政治家のスキャンダル、どこまで許される?

ここ数年、文春砲を筆頭に週刊誌などで頻繁に政治家のスキャンダルが取り上げられます。

金銭的なもの、不倫ネタ、利益供与、セクハラなど同じ人間である政治家も、こういったトラブルがあるのは仕方がないと取る人もいれば、政治家なんだからスキャンダルとは無縁でなければならないと考える人もいます。しょう。そんな政治家のスキャンダル、実際にどこまで許されるのでしょうか?

スキャンダル1.「金銭的なもの」

政治家の金銭的なスキャンダルで最近思い浮かぶのは、建設業者から現金を授受しことが発覚し2016年に甘利明経済再生相が辞任したことです。

ことの経緯を簡単に紹介します。甘利氏は2013年に大臣室で、2014年に神奈川県の地元事務所で、千葉県の建設業者からそれぞれ50万円を受け取りました。地元事務所の秘書が処理しているはずでしたが、それとは別に受け取っていたお金などを適正に処理せず、個人的に使っていたことが明らかになりました。甘利氏の大臣辞任の理由は、秘書の監督責任です。

甘利氏は2013年に舌がんを患い、事務所や秘書の管理が甘くなったことに原因があるのではという声もあります。

政治家がらみの金銭的なスキャンダルはほとんどが秘書や家族の裏切りによって判明していますよね。政治家が行っていることに対して側近であり一番近い存在の秘書が知らないはずがないのです。政治家は信用して話してしまったらそれを逆手に取られることもあるので、注意が必要であると思いました。

スキャンダル2.「不倫ネタ」

2016年から2017年にかけては政治家に限らず有名人の不倫「ゲス不倫」として取り上げられました。

2016年、「育児休業を取得する」として話題となった自民党の宮崎謙介衆議院議員(当時)が妻、金子恵美衆議院議員(当時)の出産入院時に女性タレントと不倫していたことが週刊文春によって発覚。ほかにも複数の女性との浮気や、金子議員とは別の女性とも婚約していたといった報道もあり、憲政史上はじめて不倫で議員辞職した国会議員となりました。

火種がいまだに燻ぶっているのが、山尾志桜里衆議院議員です。2017年に弁護士との不倫を週刊文春に報じられました。不倫自体は認めていないものの、民進党を離党し、秋の衆議院議員選挙は無所属で当選しました。選挙を経たことでみそぎは済んだのかと思いきや、文春砲は砲撃の手をゆるめません。不倫相手とされる倉持弁護士の元妻から週刊文春に慰謝料を請求する記事を掲載したことによって泥沼化する結果となりました。

また、もう一人、元SPEEDの今井絵理子参院議員と橋本健元神戸市議の不倫報道です。ちなみにこのスクープを報じたのは、週刊新潮です。今井議員との不倫報道で一躍有名になった橋本氏は、政務活動費の架空発注疑惑が報じられ、議員を辞職、2018年2月には兵庫県警に政務活動費を不正に受け取った詐欺容疑で書類送検されました。今井議員はしばらく雲隠れをしてメディアには出てきませんでしたが、議員活動は続けているようです。

スキャンダル3.「利益供与」

利益供与は通称「口利き」とも呼ばれています。行政への影響力を行使できる政治家は、民間業者などに対し、仕事のあっせんや、優遇などを行い、見返りや代償を得ます。

2017年に、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を務めている森喜朗元首相が週刊文春に対して700万円の損害賠償・謝罪広告を求めて提訴しました。当時の週刊文春では森喜朗元首相が組織委員会会長の立場を利用して、自身に近い企業が五輪施設建設を受注するように仕向けたと報じられました。これを利益供与として騒ぎ立てたことに対する損害賠償を求めたのです。

利益供与に関しては長年政界のさまざまな場面で横行し、問題になっています。

スキャンダル4.「失言」

政治家は言葉を武器に、自らの政策や理念を国民に訴えて、理解や共感を深めるのが大きな仕事の一つですが、余計な一言を発してあちこちで炎上しています。

例えば昨年の東京都議会議員選投票前の前日に秋葉原で街頭演説を行った安倍総理が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言し民衆を敵と味方に分ける差別とも取れる失言がありました。また小池都知事の「排除されないということはございません。排除致します」は2017年を代表する失言でもあり、小池都知事の人気を凋落させる原因となりました。

そしてなんといっても、政界の失言王と言えば、麻生太郎副総理兼財務大臣です。かつて総理大臣を務めていた頃には、漢字の誤読などをマスコミや野党に揚げ足取りされたりしました。そして現在もべらんめぇ口調の麻生節で、口を開けば炎上というくらい失言を繰り返しています。

スキャンダル5.「セクハラ・パワハラ」

政治家においてセクハラ・パワハラとも取れる発言は後を絶ちません。その後に涙を流しながら会見を行うなんて光景は何度も見てきたものでしょう。もと議員の桐月一邦氏がかつて「女性は金で買うもの」と発言し、女性議員の隣に座り「1万円でどうや」といいながら抱きついた事件もありました。

直近では高橋都彦狛江市長がセクハラで副市長から辞職を迫られましたね(本人は否定していますが)。

権力を利用して性的行為の強制が行われていること、それに対していかに無自覚であるかは今まで何度も問いただされてきました。

政治家も同じ人間である以上、スキャンダルが起きてしまうのはある程度仕方がないことなのかもしれません。政治的な内容とは関係のない不倫ネタなど、政治家といえども私生活にまで関与しなくてもいいのではとも考えてしまいます。もちろん政治家を選ぶのは有権者であり、「この人になら政治を任せたい」と思える人に投票することが大切ですね。

三沢ゆき

三沢ゆき

20代、女性、大阪府、WEBクリエイター。経済政策、特に若者や老人、シングルマザーの貧困問題や、平和外交などに興味も持っています。