育児休業はいつまで取れるの? 育児休業給付金の申請方法について

突然ですが、育児休業という制度をご存知ですか?

日本には少子化という背景があり、男性も子育てに参画することで女性の負担を減らすことを目的とした制度です。

しかし、制度の背景や条件を完璧に知っている人は少ないのではないでしょうか。そもそも、行政がこの制度を制定したことを知っている人も、多くはないと思います。

育児休業制度について、そして給付金の額、期間や申請方法についてご紹介します。

育児休業制度って何?

まず、育児休業とは何か?という疑問があると思いますので、定義から説明させていただきます。

「育児休業」は平成3年に制定された「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護休業法」)によって定められた「子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業」です。

出典:BizHint 「育児休業」より

参考:厚生労働省
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(抄)(平成3年労働省令第25 号) 

参考:ハローワークインターネットサービス 育児休業給付内容及び支給申請手続きについて 

この制度が制定された背景には、日本の3つの問題があります。

  • ①少子化対策
  • ②ワークライフバランスの改善
  • ③マタニティハラスメントの予防

女性が社会に進出したとはいえ、出産によって職場で不当な扱いを受けるケースは未だに多いと言われています。また、子供が生まれても、仕事が忙しすぎて育児に専念できない場合もあるので、ワークライフのバランスについても問題視されています。

育児休業制度は、そんな子育てをしづらい環境を改善することで、マタニティハラスメントの予防を図り、ワークライフバランスを保つことで、少子化や子育て環境の改善を狙いとして、制定されました。

対象となる人の条件ですが、原則として、「1歳に満たない児童を養育する労働者」です。

しかし、見落としてはいけないのが「原則として」という文言です。日雇い労働者、雇用期間が1年未満の有期契約労働者、そして、育児終了後に雇用される見込みがない人は、育児休業制度の対象外なので、注意が必要です。

ご自身の就労状況が、制度の対象になるのかどうかを調べるためには、お近くの市役所や公共職業安定所(ハローワーク)に聞きに行くと、丁寧に教えてくれますのでオススメします。

育児休業の期間と給付金の額は?どうやって申請するの?

育児休業の期間は、原則として、「子供が生まれてから1歳になる前日までの期間」です。1年の間は、自分の好きなタイミングで取得可能ですが、間に空白期間は設けられません。

また、保育園に入所できない場合や、配偶者がやむを得ない理由で、育児が十分にできる状態ではない場合に、育児休業の期間を最大2年まで延長することができます。

次に育児給付金ですが、直近の賃金によって決まった支給額を受け取ることができます。

計算方法ですが、1ヶ月あたりに受け取れる支給額の計算は、
労働者の育児休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の67%(出産後6ヶ月経過後は50%)
となります。

もしあなたの直近の賃金が、30万円/月だとすると、
30万円×0.67=201,000円が月の育児休業給付金です。(出産後6ヶ月まで)
※6ヶ月後は30万円×0.5=150,000円になります。

育児休業給付金の申請方法ですが、次の書類を揃える必要があります。

育児休業給付金申請必要書類

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認証
  • 添付書類(自分で行う場合)①賃金台帳や出勤簿
  • 添付書類(自分で行う場合)②支給申請書の内容を確認できる書類(母子手帳や住民票)
  • 添付書類(自分で行う場合)③受取口座のコピー

※下記 育児休業給付受諾資格確認証の書き方の例です。

次に、揃えた書類を以下のステップで会社とハローワークに提出します。

会社でのステップ

  • ①育児給付金支給申請書に記入し、捺印
  • ②育児休業給付受給資格確認証に銀行振込口座を記入し、銀行員を捺印
  • ③提出

ハローワークでのステップ

  • ①育児休業給付金支給申請書と、育児休業給付受給資格確認証をハローワークから受け取る
  • ②必要事項を記入、捺印
  • ③会社に内容を確認してもらう
  • ④提出

これらの書類に記載や捺印を行なったあと、ハローワークに提出し、最後にもう一度会社に確認してもらうステップを経て、育児休業の申請が完了します。
面倒ですが、一つずつ行えば確実に手続きが終了します。

まとめ

少子化やマタニティハラスメント、そしてワークライフバランスという日本が抱える問題を是正するために制定された育児休業制度。

1991年までは、この制度は存在しませんでした。素晴らしい制度ですが、ここでちょっと考えてみてください。

あなたがもし、子育てを考えていたり、現在子育て計画で悩んでいる場合、政治に関心を持ち、参加することで、あなたにとってより良い法律や制度が制定される可能性があります。

もしかしたら、申請の条件が緩和され、申請がもっと簡易なものになる可能性もあります。

政治や制度興味を持つことで、あなたやあなたの子供の生活がより良くなるならば、今の政治や制度の知識を深めてみても良いかもしれません。

改訂版 さあ、育休後からはじめよう ~働くママへの応援歌~

政くらべ編集部

政くらべ編集部

2013年に政治家・政党の比較・情報サイト「政くらべ」を開設。現職の国会議員・都道府県知事全員の情報を掲載し、地方議員も合わせて、1000名を超える議員情報を掲載している。選挙時には各政党の公約をわかりやすくまとめるなど、ユーザーが政治や選挙を身近に感じられるようなコンテンツを制作している。編集部発信のコラムでは、政治によって変化する各種制度などを調査し、わかりにくい届け出や手続きの方法などを解説している。