反原発と原発推進派に見る、日本人極端な思想

原発推進派でも否定派でもない人間としては、どちらの意見もかなり偏って見える時があります。特に感情的な議論などがどうしても目立ってしまうのが正直な印象です。時間を有意義に使うためにもヒステリックにならず議論を整理する必要があるのではとつくづく感じます。

未だに福島に関するデマは多く流れている

震災後に仕事の関係で福島に住んでいたことがあります。
町の人達はとても優しくいい所でした。実際に住んでいて思うのですが、未だに福島に関してデマの情報を流す人がいると言う事です。

福島では頭が二つの子供が生まれている、ほとんどの子供がダウン症や奇形児と言ったものです。実際に福島に行けばわかりますが、そんなことは無いと言えます。
異常は確かに起こっていて、政府は隠蔽していると言う人もいますが、実際に住んでいてそれだけ被害が出ていたら、いくら福島の人でも移住を考えます。

実際に福島に住み続けている現地の知り合いにも子供がいますが、ダウン症や奇形と言う事も無く普通に育っています。
私からすれば、放射能よりもそういったデマを流せる人間の神経や、それをうのみにできる人間の考え方の方が恐ろしく思えます。

放射能の恐ろしさ自体は否定できない

こういった議論をしていると必ず出てくるのが、放射能が怖くないのかと言う議論ですが、実際に放射能は怖いものだと思います。ただし、日常生活をしていてそれが健康的な被害に結びつくほど浴びるのは難しいのが事実です。

実際に福島に行ったことがある人ならわかると思うのですが、いたるところで放射能測定器があり、実際の数字を見る事が出来ます。
この数字は取り立てて異常と思える数字ではなく、多少多いかなぁと疑問に思う程度です。そして、実際にその数字が体に与える影響を証明できるのは数十年たってからになる可能性が高いです。が、影響がない事も証明される可能性があります。

問題は、どこの何を持って影響の有無を判断するかです。統計の取り方によっては、明らかに異常があったように見せる事も可能だからです。

甲状腺がんが増えているのは本当か

例えば、子供の甲状腺がんについて患者が増えていると言う話があります。
しかし、甲状腺がんの定義や発症率の論文は様々な物があり、多いものでは3%~5%の人間が発症していると言うデータもあります。甲状腺がんと言っても、がん細胞があるものの、ごく微小なために健康的な影響がほぼないと言うケースもあるのです。がんだから必ず進行し、影響をするものではなく、人間の免疫能力の中で消されてしまうものもあるのです。

もちろん、がんは免疫ですべて治せると言うものでは無く、どこからどこまでをがんと認識するかの基準によっても物の見方が大きく変わるのです。

放射線によって甲状腺がんが増えた、子供の甲状腺に影響を与えていると言うのは、実はどの基準でのがんなのか、曖昧なケースもあるのです。単純に全員検査を行い、小さなものでも報告するようにすれば、比較するデータによっては明らかにがん患者が増えたように見せる事も可能なのです。

実際のデータの深堀が出来ていないことが多い

これは放射能や反原発への反論の一つでしかなく、全般的に反原発を否定するものではありません。

例えば原発推進派の、二酸化炭素の排出量の話がありますが、原発は海水を使って熱を冷やし、海にその膨大な熱を放出しています。
二酸化炭素の量自体は確かに火力発電より少ないかもしれませんが、燃料の生成や運搬、処理に含まれる二酸化炭素量と、外部に排出される熱量との関係を明確に提示できなければ説得力に欠けると言えます。

また、反原発派は原発を廃止するメリットには触れますが、廃止するリスクについてはまり触れられることが無いように見えるのです。実際に議論していても、国の責任だから処分するのが当然と言った論調が基本で、それが国税で賄われて、そのお金を医療や福祉に回したらどれだけの人を助けられるかと言った比較対象も無いため、メリットを感じにくいのです。

メリットばかりの政策や、デメリットしかない選択に、反対する側が魅力を感じるでしょうか。
大切なのは両方をセットで論じ、反対する人員の投票を取り込み、実際の政治へと反映させることです。
どうしても極端に行動する人が目立ってしまう面もありますが、大切なのは扇動で感情的に票を得る事ではなく、冷静な議論を積み重ねて一人一人の意志を票として積み重ねることだと思います。

佐藤黒助

佐藤黒助

宮城在住のフリーランスの何でも屋。30代。ブログやホームページの作成代行や、各種調査行、ライティング等を行っています。

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