選挙に当選!どうするお祝い?胡蝶蘭はOK!?現金はNG!?

衆議院議員選挙や参議院議員選挙といった国政選挙、県議会議員や市議会議員を選ぶ地方議員選挙、知事や市長などを決める首長選挙、日本にはたくさんの選挙があり、これらの選挙で選ばれた政治家の総数は3万人を超えます。

親戚、友人、近所づきあい、仕事関係…、あなたの身近にも意外と「政治家」と呼ばれる人がいるかもしれません。

そんな身近な人が選挙に当選したら「おめでとう」という言葉とともにお祝いを贈ってあげたいものです。では、どんなものを贈ればよいのでしょうか?

お祝いといえば「お花」選挙の当選者が手にする「花」とは?

日本の選挙は投票日のその日にそのまま選挙結果を出す即日開票を採用しているケースが多いです。投票が終了したあと投票箱が集められ開票が始まります。開票作業がすすんで当選が決まると、選挙事務所は歓喜に包まれます。その後、選対幹部の挨拶などの当選後のセレモニーとなりますが、セレモニーのアイテムとしてお花は欠かせません。

候補者の当選挨拶が終わると、選挙事務所のスタッフや選挙カーに乗ってくれたウグイス嬢から、候補者に花束が贈呈される場合が多いです。花束の花の種類に特に傾向はないようですが、お祝いなので派手な色の花や、大きめの花束が好まれるようです。

また、衆議院の解散総選挙や参議院通常選挙など大型の選挙では、開票日には各政党が開票本部を設置し、党の総裁や代表などの幹部がマスコミのカメラの前で、当選した候補者の名前の上に花(バラなど)をつけるという光景もおなじみです。

当選祝いの定番は胡蝶蘭 費用やマナーは?

さまざまなご縁で支援した候補者や知人が選挙に当選した場合、お祝いの気持ちを伝えるために、好まれる贈り物で人気が高いものも、やはり「お花」です。

企業の上場祝いや社長の就任祝い、店舗の開店祝いなどでも好まれる胡蝶蘭は、当選のお祝いでも特に人気が高いお花です。胡蝶蘭は、手入れしだいでは1~2ヶ月持つことから、「長い政治生命を願う」という意味もあるという説があるそうです。

見た目も派手な胡蝶蘭は、「高そう」というイメージがありますが、実際のところはどうでしょうか?

価格帯としては、2万5,000円から5万円くらいのものが人気のようです。サイズが大きくなれば当然値段も高くなります。だいたい枝1本につき1万円くらいと考えると大きさを想像しやすいでしょう。なかには3本立ての枝ぶりの胡蝶蘭で2万円しないものもあります。これならばリーズナブルで購入しやすいかもしれません。

実際に胡蝶蘭を贈るときは、「祝当選」や送り主の名前を書いた立て札をつけるのがマナーです。贈るタイミングは、早いほうがいいです。開票日の次の日から1週間以内に届くのがベターです。開票日は当選が決まるのが夜遅く、花屋さんは営業していませんので、翌日には花屋さんに手配しましょう。

インターネットで手配する場合は、夜遅くても購入できるのが利点です。当選が決まったらすぐに手配するのがいいでしょう。インターネットで購入できるお花屋さんを探す場合は、立て札のサービス、配送料などをチェックするほか、引き下げサービスなどが利用できるお花屋さんがよいでしょう。

事務所などによっては、お花が終わった後の処分に困るというところもあります。その点、引き下げサービスを実施しているお花屋さんならば、贈り先の相手の手間をかけない気遣いもできます。

お花以外に選挙の当選祝いに贈る品物の例は?

お花以外に当選の祝意を伝えるものとして一般的なのは、祝電です。電報を扱っている業者は、昔からおなじみのNTTに加えて、最近はさまざまな業者が祝電サービスを行っています。

NTTで電報を出す際の注意ですが、受付時間が決まっているということです。電電公社時代は電話でいつでも受け付けてくれたので、そう思っていらっしゃる方をたまに見受けますが、事前に確認しましょう。電話での受付は午前8時から午後7時までです。ネットでの受付は24時間可能です。

電文の台紙も、押し花や刺繍入りなどさまざまですし、漆の箱や陶器製のお皿、プリザーブドフラワーつきなど、贈り物を兼ねて送ることもできます。

また、電話でNTTの電報を頼むと、台紙などの見本を見られないので慌ててしまうのがいやだという方には、他の業者が行っているサービスを利用する方法もあります。こちらは、NTTに比べて値段が安いものを見つけることができます。これらの業者の場合は、ネットで注文を受け付ける場合がほとんどですので、電文や台紙の写真を見比べながら注文可能です。

ごく稀ですが、直筆で当選祝いの手紙を贈るケースもあります。今後の活動への期待などがつづられており、心のこもったものにしたい場合はこういう方法もあります。

また、最近は少なくなりましたが、お酒贈ることもあります。

お花まではちょっと…、という方は祝電がおススメです。

現金は当選のお祝いに贈っても構わない?

当選した議員が友人や親せきなど身近な人で、その生活状況がある程度想像できる人だったとしたら、頑張ってほしいと思う気持ちと同時に、「お金がかかっただろうな」と思うこともあるでしょう。

「これからの議員活動に役立てもらおう」と、「当選祝いに現金を」と思ったあなたは、一旦立ち止まってください。

当選祝いなどいかなる名目であれ、政治家個人に現金や有価証券(国債などのこと)を寄付することは、政治資金規正法で禁止されています。

ですから、議員個人に贈るのではなく議員の後援会などの政治団体(場合によっては政党支部)に対する寄付金としなくてはなりません(いわゆる政治献金としての扱い)。政治団体に政治献金ができるのは個人に限られます(企業や労働組合などの団体は、政党に対してだけ可能)し、年間150万円までとなっています。また、一定程度の寄付をすると、各政治団体が毎年、総務省や各都道府県選挙管理委員会に提出が義務付けられている政治資金収支報告書に名前を載せなくてはなりませんので、それがいやな場合は、金額に気をつけてください。

これらの法に違反して捜査当局に摘発されたりや摘発されないまでもマスコミ沙汰になると、主に責められるのは議員のほうです。合法的な政治献金の方法は、総務省のほか、都道府県や市町村の選挙管理委員会で問い合わせに応じてくれます。選管は法を守るように指導をする役割が主で警察と違って取締りを目的としていませんので、疑問があれば電話してみましょう。

当選祝いを贈った後の議員との付き合い方

せっかく支援した方が当選したのですから、大いに活躍してほしいところです。政治家になったとたん、ふんぞり返る人もいないわけではありませんが、基本的に政治家は次の選挙を考えなくてはならないため、有権者に対して立場が弱いという面があります。

政治家に陳情するのは私達に許されていますが、法に許される範囲を逸脱した行過ぎたお願い事などで不祥事の原因を作らないよう、節度を持って政治家と付き合いたいものです。

公職選挙法や政治資金規正法に通じている人は圧倒的に少なく、私たちが善意で行ったことも、法に触れたりすることもありますので、議員と一緒になって理解を深め、「政治とカネ」に賢く付き合っていきたいものです。

政くらべ編集部

政くらべ編集部

2013年に政治家・政党の比較・情報サイト「政くらべ」を開設。現職の国会議員・都道府県知事全員の情報を掲載し、地方議員も合わせて、1000名を超える議員情報を掲載している。選挙時には各政党の公約をわかりやすくまとめるなど、ユーザーが政治や選挙を身近に感じられるようなコンテンツを制作している。編集部発信のコラムでは、政治によって変化する各種制度などを調査し、わかりにくい届け出や手続きの方法などを解説している。