して経済制裁することは不可能です。
何故なら日本は前述のパキスタンや北朝鮮と違い、強大な経済力を持っています。

そんな日本に経済制裁をしたら、日本と経済的関係が深いアメリカや中国もただではすみません。そうなればその経済的ダメージはヨーロッパを始め世界中に及びます。
日本発世界恐慌という悪夢のシナリオが実現することになります。それが各国ともわかっているので、（日本に経済力があるうちに限り）核武装しても制裁されることはないでしょう。

そうなれば中国だろうがロシアだろうが、日本本土に侵略してくることは出来なくなります。尖閣諸島に侵攻してくるくらいのことはあったとしても、日本本土の安全は保たれます。
なので、日米同盟がなくなっても本土防衛に関してはそこまで心配することはないでしょう。

それでも日米同盟は必要です

日本が核武装することに成功すれば、東京や大阪が侵略されるようなことにはならないでしょう。

では日米同盟はいらないのかといえば、そういうわけではありません。核武装する事で守ることが出来るのは、「日本本土」だけです。なので、「いくらなんでもこの程度のことで核戦争にはならないだろう」という程度のちょっかいを出されることは覚悟しなければなりません。

中国が尖閣にちょっかいを出してくるかもしれませんし、沖縄に中国の旗を翻そうとするかもしれません。当然のことですが、中国やロシアの領空、領海侵犯は飛躍的に伸びるでしょう。
そうなると日本側でも「連中になめられてたまるか」と好戦的な世論が高まり、日本の首脳と中国の首脳が地雷原の上で踊る（一歩間違えたらドカン）ことになるでしょう。
そういう危ないゲームを防ぐためにあるのが、日米同盟なのです。

安倍総理や菅官房長官は、ことあるごとに日米同盟の重要性を強調していますが、その意味では彼らは正しいです。
日米同盟がなくなれば、もはや誰にも東アジアの情勢をコントロールできなくなり、いずれ誰かが地雷を踏むことになります。

だから次のアメリカ大統領が誰になろうが、アメリカ国民が孤立主義に傾こうが、日米同盟は堅持してもらわなければなりません。「アメリカがその気ならこっちはこっちで勝手にやってやる」という短気は、決して日本のためにならないのです。