シルバー民主主義について

今の日本ではシルバー民主主義なるものが力を持っています。このシルバー民主主義とはどのようなものなのでしょうか? これを放置してしまうといったい日本はどうなってしまうのでしょうか? それらの事を選挙における若者の低投票率と比べながら見てみましょう。

シルバー民主主義について

皆さんはシルバー民主主義という言葉をご存知でしょうか。
シルバー民主主義とは有権者全体における高齢者の投票率があがることで、高齢者票が大きな票田と化すので、政治家がそれを目当てにして若者を置き去りにして高齢者を優先する政治のことです。

なぜこんな事が起こるのかと言いますと、それは少子高齢化と投票率が大きく影響しています。
少子高齢化が進むと全体的に若者は減り、高齢者が増えます。こうなると政治家はどうしても票の少ない若者層より票の多い高齢者層を優遇することになります。
票の多いところを相手にしないと、政治家は選挙に落とされてしまいますから。

ただ、現在の日本では高齢者層(ここでは60歳以上の人を高齢者と定義します)と若者層(ここでは20代、30代を若者と定義します)の総数はそこまで離れているわけではありません。
どちらかと言えば高齢者の割合が多いですが、若者層が圧倒的に少ないわけではありません。
しかし、それはあくまで「数」の問題です。

次はそれに率をかけて考えてみましょう。
公益財団法人である明るい選挙推進協会のサイトに、第46回衆議院議員選挙の世代別得票率が出ています。

参考:第46回衆議院議員総選挙における年齢別投票率年代別投票率の推移

このデータによると20代の投票率は38%ほど、30代の投票率は50%ほどになっています。
それに対して60代~70代の投票率は70%を優に超えています。

さすがに80代の投票率は48%に留まっていますが、それでも高齢者の投票率は、若者に大差をつけて勝っていることは確かです。総数と投票率を考慮すると、高齢者の政治的発言力は、若者の倍はあります。

政治家がシルバー民主主義に走るのも当然と言えるでしょう。
では、このシルバー民主主義が強まるといったいどういうことになるのでしょうか。

シルバー民主主義の流れが強まるとどういうことになるのか

シルバー民主主義の風潮が強まると、当然ですが高齢者優先の政治になります。

例えば年金の切り下げなどは非常に難しくなるでしょう。
将来年金支給年齢を5歳ほど引き上げてもいいから、今の年金給付水準をなんとか維持しよう、国の借金が増えてもいいから今の社会保障水準を維持しよう、という流れになります。

要するに問題を先送りしてとりあえず現状がしのげればいい、そういう政治の流れが強まります。

そうなると今の若者層、あるいは子供がわりを食うわけですが、民主主義の手続きにのっとって進められている以上どうにもなりません。
そしてどんどんシルバー民主主義の流れが強まっていくわけです。

では、それを改善するにはどうすればいいのでしょうか。

シルバー民主主義を変えるには

シルバー民主主義を改善する方法、それはひとつしかありません。それは若者の投票率を高齢者なみに上げることです。
これは出来るはずです。別に難しい事ではなく、ただ投票に行けばよいのですから。
高齢者に出来ることが若者に出来ないはずがありません。

若者の投票率を高齢者なみに上げたらどうなるか、実はそれでも高齢者の投票総数の方が若者の投票総数より上になります。高齢者の方が若者より数が多いのですから当然です。
しかし、投票率を上げることは決して無駄にはなりません。

政治と言うものは基本的に数で決まります。
多数派と少数派の数に大きな差がついていた場合、多数派の意見がそのまま通ることが多々ありますが、この差が拮抗していた場合、そうではありません。

その場合は少数派の力と数に配慮して、ある程度少数派の意見が通る場合があります。そういうことを考えると、若者層の投票率を上げることは是非とも必要なことです。

投票率を上げるのは、実際には難しいことでしょう。しかし、それをやらなければシルバー民主主義を変えることは出来ないのです。
政治と言うものは高齢者のためにあるものであると同時に、若者のためにもあるものなのですから。

藤谷一平

藤谷一平

年齢は30代、性別は男です。 居住地は京都府のどこかになります。 職業は無職です。下手すると数年後も無職かもしれません。 政治的には右でもあり、左でもあります。

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