若者はどうして政治に興味を持たないのか、自分をケースにしてみた

若者は政治に関心をもっていない、と世の中ではよく言われている。TVの街頭質問でよく映るのは、若者が政治に関しての知識がまったくない様だ。私は高校生のころまで政治に関心があり、新聞を読み、ニュースを見ていた。しかし、大学生になってそれは変わってしまった。自分をケースに分析していく。

受動的だと情報が入ってこない

若者の政治離れ、という言葉はここ数年聞き続けている。自分たちの将来を決める政治に興味を持たないのはいったいどういうことなのか、そう考えている時期が私にもあった。

高校生までは政治に関心をよく持ち、世の中で何がおきているかは最低限把握していたつもりだ。
TVの街頭質問でよく目にするのは、学生が今の政治について意見を聞かれ、何も答えられない映像だ。大学生になれば、年齢的には立派な大人だ。そんな人間が政治に関してまったく理解がないことに、 嫌悪感を抱く人は少なくないだろう。

私もそんなふうに思っていた一人だが、いざ大学生になってみると、自分も変わってしまった。
大学生になった途端、選挙権は行使するものの、政治に触れる機会が激減した。 今、世の中で話し合われていることも大してわからなくなってしまった。なぜこうなってしまったのだろうか。大学生になった自分の生活を分析してみた。

一つは、TVを見る機会がそもそもないことだ。
講義、バイト、サークル、部活、朝ご飯もろくに食べずに早く家を出て、帰ってくる時間は夜遅い。ご飯は家で食べないことが多く、帰ってくると寝るだけの生活だ。高校生までは家族で食卓を囲み、ニュース番組を見ながら話をしていた。また、朝起きる と大抵ニュース番組がリビングで流れていたものだ。その機会が失われると、本当にTVを見る機会がなくなる。TVは重要な情報源だったので、このせいで世の中で何が起こっているのかわからなくなってしまった。

二つは、実家を出ると新聞に触れる機会がなくなってしまうことだ。
新聞はあくまで親がとっているもので、自分は置いてあるものをたまたま手に取っていたにすぎない。一人暮らしをしてからは読むことが全くなくなってしまった。自分から新聞を取るということは、経済的にも時間的にも、自分の興味的にもすることはない。

こうしてみると、自分が政治に関心を持つことができていたのは、自分の意思で行っていたというよりは、周りの環境によって成り立っていたということがわかる。実家を出て一人暮らしを始めた学生にとって、共感できる点はあるだろう。

若者はどうすれば政治に興味をもてるか

TVと新聞の情報源が失われ、若者はどうやって政治に触れていけばよいのだろうか。
若者はスマートフォンが大好きだから、SNSを利用すればよいのではないか、というのは少し安直すぎる気がする。

たしかにSNS上では政治に関する情報が入ってくることもある。
しかし大半が政治家の不祥事や、失言や失敗などを面白おかしいネタにした記事など、中身がなく重要でないようなことばかりが回ってくる。正直そんなことは知っていても知らなくてもどちらでもよい情報だ。

SNSもだめなら、他にはどんなものから情報を得させればよいなか。私が思いついたのは、政治に関する講義を教養科目などで増やしていくことだ。
社会人、大人になるということは、どのような政治が行われているか知り、選挙権を行使する責任がある。そのような人間を育てていくためには、半ば強制的にでも政治に触れさせる機会を作り、そこで受動的にでも学びのきっかけを作る必要がある。

今、若者が政治に興味をもたなくなり、すべてを政治家に丸投げするような世の中になってきていることは否めない。こんなことが続いていけば、いつか国に大きな被害をもたらすことが起きる。日本はそんな世の中を変えていかなければならない。

石川芳月

石川芳月

21歳、男、北海道在住の大学生。進学校に進み続ける一方、大学生になって自分の生活が変わり、以前よりも政治に関心をもたなくなってしまった。