今年の1月、衆参本会議において2015年度の補正予算が可決された事はご承知のとおりです。
その補正予算の中にこの4月以降に低所得高齢者に対し支給されることになる、30,000円の年金生活者等支援臨時福祉給付金があった事について皆さんご存知でしょうか。
臨時福祉給付金の支給は1回限り
臨時福祉給付金の支給は今年の4月以降となっていました。市や町の自治体によって多少の差はあるかも知れませんが、4月に入るとお住まいの地方自治体から、臨時福祉給付金の支給対象となる方々に対して何らかの通知があるものと思われます。
ところでこの臨時福祉給付金は今回1回限りのものとの事で、ベースアップ等の収入増が期待できない低所得者にとっては例え1回限りといっても誠にあり難い政策です。
しかしながら今後の自分達の生活の事を考えると決して有り難いとばかりは言っていられません。
臨時福祉給付金支給の支給目的は
年明けから始まった国会討論の中で、安倍総理や自民党、公明党の政府与党は、この給付金は安倍内閣の経済政策、本人も他の方々もアベノミクスと言っていますが、この経済政策でデフレ状況が改善しつつあり、企業業績も回復してきてそこで働いている従業員の給与もここ2年ほど上がって来ているます。しかしこの会社の業績が及ばず、果実が落ちにくい年金生活者や低所得者層がいる事も事実で、この人達にもその恩恵が行き渡らないことには、日本経済の本格的な回復には繋がりません。そこでこのような人々に臨時福祉給付金を支給することによって個人消費を喚起し、それによって日本経済が回復軌道に乗り、好循環となるように支給するものであると述べていました。
臨時福祉給付金支給への野党の反応
臨時福祉給付金の支給に対し、民主党を初めとする野党はどうだったかというと、今年に行われる参議院議員選挙、この選挙の前に支給するというのは、参議院議員選挙での票集めの為で、言わばばら撒きではないか、それらの方々に支給しても大部分の方は今後の生活や老後生活の不安から支給された臨時給付金を使うどころか、タンス預金にするのは目に見えていて、自民党、公明党の考えた通りにはならない、従ってこの臨時給付金は止めて他の方法を考えるべきだと主張し反対していました。
これは政党によって多少の考え方の差はありましたが、ばら撒きという考え方は一致していたところだった気がします。
自民党、連立政権の政策は間違っていたのか、それは国民が選んだものです
臨時福祉給付金、これに似ている他の政策は、自民党が総選挙で野党に敗れ野に下った時まで、自民党や連立政権によって幾度となく実施されて来たものです。
そんな政策を野党はばら撒き、道路やダム、橋、新幹線建設といった公共事業費を増やせば、それは無駄遣いも最たるものと、ことごとく自民党や連立政権の進める政策に反対の態度で臨んで来ました。
それは野党の立場では反対するのは仕方が無かったかも知れませんが、そのやり方は国民からは受け入れられず、ずっと自民党や連立政権が続く事になった一因ではなかったのではないでしょうか。
すなわち、自民党の政策がいいか悪いかは別として、野党の考え方よりは少しはましで国民に指示された事の証では無かったのでしょうか。
その事は自民党がずっと政権を担当出来たのは、国民を欺いて続いて来たものではなく、野党が政権担当能力を国民に示す事が出来なかったが故に、国民がそれを選んだ結果と思います。
数年前に民主党が政権を担った事がありました。その時の事を考えてみて下さい。
民主党は最低年金が一人当たり7万円、子育て支援策として月額26,000円の子供手当の支給、その他にも選挙の時にいろいろ言いましたが、ほとんどは実現していません。
そんな民主党に国民はNO,を突き付け、政権はまた自民党に戻りました。
安倍内閣や自民党、公明党の与党の主張に諸手を上げて賛成という訳ではありませんが、年金生活者や低所得者は収入を増やす手立てはそうはありません。
こういった人達にたった1回限りではありますが臨時福祉給付金を支給する事は間違っていないと思います。出来れば毎年支給して貰って、その他に年金増と言いたいところですが、国地方を合わせて借金の額が1,000兆円を越し、今後社会保障に要する費用が高齢化の進行と共に、益々増加する事を思えばそれは無理と言うものです。
そのような中で何とかやりくりして給付してくれる臨時福祉給付金、ばら撒きどころか温情ある政策と思いませんか。
まもなく対象者に支給手続きが始まるでしょう。受給者たる私達は、安倍総理が申された通り支給された臨時福祉給付金をタンスに仕舞わないで、出来るだけ多く使う事、そう思います。