保育園待機児童問題の解消は、日本の将来を考えることにつながる。

最近テレビのニュースでは、保育園に落ちた方のブログが話題となっております。少子化が問題になる中、保育園は大盛況。それだけ働く女性が増えたということです。自民党も何も対策をしていない訳ではなく、対策は行なっているものの、追いついていない状況のようです。では、何か打開策はあるのでしょうか?

待機児童が増える理由は、保育園を選ばざるを得ない人が多いから

私の子どもは今高校生です。子どもが小さいころ、私は働いていたので子どもを保育園に預けていました。
私が住んでいたのは田舎だったので、待機児童問題もなくどの保育園でも入れる状況でした。
しかし東京などではその頃からすでに待機児童の問題はありました。ということは、少なくとも10年以上は待機児童の問題は続いているということになります。

働く女性は増えていますが、少子化で子ども自体の人数は減っているはずです。しかも、待機児童解消のための対策も行われているはずですよね?
それなのに、待機児童は増える一方です。
私が住んでいる都市でも待機児童が増えてきています。特に都市の中心部で増えています。
私が住んでいる都心から離れた住宅街では、保育園を選んで入ることは難しいですが、空きが全くないということではないようです。
同じ市内でなぜこのような差ができるのでしょうか?

待機児童が増える原因は単純に考えると、子どもの人数と保育園の数が見合っていないから。
働く女性が増えたために、子ども自体の人数は減っていても、保育園に入園する子どもは増えているのですね。
私の住んでいる地域では、子どもが小さいうちから働く人はそれほど多くありません。大抵の人が子どもの幼稚園入園を機に働き始めますが、主婦でも働きやすい短時間のパートをする方が大半です。
また、フルタイムで働く方の中には3才以降は預かりをしてくれる幼稚園に入園させるという方もいます。
昔ながらの住宅街ということもあるのか、元々母親や父親の地元でおじいちゃんおばあちゃんが近くに住んでいたり一緒に住んでいたりする方も多いです。そのため保育園には入れずに、自分の親に手伝ってもらっているという方もいます。
一方都心部の場合はフルタイムで働く方が多いように思います。
転勤族の方も多く、近くに実家がないという方も多いです。そのため保育園に頼らざるを得ないのです。
待機児童の問題を解決するには、単純に保育園の数や保育士の数を増やせば良いという訳ではないのではないでしょうか?

待機児童の解消には、女性を取り巻く環境を変えることが必要

私の住む地域で保育園の待機児童が少ないのは、保育園に頼らざるを得ないという状況の方が少ないということが理由の一つに上げられると思います。
ですから待機児童解消には、保育園や保育士を増やすと同時に、保育園を必要とする子ども自体を減らす対策も同時に行う必要があるのだと思います。

フルタイムで働く方は結婚前からその仕事をしていて、やりがいを感じているため辞めたくないという場合と、生活のためにフルタイムで働かざるを得ない場合の2つのパターンがほとんどです。
やりがいを感じている方の場合、育休によりキャリアに影響がでることを恐れて育休を取らずに働く方も多いです。
私は以前教員をしていましたが、教員の場合育休を3年間まで取ることが可能です。もちろん育休がキャリアに影響することはありません。
そのため3年間の育休をとり、育休明けに預かりが充実している幼稚園に子どもを預ける方も多いのです。
子どもが3才くらいになると病気にかかることも少なくなるため、結果的には職場に迷惑をかけることも減ることになります。

同じことを実際に一般企業でするのは難しいでしょう。しかし政府が支援金を出してくれたら名乗りを上げる企業も増えるのではないでしょうか?
また生活のために働く方の中には、生活に余裕があるなら仕事をしなくても良いと考えている方もいるかもしれません。
子どもが小さいうちは児童手当の金額を引き上げたり、子どもの人数が多い家庭への補助を手厚くしたりすることにより、働くことを選ばない方も増えるかもしれませんね。

日本の将来を考えることが、待機児童解消につながる

保育園が足りないなら増やせば良いと単純に考えてしまいがちですが、それだけではなく根底にある問題を解決しない限り、待機児童解消にはつながらないと考えます。
また根底の問題を考えることは、少子化対策にもつながると思います。子どもを安心して育てられる環境が整えば、子どもを生もうと考える方も増えるはずです。
このまま少子化が進むとますます若い働き手がいなくなり、労働力が足りない事態に陥るでしょう。そうなったときに子育て中の女性の労働力がますます期待されることになります。
そのためにも、いま待機児童の問題を真剣に考えることが、日本が抱える様々な問題を解決することにもつながるのでは?と感じます。

北野そら

北野そら

北海道在住の40代の兼業主婦。子育ての経験や、現在の仕事で障害を持つ方との関わりが多い事から、福祉や教育の分野に関心を寄せている。