子育て支援政策一体推進の内容とは? 今さら聞けない政策の問題をおさらい

「少子化は解決するのでしょうか?」
進展しているとは言えない子育て支援政策ですが、9月4日に新たな動きがありました。

自民党行政改革推進本部の本部長、甘利明元経済再生担当相は、党本部で総会を開き、中央省庁再々編に向けた提言案を提示しました。その内容は、子育て政策が厚生労働省、文部科学省、そして内閣府に分かれて行われていることに対して一元的に1つの官庁で担える体制作りを求めるというものです。

総会では子育て政策について「政府の総動員を考えると、3府省で所轄が重なりつつ分かれていることは検討が必要だ」と説明。
しかし提言案では、旧厚生省と旧労働省の統合により相乗効果が見られるところと見られないところがあると指摘する一方で「政策の方向性をつくり、業務量などを踏まえて検討を行うべきだ」として、検討に挙げる程度にとどめました。

引用:産経ニュース「子育て政策を一元化 厚労省分割案は後退 自民党行革本部、提言案を提示」

問題が山積みとされる子育て政策ですが、現在多数の省庁にまたがって行われていることが非効率であるとの問題点が浮かび上がっています。子育て政策の問題を、一元化によって解決することはできるのでしょうか。現在の子育て政策の問題と合わせてご紹介させていただきます。

なぜ子育て政策が一元化された?

子育て政策が一元化されたのには次の2つの理由があります。それは、

  • ① 官庁のスリム化
  • ② 厚生労働省の業務量

です。一つずつ説明させていただきます。

官庁のスリム化

現在の子育て政策は内閣府や厚生労働省、文部科学省という複数の省庁にまたがって行われています。複数の省庁にまたがって政策が行われることで、政策の辻褄が合わなかったり、政策が非効率に行われるなどの問題点があります。
また、国民目線でも子育て支援について知りたい場合にどの省庁に問い合わせればいいのか迷ってしまう問題があります。

厚生労働省の膨大な業務量

業務量が膨大と言われている厚生労働省に、子育て政策の部署があることで、業務量がさらに多くなってしまっているという問題点があります。また、旧厚生省と旧労働省の統合によって相乗効果が見られるところと見られないところの違いが大きいとして、政策の方向性や業務量などを踏まえた検討を行う必要があります。

子育て政策の一元化によって、問題が是正されることを願うばかりですが、そもそも子育て政策が行われようとしている背景をご存知でしょうか?背景を知った上で今回の子育て政策一元化について知ることで、政治に対する目を培うことができるので、併せてご紹介させていただきます。

子育て政策が行われる背景とは!?

子育て政策が進められている背景には少子化という問題があります。

日本は、1997年に高齢者よりも子どもの数が少なくなったことを皮切りに少子化が進んでいます。

2005年からわずかに出生率が増えたのみで、現在の社会体制では少子化問題を抜本的に解決できるほどの回復は見込めないと考えられています。このように深刻な問題である少子化ですが、重要だが緊急ではないと捉えられているのか、改善されているとは言い難いです。

そもそも少子化の原因は何なのでしょうか?それは、次の3点です。

雇用の悪化

雇用状態が悪化すると収入の低下や非正規雇用者が増加し、子供を育てるのに十分な収入を得られない人が多くなります。そのため経済的に子供を産むことを諦める人が多くなってしまうのです。

パラサイトシングル問題

学校を卒業した後も親と同居して、生活を親に依存しながらも自身は収入を得ないパラサイトシングルが増加しているため、結婚せずに子供を授かる機会が減っています。

女性の社会進出に伴う子育てと仕事の両立が困難

女性の社会進出が進んでいますが、それに伴う子育てを支援する制度が進展しているとは言い難く、子育てと仕事の両立が困難になったり、そもそも子供を持とうという意欲を削がれてしまうことで、結婚や出産の遅れや回避に繋がり、少子化の原因になってしまいます。

以上が少子化の原因でした。子育てが困難な状況を打破することで、少子化を防ぐことができるはずですが、子育て政策はまだまだ発達しているとは言えません。

子育て政策の一元化が行われることで政策の非効率さという問題点が解決し、子育てがしやすい環境が作られて、少子化問題が解決に向かうことを願うばかりです。

まとめ

進展しているとは言い難い子育て政策ですが、内閣府や厚生労働省、そして文部科学省の3つの機関に横断されて行われていることの非効率性が問題になり、今回の子育て政策一元化へ進んでいます。

8月29日に第一子が生まれた私としては重要な問題です。今後も同行をウォッチしていきたいと思います。

これからの子ども・子育て支援を考える:共生社会の創出をめざして

村田ニッキー

村田ニッキー

東京都在住。IT企業、広告代理店を経て、20代でフリーランスクリエイターとして独立。サラリーマン時代よりも高い税金や保険料、ベンチャー支援制度などに疑問を抱いている20代男性。クリエイターのためのメディアを運営し、セミナーも行う中で、特に若者の、政治に対する関心が低いことを懸念している。