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官僚の人事制度のメリット・デメリットは? 内閣人事局って何?

森友学園の国有地売却問題で明らかとなった財務省の文書書き換え問題。行政が行う文書改ざんは、民主主義の根幹を揺るがす問題だとの声も上がっており、政府や財務省に対し多くの批判の声が上がっています。

また、文書改ざんに繋がった森友問題や、加計学園の獣医学部新設問題の根本が、内閣人事局にあるという指摘もあります。本当に「モリカケ」問題などに対する「忖度」に関係しているのでしょうか。

どうして政府は内閣人事局を発足させたのでしょう、私たち国民にとってメリットとなることはあるのでしょうか?

内閣人事局ってなに?今までと何が違うの?

内閣人事局とは第二次安倍政権が発足した1年後の2014年5月に新しく設置されたものです。
これまで各省庁の官僚主導にて行われてきた省庁幹部の人事権を「内閣人事局」にひとまとめにすることで、審議官級以上の600名にも及ぶ人事のすべてを首相官邸が決めることができるようになりました。

政府が打ち出した政策に対し、意にそぐわない官僚は登用しないと決めることができるのです。官房長官が適格性を審査した上で、幹部候補の名簿を作成し首相と協議を行い決める形となります。実際には官房長官が強い権限を持って運営されていくものでもあります。

この目的は菅義偉官房長官も述べていたように、縦割り行政の弊害を排除して、内閣の重要政策に応じた戦略的な人事配置を実現することを目的に導入したものとして、今後も適切な運営に活かしていくとしています。

もともと省庁にはキャリア官僚として採用されると、ポストの昇進や、同期が次官クラスの地位になると残りの人達も天下りをするなど、生涯安定して勤められる保証システムが存在していました。これを変えるべく誕生したのが内閣人事局でもあるのです。

内閣人事局のメリット&デメリットとは?

内閣が人事権をひとまとめに掌握したことで省庁が「省益」を優先して政策が頓挫することや、利益を誘導するような弊害を無くすことに繋がり、時の政権が唱える政策が進めやすくなるというメリットがあります。

また、今までの人事では各省庁で前例踏襲型の決まった人事の配置しかできませんでしたが、各省庁にとらわれず垣根を超えた適材適所の配置ができることも大きなメリットです。

デメリットとしては大臣以下の幹部職員の人事が内閣によって行われることで、人材の的確な評価を行うことができず、専門的や知識・技術的に優れた人材の確保がしづらいなどの面も指摘されています。また実際に業務を行う人とそれを管理する側に距離ができてしまうことも問題視されているのです。

さらに、官僚の出世が政権与党に握られてしまったことにより、今は官邸の顔色を伺うような行政になってしまい、三権分立の行政の独立性が揺らぐ傾向が強まったとして反論する声もあります。

さまざまな問題が浮き彫りになる内閣人事局

「森友学園」の国有地取引に関する財務省の決算文書の書き換えにおいても内閣人事局の弊害があったのではと指摘されています。森友学園の国有地売却問題に関して昨年国会答弁に立った、佐川理財局長は、首相を守るために、さまざまな言葉を述べていたのも印象的です。

彼はその後、国税庁長官となりました(3月に辞職)。麻生財務大臣が、佐川氏の人事に関して「適材適所」という言葉を何度も用いていました。財務省理財局長から国税庁長官という流れは、佐川氏の前からあることですが、2017年の国会での答弁により出世のコースが約束されたともいわれています。

他にも「加計学園」の獣医学部新設の背景に「総理のご意向文書」において文部科学省の前川喜平前次官が「本物」と証言したこと、安倍首相に対する忖度が関係しているのではと考える動きもあります。モリカケ問題で忖度という言葉は幾度となくマスコミに取り上げられ、2017年度の流行語大賞にも選ばれるほど私達は耳にしていた言葉でもありますね。

3月13日に小泉純一郎元首相がBSの番組で「総理が『私や妻が森友学園、関係あったら総理も国会議員も辞める』と言った。忖度したんだよ」と述べていました。現在の人事の官邸主導が強くなり過ぎているのではと懸念する声もあり官僚が萎縮しているのでは?と心配する声もあります。そのため見直しを求める声や批判する声も後を絶ちません。

今こそ政治と官僚との関わりの見方を問われているのかもしれません。

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政くらべ編集部

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