今の自民党の原発政策は、机上の空論に過ぎません。

今の自民党の原発政策は机上の空論です。本気で原発を維持するなら、寿命で廃炉になる原発のかわりを今すぐにでも作らなくてはいけません。それが無理なら原発ゼロの社会を作らなくてはいけません。そのどちらを選ぶのか、今すぐにでも議論しなくてはいけないと思います。

親原発か反原発か、重要なのはそこではありません。

現在、日本の与党である自民党は、「安全性を確保した上で、原発を再稼動させる」「基盤となる重要なベース電源とする」という原発政策をとっています。つまり、これからも原発を主要電源としてどんどん使っていくということですが、これを聞いて皆さんはどう思われるでしょうか。

原発は危険だから、今すぐにでも廃止すべきだという意見もあるでしょう。無資源国日本には原発は必要だから、自民党の政策に賛同するという意見もあるでしょう。しかし重要なのは、親原発か反原発かという、そこではないのです。

実はこの政策、そもそも実現不可能な、机上の空論なのです。なぜ、自民党の政策が机上の空論なのか、それをこれからご説明します。

原発を新設できない以上、今の自民党の原発政策はなりたちません。

この政策が机上の空論である理由、それは単純です。その理由は、「今の日本で新規に原発を作るのが難しい以上、いずれ原発がなくなるから」です。

皆さんご存知のように、原発には寿命があります。一般的には40年、最長で60年と原子力規制委員会が決めています(さらに原発の寿命が延長されるということもありえますが、それでも100年動かすことはできないでしょう)。

そして、今日本の原発は半分以上が25年以上運転しています。35年以上運転している原発も10を超えます。そのため、原発を新しく作って古い原発と交代しないと原発を重要なベース電源として維持する事ができませんが、福島の事故以降、国民の原発への不信感、忌避感は根強く、一基原発を再稼動するだけで、騒ぎになる有様です。こんな状況で原発を新設するなど、とても無理でしょう。

しかし、原発老朽化のペースを考えると、今すぐにでも原発の新設にとりかからない限り、原発の発電量を維持することが困難になります。当たり前の話ですが、原発は3年や5年で作れるものではありません。まず地元の同意を得て、それから建設計画を練りあげ、その後ようやく工事を始めるのですから、準備期間が何年あっても足りません。それを考えると、本当は原発再稼動どころの話ではないのです。

原発を重要なベース電源とするのなら、どこにどれだけの原発を新設するか、というところを議論しないといけないのです。といっても今の日本の現状では、そんな議論に政治のほうが耐えられないでしょう。だから自民党は、原発新規建設の話をせずに原発再稼動のみを主張しているのでしょうが、原発の寿命という問題から逃げられない以上、このやり方では早晩行き詰まります。

ではいったい、原発政策をどうしたらいいのでしょうか。

新しい原発を作るか、それとも原発ゼロの社会を作るか、それを議論する必要があります

原発政策をどうするか、といっても最終的な答えはふたつしかありません。老朽化する原発のかわりに新しい原発を新設するか、老朽化する原発のかわりを作らず、斬新的に原発ゼロの世の中を作るかです。

もし前者を選ぶなら、今から新規原発の建設準備をしないと、原発の老朽化ペースに間に合いません。後者を選ぶなら、原発廃炉によりだんだんと減っていく発電量を、どの発電で埋め合わせるのかと言う対案が必要になります(太陽光などクリーンな発電は発電量が少ない、火力発電は燃料となる石炭や石油を大量輸入しなくてはならないなど、それぞれデメリットがあります)。

(原発への反感が強いから)とりあえず原発再稼動はするけど原発新設はしないという態度を、いつまでもとり続けていくわけにはいきません。このどちらかの選択肢を、国民は選ぶ必要があります。これほど重要なことは、1年やそこらの議論、1回の総選挙で決める事はできませんので、何年もかけて、慎重に熟議していく必要があります。

となると、今の自民党のようにとりあえず時間を稼ぐという選択肢を取るわけにはいきません。なぜなら、我々にはその時間がないのですから。だから、この議論は今すぐにでも始めるべきだと、私は考えています。

藤谷一平

藤谷一平

年齢は30代、性別は男です。 居住地は京都府のどこかになります。 職業は無職です。下手すると数年後も無職かもしれません。 政治的には右でもあり、左でもあります。

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