「ネトウヨ」「パヨク」とは? 彼らに役割はあるのか?

「ネトウヨ」とは「ネット右翼」の略。「パヨク」とは左翼の蔑称(「劣化左翼」の別称とも言われます)。どちらも21世紀に入ってから、インターネットの普及に伴い、急速に存在感を大きくしてきました。ここでは「ネトウヨ」「パヨク」とは具体的にどのような存在なのか、彼らの現状、そしてこれから社会にどういった影響をもたらすであろうかを考察していきます。

「ネトウヨ」とは?

1990年代後半から「ネット右翼」と呼ばれる、インターネットで政治的な意見を発信する人は少なからず存在しました。

21世紀に入り、日本と韓国の間で竹島、中国との間で尖閣諸島の領土問題が大きく取り上げられるようになってから、反韓国・反中国の主張を強くネットで訴える人が増加。当時、韓流ドラマを多く放送していたフジテレビ社屋がある東京・お台場で、ネットの呼びかけによって集まった人々による抗議デモが展開されました。

他にも、韓国への修学旅行を計画する高校への非難、韓国ドラマに出演する日本人女優への批判などがネット上で行われ、果ては「在特会(在日特権を許さない市民の会)」などによる、反韓・反中の過激な差別的ヘイトスピーチという実力行使をする人々が多数現れるまでになりました。

ネトウヨの定義としては、少しあいまいですが、「デジタル大辞泉」では「ネット右翼」について、「インターネットの掲示板やブログ上で、保守的、国粋主義的な意見を発表する人たち。ネトウヨ」と記述されています。また、2006年5月5日の朝日新聞での、弁護士である小倉秀夫氏による定義は「自分と相容れない考えに投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく意見がほとんどなのでそう呼ばれるようになった」とのことです。

ネトウヨの本質のひとつとして「自民党などの右派政党支持」「既存のメディアへのアンチ(反発)」があります。マスコミを「マスゴミ」と呼び、第4の権力であるマスコミの対立軸として、ネットを第5の権力とみなして主張を発信しているようです。むろん各々、過激さや差別性の強度は異なります。ネット上のみでの発言にとどまるネトウヨ、激烈なレイシスト(人種差別主義者)としてヘイトスピーチに走り、大騒動を起こすネトウヨなど様々な形態があります。

「パヨク」とは?

パヨクは前述した通り、過去から存在する左翼に対して最近使われている蔑称ですが、これもまたネット社会に入ってから、昔ながらの左翼とは一味違った形になっているようです。2011年の東日本大震災による福島県の原発事故から、「反原発」を主張するグループの中でも、殊にあらゆるパヨク組織がネットで広く呼びかけて、より活発な役割を担っています。

パヨクの信条は、全体的に「反権力」「反核」「反戦・反安保」「反右翼」であり、特にネトウヨから派生した在特会との対立は激しく、「レイシストをしばき隊(現「C.R.A.C(対レイシスト行動集団)」)」というパヨク組織は、建前では非暴力を掲げながらも、実際には暴力的衝突を起こして両陣営から逮捕者が出る事件にまで発展しています。

パヨクと呼ばれる組織は他にも「首都圏反原発連合」や「SEALDs」など多数あり、背後に共産党をはじめとする左派政党が存在しています。いずれの組織も自民党を中心とした現政権に対しては強く否定的で、政権が打ち出す政策、あるいは不祥事にあたって国会前での抗議デモなどの行動に出ています。特に、安倍政権による安保法制には強く抗議しました。しかし組織の離合集散が頻繁に見られ、内ゲバのような事態を招いている集団もあるようで、まとまりに欠けるきらいがあります。

パヨクという呼称がいつ、誰によって使われ始めたのかは諸説ありますが、首都圏反原発連合の中心メンバーである「ぱよぱよちーん」と呼ばれる男性と交際していた元アイドルの千葉麗子氏が世の中に広めたという説が有力です。

ネトウヨとパヨクの役割と将来

一般的にネガティブな印象を持たれがちなネトウヨとパヨクですが、「たかがネットを中心にした勢力の意見には取り合わない」と言って簡単に無視できるような時代は終わりました。正確な統計をとるのは土台無理ですが、数百万人単位の顕在的あるいは潜在的「ネトウヨ」と呼ばれる右翼、「パヨク」と呼ばれる左翼が存在しているのは確かでしょう。

今や、メディア・政治家の中には「ネトウヨ受け」あるいは「パヨク受け」を狙った作戦をとる風潮も見受けられます。首相もSNSなどを使って意見を述べる時代。加えて政治家がネットの動画サイトに出演するのも当たり前の光景に。インターネットを介して政治家とネトウヨとパヨクが互いに利用・活用し合う動きが出てきました。

活発な議論の場が増加するのは民主主義国家としては望ましいことです。さらに望むべくは、他者の人格のみをただ貶めるような政治活動は否定されなければならない、ということでしょう。

政くらべ編集部

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