AKB48風

AKB総選挙と国政選挙の違いとは?

日本で知名度が高い女性アイドルグループといえば、AKB48ですよね。そんなAKB48、および関連グループの中からファンの人気投票によって順位がつけられる「AKB総選挙」が毎年行われています。
今年は「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」の名称で、6月16日に順位が決まります。

そんなAKB総選挙ですが、衆議院や参議院の国会議員を選出する国政選挙と、どこが違うのでしょうか?
疑問に思う方もいると思うので、違いを比較してみましょう!

投票方法の違い

まず、AKB総選挙と国政選挙では投票資格を持っている人の条件が違います。

国政選挙の場合、18歳以上の日本国民1人につき1票を投票することができます。
選挙が行われる当日に、指定された投票所に行き投票をすることになります。
あるいは、選挙期日に投票所に行けなくても投票することができる「期日前投票制度」を使えば、投票所に行かなくても事前に投票を済ませることもできます。

一方でAKB総選挙では、投票をすることができるのは年齢制限はありません。
AKB48の52ndシングル「Teacher Teacher」を購入したときについてくるシリアルナンバー1つにつき1票の投票権利が与えられます。
ですので、CDをたくさん買えば、それだけたくさんの数の投票をすることができます。

このルールによって、自分の推しメン(応援してる子)の順位が上がるように大量にCDを買って投票する人も毎年現れます。

また、投票権利があるのはCDを買った人だけではありません。

AKB48・SKE48・NMB48・HKT48・NGT48・STU48のMobile月額会員など、AKBグループの特定の会員制サービスに入っている人にも各サービスにつき一票の投票権利が与えられます。

選挙区と選挙運動の方法の違い

国政選挙には選挙区があります。
衆議院選挙では都道府県をさらに地域別に区切った小選挙区に分けて、それぞれの小選挙区で選挙を行って最も得票数が多かった1人が当選する仕組みです。
同時に、各政党に投票をする比例代表の選挙も行うため小選挙区比例代表並立制と呼ばれています。

参議院の選挙は、各都道府県ごとが選挙区となっていて、人口比率に応じて当選人数が各選挙区で異なります(2016年の第24回参議院議員選挙から、鳥取県と島根県、徳島県と高知県が合区)。
また、衆議院同様に比例代表もありますが、参議院の場合は政党もしくは個人名を書くことも有効です。

AKB総選挙の場合、選挙区は存在しておらず、有権者は自分が投票したい子を選んで投票するだけで良いのです。
複数の投票権利を持っている人は、投票先を分けることも可能です。
もっとも、多くの場合は自分の推しメンの順位が上がるように、1人に集中して投票する可能性が高いのではと思われます。

AKB総選挙は比例代表の投票はありませんが、政党のかわりに所属するAKB48グループは存在します。
2018年のAKB総選挙は、国内6グループ・国外3グループ(AKB48・SKE48・NMB48・HKT48・NGT48・STU48・JKT48・BNK48・TPE48)在籍メンバーが総選挙に立候補することができます。

衆議院、参議院の国政選挙は、選挙運動として選挙区内を選挙カーでまわったり、駅前に立って投票を呼びかけたりすることがよく行われます。
また、テレビでの政見放送が行われたり、自身のウェブサイトやSNSでも投票の呼びかけをする候補者も増えています。
選挙区内に選挙期間中に選挙ポスターを貼って、自分の存在をPRするのも国政選挙における大切な選挙運動の1つです。

一方で、AKB総選挙の場合は日本中、世界中に対して投票を呼びかけることになります。
選挙期間になったら各メンバーの選挙ポスターと、政見放送になる動画がオンライン上で公開されます。

選挙結果が出たあとにどうなるか?

国政選挙では投票の締め切り時間後に、票が集計されて開票されます。
見事、当選した人は国会議員として今後仕事をしていく権利が得られます。

AKB総選挙の場合、投票数によって順位が決まります。
順位によって、次に発売されるCDの選抜メンバーに入れるかどうかが決まります。
2018年に行われるAKB総選挙では順位100位までの人が当選扱いで、AKB48の53枚目シングルの選抜メンバー及びカップリングメンバーに入ることができます。

また、AKB総選挙の結果は知名度にも影響し、順位が高い人はテレビなどで取り上げられる時間も多くなり、知名度が上がって仕事も増えていく傾向にあるとも言えます。

国政選挙と違って、選挙結果が悪かったと言って落選して仕事がなくなるわけではありません。
しかし、順位が高いほうが今後の仕事がやりやすくなることはあるかもしれません。

中間発表があるかないか?

AKB総選挙の国政選挙との大きな違いの1つに、中間発表があるかないか?があります。

AKB総選挙の場合、最終結果が出る前に中間発表がされて、投票数上位のメンバーが公開されます。
例えば、2017年の中間発表では、それまでまったくの無名だったNGT48の荻野由佳さんが1位となる大波乱がありました。

中間発表が行われることで、ファンの人は「もっと推しメンの子を応援しなくては!」と思って、投票行動を加速させる効果はあるのかもしれません。
AKB総選挙を盛り上げるためのイベントとして、中間発表は毎年行われています。

以上、AKB総選挙と国政選挙の違いについてお伝えしてきました。
AKB総選挙は、アイドルのイベントとして楽しむものであり、国政選挙は日本の国を動かす国会議員を選ぶ大切な行為です。

国政選挙をモデルにしたアイドルのイベントがAKB総選挙だとも言えますね。
似ているようで、全然違う2つの選挙。この違いを知っておけば、AKB総選挙はもちろん、国政選挙をいっそう楽しむことができるかもしれません。

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愛知ゆーすけ

愛知ゆーすけ

30代後半。独身。愛知県でフリーでWebデザインの仕事をしています。国会の仕組みや経済政策(アベノミクス)などに関心があります