銀行は金を貸せ!マイナス金利とは。

日銀が導入すると発表したマイナス金利ですが、どうも色々なデマや間違った解釈などが横行しているようです。
そこで、ここではマイナス金利とは、そしてマイナス金利のメリット、デメリット、マイナス金利の成功ポイントについて説明し、家計への影響についても説明します。

マイナス金利とは?

実は銀行(メガバンクや地方銀行など)は日本銀行に当座預金口座を持っていまして、その利息は年率0.1%です。
例えば銀行が日銀に1000万円を預ければ、1年後には1001万円になります。
そして現在の我々が預けている普通預金の利息は年率0.1%以下。例えばある銀行の普通預金の利息が0.05%なら1000万円普通預金があるとすれば、1年後には1000万5000円になります。
そうすると、1001万円-1000万5000円で、銀行の利益は5000円になります。
銀行はこのように利益をちまちま稼いで経営を黒字にしていたわけです。

その利息を日銀は今度はマイナス0.1%にすると発表しました。すると今度は銀行が日銀に預金を預けていると預金が減ってしまいます。
今度は銀行が1000万円預けると、1年後には999万円になってしまいます。これは銀行にとっては大変ですね。

ということは日銀は「もう日銀にあまり預金を預けるな」というメッセージを銀行に送ったということになります。ではなぜ日銀はこのような政策を導入したのでしょうか。
日銀は銀行に「日銀当座預金口座にあまり預金するな、資金を民間に貸して商売をしなさい」とメッセージを送ったわけです。

最近の不況の原因の1つとされるのは銀行が金を貸さない、いわゆる貸し渋りです。そこで日銀はマイナス金利を導入して、銀行に貸し出しを促すことにより、市場に資金を回し景気を活性化させようと考えたわけです。

マイナス金利のメリット、デメリット

マイナス金利のメリットとしては、銀行が貸し出しに積極的になるため、設備投資や新規事業、個人では不動産の購入や家を建てるなどが増え、景気が活性化されます。
特に事業で借りるお金や住宅ローンの金利が下がるので、借りやすくなるのではないでしょうか。

もちろんデメリットもあり、一番のデメリットは銀行が経営危機に陥る可能性があるということではないでしょうか。
銀行はいままでは日銀にお金を預けることによって経営していましたので、それができなくなるということです。
今後は民間に資金を貸し出すことによって経営をしなければならないので、日銀にお金を預けるというビジネスモデルを転換できない銀行は苦しくなるのではないでしょうか。特に景気があまりよくない地方銀行は経営が苦しくなることが予想されます。

マイナス金利成功のポイント

マイナス金利成功のポイントとしてはまず銀行が貸し出しを増やすのかがポイントとなります。
日銀預金口座の金利はまだ-0.1%、そしてマイナス金利が適用されるのは日銀当座預金口座260兆円の内10兆円ですので、まだ銀行は守られているといってもいいのではないでしょうか。
-0.1%にしても銀行があまり貸し出しを増やさないということになれば、金利をさらに下げるということも予想されます。銀行は今後は貸し出しを積極的に行って、景気を活性化させてほしいものです。

そして銀行が貸し出しを増やそうとしても、民間が借りなければしょうがありません。そこで民間が資金を借りたくなるような政策が求められます。民間の資金需要が増えるかもマイナス金利成功のポイントでしょう。

家計への影響。

マイナス金利が導入され、さっそく大手銀行は預金金利の引き下げを発表しています。しかしある銀行では0.025%から0.020%になりますので、あまり影響はないと思われます。
ちなみにどうもマイナス金利になれば普通預金口座に預けていればお金が取られると考えているようですが、そんなことになれば銀行にお金を預ける人がいなくなりますので、そんなことはあり得ません。
今回のマイナス金利は銀行に関するお話しです。もちろんあまりにも銀行預金は金利が低いので、このままだとインフレに対応できないことにもなります。

そこで今後は、当分の間ある程度の投資をしていかないといけないのではないでしょうか。
株は怖いという方は、個人向け国債などリスクの少ない商品に投資するのがいいでしょう。投資は慎重に検討しましょう。
そして住宅ローンの金利は低くなりますので、住宅を買うなら今がおすすめでしょう。住宅ローンを借り換えるのもいいかもしれませんが、手数料がかかりますのでこちらも検討は慎重に。
今後景気が良くなれば金利が上がりますので、今のうちに考えてみてはいかがでしょうか。

愛知ゆーすけ

愛知ゆーすけ

30代後半。独身。愛知県でフリーでWebデザインの仕事をしています。国会の仕組みや経済政策(アベノミクス)などに関心があります

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