節税に?!個人も政治家を応援できる「政治献金」のメリットとは?

政治とカネの問題はメディアによって大きくクローズアップされることもしばしばあり、政治献金と聞くとネガティブなイメージをお持ちの方も多いかも知れません。

しかし、政治活動において資金は重要です。応援したい政治家に寄付をすることは政治を変えるきっかけにもなるえます。寄付をする側には思わぬメリットがあるのも魅力的ですので、この機会に政治献金について考えてみましょう。

政治献金とは?誰でも気軽に始められる?

政治家が活動するのに欠かせないものは幾つかありますが、特に重要なのは選挙において勝利すること、そして、活動資金を集めることとなります。活動資金については国庫から支出される政党交付金なども用意はされているものの、やはり、これだけでは充分とは言えません。

政治活動資金の使途はさまざまで、スタッフのための人件費の他、議会報告などの制作費や印刷代・郵送代、研修や勉強会への参加費などなど、枚挙に暇がないほどです。もしも、政治献金がなされなければ、政治家は当選したとしても、実際に政治活動を行って公約を実現することは難しくなるでしょう。

政治献金については政治資金規制法が制定されています。この法律によって、企業から政治家個人への献金は不可とされるなど、ルールが決められていますから、それを守って寄付をしていくことが大切です。

ただ、個人で行う際には、複雑な手続きなどが必要なわけではないので、注意点にだけ気をつけておけば、割と気軽に寄付をすることができます。

政治献金の方法!特定の政治家を応援したい!

企業や団体が特定の政治家個人に対して寄付をすることは政治資金規制法によって禁止されています。しかし、どうしても「政党ではなく、政治家個人を支援したい」と感じるケースは少なくないはずです。このような時には、個人での政治献金を考えていきましょう。

直接の寄付はできないものの、最終的には特定の政治家をサポートできる方法があります。個人が特定の政治家に対して寄付を考える場合、その政治家が指定している資金管理団体や後援会に寄付をすると良いでしょう。表面上は政治団体に対する寄付ですが、応援したい政治家を直接にバックアップしている組織であるため、しっかりと支援に繋げることが可能です。もちろん、このような寄付は規制法に抵触しませんので安心です。

個人で献金する方法は、応援したい政治家の事務所に問い合わせたり、公式ホームページをチェックしてみると良いでしょう。現在では、政治家のホームページにおいて「個人献金募集」を掲げている政治家もいます。クレジットカードやオンラインバンキングに対応している政治家も増えているので、手軽に献金することもできるようになってきました。

寄付金控除で節税に?!政治献金のメリット その1

個人献金を行った場合は、確定申告をすることで寄附金控除の対象となりえますから、税金対策の面でメリットがあると言えるでしょう。

控除の対象となるのは、政治資金規正法によって定められた政党や資金団体などへの政治献金となります。献金をした相手から、総務大臣か都道府県の選挙管理委員会等による確認印が押された「寄附金控除のための書類」をもらって、確定申告の際に提出することで控除の対象とすることが可能です。

国税庁のホームページによると、控除額については以下の通りの計算式で求めます。

「年内に支払った寄付金額の合計-2000円」×30%=政党等寄附金特別控除額

控除額は100円未満は切り捨てて計算します。

もしも、「寄附金控除のための書類」を用意できない場合には税務署に連絡すれば、後日の提出にすることが可能です。他にも幾つか注意点があり、加えて、政治資金法や施行規則の改正によって内容が変更になっている可能性も考えられますのでで、献金の前には、国税庁のホームページを閲覧したり、寄付を考えている政治団体に問い合わせるなどして、確認しておくと良いでしょう。

少額なら秘密でできる?!政治献金のメリット その2

政治献金に関しては過去の事件などから、可視化・透明化の要請が強くなってきました。その一環として、現在は原則、寄付者の氏名や住所が公開されるようになっています。

現に総務省のページで公開されている収支報告書を見れば、寄付者の氏名や住所、職業を見ることが可能です。以前は著名政治家が家族から多額の寄付を受けていたなどのニュースがありましたが、そういったことも収支報告書で調べられます。これは個人による場合でもしっかりと掲載されているので、寄付を行う際には気をつけておきたいポイントでしょう。

この収支報告書への掲載ですが、5万円以下の寄付については掲載する必要がないというのが決まりです。逆に言えば、収支報告書で個人情報を公開されたくない場合には、5万円以下の少額の献金を行えば良いわけで、これは知っておきたいメリットとなります。

もちろん、収支報告書に名前を載せてもらいたいと考えるケースもあるようで、この場合には5万1円を寄付している方を見かけることもしばしばです。秘密にすることも公開することも寄付の額によって選べるので、好ましい方を考えましょう。

個人の政治献金が増えることで政治は変わるか

献金に関しては問題も多く、特に企業や団体が行う場合には、優遇措置や新たな法案制定といった見返りを求める賄賂に近い存在になっているケースもあります。一方、しっかりとした政治家が正しく献金を使えば、寄付された資金が社会福祉の向上や国益にも繋がりえるのも事実です。

政治献金は政治家の活動を支える重要なもの。有権者の側でも、政治献金と言う制度のメリットや意味を良く考えて、どのように運用するのが好ましいのかを、検討・議論することが大切なのではないでしょうか。

近年では、政治献金の在り方として、個人による寄付の割合を増やすことで、クリーンな政治に繋がるのではという期待がなされています。個人による献金は有志によるものと考えられ、政治家と企業が癒着するようなリスクも避けられるでしょう。また、個人献金は政治家個人を応援しやすいのも良い点です。

年齢が若く、当選回数が少なくて党内では立場が弱い政治家であっても、その姿勢や考えが素晴らしいものであれば、世間の方が個人献金でバックアップすることにより、力を貸すことができます。何もしなければ何も変わらないものです。個人の政治献金が増えれば政治が良くなるとは言い切れませんが、可能性を考える価値はあるでしょう。

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政くらべ編集部

政くらべ編集部

2013年に政治家・政党の比較・情報サイト「政くらべ」を開設。現職の国会議員・都道府県知事全員の情報を掲載し、地方議員も合わせて、1000名を超える議員情報を掲載している。選挙時には各政党の公約をわかりやすくまとめるなど、ユーザーが政治や選挙を身近に感じられるようなコンテンツを制作している。編集部発信のコラムでは、政治によって変化する各種制度などを調査し、わかりにくい届け出や手続きの方法などを解説している。