日本政治の非妥協化について、妥協なしの政治は長続きしません

今の日本政治は与党と野党の張り合いが常態化した結果、以前の日本政治にはあった妥協の精神を忘れてしまいました。このままいくといったいどうなってしまうのでしょうか。そんな日本の未来とも言える現代のアメリカ政治を見ながら、日本政治の将来について考えてみたいと思います。

日本政治の非妥協化について

政治というものは100か0かで割り切れることはそうそうありません。よって妥協というものが重要になります。政治は妥協の産物というわけです。
しかし近年の日本政治では、与党が数の力を背景に妥協せず、ごり押しする機会が増えてきています。つい最近の安保法案がまさにそうですが、政府与党は妥協せずに強行突破を図り、(正確に言えば少数の野党相手にほんの少しだけ修正しています)逆に野党は条件闘争をせずに全てを突っぱねます。

政治と言うものは本来、双方が妥協して落としところを探るものです。与党が7をとって、野党が3をとる、そういうものでしょう。
しかし今の日本政治は与党が10を要求して、野党が0を要求します。これでは妥協のしようがありません。
このまま行くとどうなるのでしょうか。そのヒントはアメリカにあります。

アメリカ政治の非妥協化について

皆さんご存知のように、アメリカは民主党と共和党、2大政党の国です。
この国でも近年政治の非妥協化が進んできています。

民主党と共和党の政策があまりにも違いすぎ、その後ろにいる支持者もどんどん偏ってきているので、(共和党の支持勢力のひとつであるティーパーティなどがいい例です。)国の為に必要な法案、政策であっても妥協が出来なくなっています。

政治家も支持者もどんどん偏ってきている以上、妥協をしたら袋叩きにされますのでどちらの政党の側も突っぱるしかないのです。それがどれだけ国民の為に必要なことだとしても、政治的に妥協できなくなっているのです。

債務上限問題など、そのいい例です。

アメリカでは発行できる国債の量に上限があるので、上限いっぱいまで国債を発行したら、議会の承認がない限りアメリカは国債を発行できなくなります。
国債を発行できなくなると、アメリカ政府は債務を返せなくなり、アメリカ国内、そして世界中で大混乱が起こります。

それは政治信条に関係なく、国民全てが困ることです。
なのでこの国債発行については政治闘争とは別に考えるべきなのですが、今のアメリカは、ここでも争いが起こります。

共和党が債務上限を引き上げるなら、政府支出を(特に社会保障や年金を)削減しろと要求してくるのです。そしてそれを民主党が突っぱねます。
さすがに両者も債務不履行を起こしたくないので、どこかで最終的に妥協しますが、これを両者共にぎりぎりまで突っぱねて戦うのです。

そんな重要案件を政治闘争の手段に使われては国民はたまったものではありませんが、ここで政治家が容易に妥協すると支持者から激しい突き上げをくらうので、国民生活を人質に取ってでも、両者戦うしかないのです。

妥協しない政治と言うものは、こういう結果を招くのです。

妥協しやすい政治を作るためにはどうすればいいか

今の日本政治は、そこまでせっぱ詰まった状況にはなっていません。
しかし、このまま非妥協的な政治が続くと今のアメリカのようになることも否定できません。
ではどうすればいいのでしょうか?

私は第一党が大勝しやすい今の選挙制度を変えるべきだと思います。
今の小選挙区制を軸とする選挙制度だと、どうしてもひとつの政党が大勝しやすいです。そして議員数は政権運営に影響してきます。
それは単純に法案を通せるかどうかという観点でもそうですが、それ以上に心理的なところに影響してきます。

例えば与党第1党が300議席持っていて野党第1党が100議席もなかったら、
「こっちは300議席あるのに、なんで100も議席を取ってない弱小政党の意見を聞かなきゃならないのか」
となってしまいます。

これが与党第1党が230議席で野党第1党が190議席の場合、与党もこんなに強気には出れません。

人間相手の力が自分と拮抗していたら、強気に出る事は難しいものです。
そうなれば「こちらの要求を完全に呑め」という交渉は出来ませんし、野党の側もそれなりの条件を勝ち取れるなら条件闘争をしようという動きが出てくることでしょう。

与党が法案を通しながらも妥協して、野党もそれなりに意見を通す国会。そういった国会を作ることが、これからの日本に必要なのです。

藤谷一平

藤谷一平

年齢は30代、性別は男です。 居住地は京都府のどこかになります。 職業は無職です。下手すると数年後も無職かもしれません。 政治的には右でもあり、左でもあります。

次の選挙での重要な争点は?(3つまで)

結果を見る

Loading ... Loading ...