果たして本当に若者は政治離れをしているのか

若者の政治離れが叫ばれており、その結果が数字に出る事もあります。しかし、安保理法案に真っ向から反対した学生がいるように、一言と若者といっても政治への関心度やそれに対する行動に温度差があるように感じます。また、地方の投票事情にも課題が見える時もありました。

若者は本当に政治離れしたのか

若者の政治離れが激しいと言われていますが、それは私が学生のころから変わっていない状態です。
確かに、出口調査などでは若者が少なく、比率が少ないと言うデータ出たこともあります。しかし、若者が投票に行かないことと政治離れは全く違うように感じる事があります。

特にネット上の書き込みを見ると、意外にも学生のSNSアカウントが積極的に政治的な議論を行ったりしています。ネット上で見るだけでは若者と政治離れがイコールで結びつかないのです。
しかし、実際に開票結果などを見る限り、日本全体で投票率は落ちています。ある時ふと思いました。ひょっとして、投票率が下がった事自体を若者のせいにはしていないかと。考えてみれば日本の人口構造は変化しており、投票をどの切り口で見るかで、若者の投票率の見方も変わってくるのです。

「投票しないのも選択肢の一つなのか?」

投票をするのは国民の意思表示の方法でもありますが、投票をしないのも意思表示の一つの手段という見方もあります。若者の声に耳を傾けると、政治に関心があるからこそ投票しないと言う姿も見えてくるのです。しかし、投票を一度しないと決めてしまうと、投票の結果がどう反映されたのか確認することも放棄してしまいます。政治は良い事ばかりではなく、時に何かを切り捨てなければ前に進めないこともあります。

選挙権と言うのは権利であるとともに、取れる選択肢の中から最良の物を選ぶと言う責任も伴います。選ばない事によってより悪くなる可能性や、選んでも思い通りに進まない可能性もあります。その可能性を踏まえて、結果を積み重ね、より良い可能性に至るまでを見守る事も重要なのです。

地方の課題は若者の話だけではない

宮城に住んでいるので、どうしても東北のニュースを目にし、耳にする事も多いのですが、冬の選挙で選挙日当日が大雪と言う日がありました。
この日は日本海側や山間部は酷い雪で、雪かきをし続けないと家が埋まってしまったり、重大な事故が起こりかねない状態でした。しかし、選挙は中止されず、通常通り投票が行われました。

選挙制度自体の否定をするつもりはありませんが、山間部は一人暮らしのお年寄りや、高齢者夫婦で暮らしていて、雪下ろしもままならない家も多くあります。
果たして、若者だけに目を向けて、選挙の投票率は上がるのか、選挙に行きたくてもいけない高齢者をどう投票に結び付けていくのか、将来の課題が見えたような気がしてきました。

電子的な投票が全てに繋がるのか

現状の選挙システムを考えて真っ先に思うのが、このまま高齢化社会が進んだとしたら誰が投票に行けるのだろうと言う事です。

高齢者が選挙に行けなくなり、若者が政治から離れたままならこの国は投票に行く人が全くいなくなってしまうのかと思ってしまいます。

しかし、現実的に考えれば、かつて若者だった30代や40代は選挙に行っている人も多いのです。
むしろ、気軽に投票が出来ない選挙システム自体を見直すべきなのかとも思っています。

もっと手軽にインターネットなどで投票が出来るようになれば、また現状が変わってくる可能性があります。一方で、電子的な投票にはセキュリティ上の課題も多く、不正の温床になりかねないと警戒する人も多くいます。
実際に賛否両論が巻き起こる事が想像に難くなく、また、電子投票が出来るようになっても、その気軽さゆえに政治関心のない人の票で、政治が決められてしまうのではと危惧する人もいるはずです。

統計で考えるなら、無作為の投票は票がばらけるため、それほど大きな影響を与えないはずです。それでも万が一を恐れてしまうのが人間的な感情と言えます。

しかし、将来的に、自分が動けなくなっても投票できるシステムが出来ているかは重要な事です。 投票と言う自分の意見を表明する手段を無くさないためにも、制度の改革のための一票を積み重ねていくのが大切なのです。

佐藤黒助

佐藤黒助

宮城在住のフリーランスの何でも屋。30代。ブログやホームページの作成代行や、各種調査行、ライティング等を行っています。

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