出馬で消える有名人たち

18歳選挙権が本格的に活用される参議院選挙まで気がつけばあと半年である。
「民進党」という新たな党の結成により、これまでの参議院選挙とは一線が異なる状況で迎えることになる。
しかし、今回もこれまでと同じように有名人が出馬表明をしているが、果たして彼らは本当に政治家として活躍できるのだろうか。

今年出馬する有名人

今現在出馬を表明している有名人で確実なのはSPEEDのメンバーである今井絵理子氏である。
彼女は息子が障害を背負っており、日本における障害児に対する支援を行いたいと述べている。
(SANSPO.COMより引用)
また、出馬するのではないかと噂されている有名人としては、お笑い芸人でありながら、焼肉屋を経営するたむらけんじ氏などの名前も挙がっている。
彼らがどのような政策を持っているのかは不明だが、今後出馬する可能性が十分ありえると言える。

当選した有名人の現状

これまでも多くの有名人が出馬していたが、次第に彼らが出馬したいたことはともかく、議員になったことすら記憶が薄れていっている人達が多くはないだろうか?
彼らがたとえ有名人であったとしても、議員としての力を持っていなかったり、どのような政治活動を行っているのかわからないと国民の支持も次第になくなってしまうのだ。

最近では、問題発言によって多くのテレビで取り上げられている丸山和也議員も、以前はテレビで有名弁護士として名を馳せたことを思い抱いた人は多いはずだ。
また、谷亮子議員も一般国民からみれば、現在ではどのような政治活動をしているのか不明であり、小沢一郎議員のそばにいるシーンなどが有名になりつつある。

有名人としての知名度+政治家としての力=信頼される議員

上記のような現状がある中でも、きちんと政治家としての力がある場合、多くの国民から支持される議員となり得ることができる。
例えば、橋下徹氏の場合、これまでテレビによる知名度もありながら、「大阪都構想」や強気な発言は多くの国民の支持を得ることに成功した。
実際に彼は、ピーク時には80%という驚異的な支持率が出た時もあったのだ(JCASTニュースより引用)。

また、東国原英夫氏も宮崎県知事に「どげんかせんといかん」を合言葉にこれまでの知名度を活かし、宮崎の特産物をアピールすることに成功した。
東国原氏によってもたらされた経済効果はとても大きく、出馬しないという表明を出した際には1500億という莫大な損失の可能性があったのだ(MSN産経ニュースより引用)。
その点においても、宮崎のために力を尽くしたことを伺うことができる。

「どうせ単なる票集めでしょ?」なんて思う前に

参議院選挙は比例代表選挙と選挙区選挙で行われており、毎回有名人が出るたびに「どうせ単なる政党の票集めでしょ?」とすぐに捉える人が数多くいる現状がある。
しかし、たとえ芸能人ではなくても、比例代表で選ばれたのにもかかわらず、どんな政治活動をしているのか分からなかったり、問題発言や献金問題などで辞めるケースも悲しい現実だが多々ある。
「有名人」だとしても、本当に彼らが日本を変えたいと思っているのか、また具体的にどんなことをしたいのか、私達国民側がこれまでテレビによって植え付けられたイメージを捨てて、一人の候補者として考える必要があるのだ。

 

芸能界と政治の関連性

一旦、芸能界から政治について見てみることにする。

様々なタブーが存在する芸能界であるが、その中でも、特定の政党を支持するといった踏み入った政治についての話をすることもタブーと考えられている。
ニュースが中立的であるように、芸能人さえも一人の人間であり政治活動を行える自由を持ちながら、中立であり続けなければならないのだ。
彼らは報道番組や選挙特集のゲストとして呼ばれたり、交友として政界関係者と関わったりなど一般の我々よりも多大に詳しく政治に関わることができる。このような経験の中で、自分が持つ理想の政治理論が生まれたとしても、常に中立的な曖昧さを交えた発言をしなければならないのは大変苦しいことであるはずだ。

その点において、俳優の石田純一が安保法案のデモに参加したことは我々にもそうだが、芸能界でも衝撃が走ったはずだ。彼のように自分の政治理論を持っている芸能人は少なくないと思われる。

しかし、芸能人たちは常に「イメージ」を気にしている。もしここで自分の支持政党を述べたらネットや口コミで批判され、イメージダウンに繋がるという考えが常日頃から持っているはずだ。

とはいえ、そう簡単にイメージダウンに繋がるのだろうか。例えばの話だが、もしあなたが好きな芸能人が特定の政党の支持を主張しただけで、その芸能人のファンをやめますか?
もちろん、極端な思想なら話は別だが、そう簡単にやめないのではないだろうか。
それなのに、テレビから消えてしまうのは、極端な表現だがマスコミや企業によるイジメに過ぎないのではないだろうか。

18歳選挙が始まるということで、「いかにしたら投票が増えるか」や「若者の政治離れをどう止めるか」といった国民の政治性を多くの人々が議論しているのにも関わらず、芸能界においてはそのような動きが全く感じ取れない。
もう少し芸能人の政治理論を聞く場と業界の寛容さが必要ではないだろうか。
また、テレビを活かしてお茶の間と選挙について公開討論を本気でやってみるというのもいいかもしれない。

松田龍次

松田龍次

10代、男性、神奈川県在住、大学生。大学では政治学科に属し、主にメディアと政治との関わりや国際的な政治史について興味があり、まだまだ未熟だが政治について日々勉強している。

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