2016年夏に行なわれる参議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上へと引き下げられてから初めての国政選挙となる予定であり、さらに衆参ダブル選挙の可能性もあるなど、極めて注目度の高い選挙戦になりそうです。
さて、夏の参院選で初めて投票に行く人はもちろん、すべての有権者が投票前に一度は見ておきたいのが、各政党が発表する選挙公約(マニフェスト)です。そこには政党の基本的な考え方から具体的な政策までが、国民への約束として記載されています。
しかし、実際は公約で示した政策が必ずしも行なわれるとは限りません。内容と異なる政策を進めたり、公約にない政策を秘密裏に進めたりすることも少なからずあります。また、ほんの数年で政策が変わってしまうイメージも強く、無党派層を中心に「公約がブレていて信用できない」と考えている人は多いのではないでしょうか。
そこで、今回は2009年から2014年までの主要政党の公約をテーマ別にチェック。政策の傾向を分析しながら、内容の変遷についても確認していきたいと思います。
なお、2009年からの変遷を見ていくため、ここでは2009年から存在していた政党を「主要政党」と定義します。
今回、直近5年分の公約(マニフェスト)について、政策の内容と変遷をチェックしてみましたが、選挙対策の人気取りで行われたような「稚拙なブレ」は、TPP関連の政策以外ではほぼみられませんでした。
日本国内、また国際社会を巡る問題は、刻々と変化していきます。その状況に合わせて政策が変わっていくのは、むしろ必然と言えるでしょう。ただ、その変更が真に必要なものなのか、ただのブレなのか、政党の基本的なスタンスまで変わってしまうものなのか……有権者は、それをよく見極めなければなりません。
2016年3月には、民主党と維新の党が合流して「民進党」が誕生しました。民進党が発表する公約は、今回紹介した民主党の政策からどれだけ変わっているのか――そこにブレはないか、厳しい目を向ける必要があるでしょう。
そのためにも、選挙公約はもちろん、政党や政治家、候補者が発信する情報を、自分からアンテナを伸ばしてキャッチしていくことが大切なのではないでしょうか。