投票しないことのデメリット

日本においては、選挙に行かないことが処罰の対象とはなっていません。そのため、選挙権は名称のとおり権利の1つであり、義務とは言えないものです。
しかし、投票しないことには大きなデメリットがあることを考えているでしょうか。若い世代の投票率が下がることは、政治を悪い方向へと進めてしまいます。

投票率を上げることは民主主義の基本

解散がある衆議院とは異なり、参議院の選挙は必ず3年に1度行われています。そのため、投票率について考える場合、参議院選挙の投票率を見てみるのが分かりやすいです。
平成元年には全体で65%の投票率になっていましたが、平成25年には52%にまで落ち込んでしまいました。特に目立っているのは、20歳代の投票率が極めて低くなっていることです。
平成元年以降、50歳代の投票率が50%を下回ったことはありません。しかし、逆に20歳代の投票率が50%を上回ったことも一度もないのです。

一般的に、政治に期待できない若者が増えているという指摘もあります。しかし、中高年以上の投票率ばかりが高い状況は、日本の将来をより良い方向へ導くことを考えた場合、決して好ましいものではありません。
選挙というのはは民主主義の根幹を作るものです。真の民主主義を実現させていくためには、投票率を上げることが基本となります。

投票率が下がって得するのは誰か

20歳代の前半というのは、選挙権を得て間もない人も多く、ようやく政治に対して関心を持ち始めたばかりの年代です。そのため、自分が投票をしても何も変わらない、投票に行くのが面倒だ、という理由で投票しない人も目立っています。
しかし、投票率が下がった時に得するのが誰か、ということを考えてみなければなりません。

確かに、1人が投票しなかったからといって、選挙の結果が変わるということは滅多にないことです。しかし、多くの人がそう考えて投票しなくなれば、一定の組織票を持っている候補が圧倒的に有利な状況になります。組織票を中心とした票で当選した候補は、言うまでもなくその組織に都合の良い政治を行っていくものです。
投票しない若者は、組織票とは関係がないわけですから、投票しない若者が得をする状況が生まれることは考えにくくなります。

投票率が低くなると政治家の意識も低くなる

投票率が低かったとしても、選挙の結果自体は有効です。しかし、投票率が高い場合と低い場合とで、政治家の意識には違いが出てきます。

投票率が高い状況が続いていれば、政治家は真剣に政治を行うようになるものです。有権者の多くが政治をしっかりと見ているわけですから、適当な政治をやっていると思われてしまえば、次の選挙で落選する可能性が高くなります。
しかし、投票率が低い状況になっていれば、政治家は安心して手を抜くことができるのです。自分の支持者に良い印象を与えることさえできていれば、次の選挙でも落選することはほとんど考えられません。

政治家を真剣な気持ちにさせるためには、高い投票率を実現させることが必要不可欠です。真剣な政治家が増えることは、世代を問わず全国民にとって好ましいことです。

若者が不利な状況の例を考える

高齢者が有利で、若者が不利になりうる状況として挙げられるのは、たとえば年金の問題です。
年金額は、昔と比べて引き下げられています。ここだけを見ると、高齢者も損をしていると言えますが、若者が年金を受給する頃には更に引き下げられている可能性もあるのです。

年金に関する問題は、政治の重要なテーマの1つとなっています。若者が不利な状況を食い止めるためには、若い世代の視点で考えることができる政治家を選ぶことが必要です。
50歳代以上の投票率が高い状況で若い世代に有利な政策を主張する候補が出てきた場合、若い世代の投票率を挙げることでしか当選させることはできません。
1人の力は微々たるものでも、多くの人が票を投じるようになれば、状況は一変します。

田村久雄

田村久雄

埼玉県在住の30代男性、独身の会社員。学生時代から政治に関心を持ち、選挙には必ず投票するように心がけている。政党名で選ばず、個人の考え方を重視する。

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