働き方改革!部活動の週休2日は教員の残業時間に変化をもたらすのか?

スポーツ庁の発表により、中高の部活動は週休2日以上になる指導案ができました。1日の活動時間は平日で2時間、休日で3時間と今までとは大きく変わっています。多この指導案は多忙で残業時間が過多になってしまう教員の働き方改革に繋がるのではと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

働き方改革によって残業時間に上限があるの?

働き方改革によって残業時間の上限が「年間720時間以内」になる法案が提出されました。月に換算すると100時間未満となり、企業ではこういった働き方に改善する動きも見られます。

ですが一部の国公立の教員たちは、この残業時間はなかなか改善させるのが難しく結局過剰労働になってしまっているといいます。月100時間を超える残業は過労死ラインと言われていますが、実際に中学校教員の約8割は、それを上回る残業をしているのが現状なのです。

教員の出退勤約9割が把握されない事実とは

教員の残業時間が100時間を超過していることも問題ですが、教員の出退勤の約9割が把握されていないそうです。

これは昭和46年に制定された教員給与特別措置法、通称「給特法」によるものです。教員の勤務の特殊性を考慮した上で残業代や休日勤務代を支給しない代わりに、給料月額の4%にあたる調整額を支給するというものです。

教員の仕事はあくまでも定時に終わっているとみなされ、終業時間後も職員室に残っているのは教師が自ら好きで残っているとされてしまうのです。残っている時間に業務をしている場合でもこの扱いになってしまうので、100時間を超えていても残業代が支払われていないのが現状なのです。

部活動のブラック化ってなに?

何かと話題になっているのが部活動のブラック化というのもあります。その名の通り学校の部活動なのにブラック企業のように過剰に練習したり、長時間の練習をすることが当たり前になってしまっている風潮があります。実際に学生時代を振り返ってみると部活動一色だったなんて方も多いですよね。

スポーツの強豪校になると年末年始ぐらいしか休みがないなど、練習をすればするほど強くなれると考える風潮は今でも根強く残っています。

もちろん生徒達にとっても休みがなく大変ですが、部活指導員も合宿や指導などで休みを取ることができず、通常の教員としての仕事に、部活指導員の仕事がWで重くのしかかってしまい、どんどん残業が増えていくという悪循環になってしまっているのです。

教員の部活指導員を見直すこと

ただ単に部活動の時間に上限を求めたとしてもあくまでも原則なので、学校によっては今まで通り部活指導員にかかる負担が軽くなるわけではありません。実際に練習する時間が少なくなり、今まで大会常連校だった学校が大会に出られなくなる場合もありますし、本来伸びるはずの生徒の才能を潰してしまうことにもなりかねませんよね。

部活動という形で時間が取れない以上、部員たち自ら練習する姿勢が問われる気もします。またスポーツにもそれぞれ特性がありサッカーなどは短時間の練習でも効果がありそうですが、野球はポジションによって短時間の練習ではなかなか成果をあげることができず、選手の成長に繋がらないこともあります。

また本当に教員の負担になってしまっている部活指導を見直すのであれば、科学的なトレーニングを取り入れることや、学校だけでなく地域のボランティアの力も借りるなどしないと学校だけで生徒の部活動指導までをまかなうのは無理がある話なのかもしれません。

部活動の週休2日に関して、教員にも同様に残業時間の規制をするのであれば、やはりもっと多くの人達が協力できる体制や残業した場合の賃金を発生させる必要があります。国公立の教員だからと企業とは違う残業の考え方だったり、今までのやり方を通していればどんなに働き方改革と言葉にして伝えていても、それが実現されないままになってしまいかねません。もちろん生徒たちの可能性を広げてあげるのも教員の仕事であり、もっと深い部分まで見直す必要があるのではないでしょうか。

春山もも

春山もも

東京都在住、30代の主婦。特に支持する政党はないが、「子育て」「教育」「働き方」などに関心を持っている。