税金が安くなる!? 個人でもできる政治献金のルールとは?

政治献金とはいったいどういう制度?

支持する政党へお金を渡す、と聞きますと賄賂のようなダークなイメージがわきます。政治と金といった問題から、私達のような一般的な国民にはあまり縁がないのでは? と思うかもしれません。
しかし、支持する政党へお金を渡すのは、政治献金として政党、場合によっては政治家本人をサポートできる制度として認められています。
ただ、献金を受け取ったからといって政治家や政党はお礼をすることはできませんので、献金は寄付金の扱いになります。

そして、寄付金は寄付金控除という所得税控除の対象となる場合があり税金が控除される優遇制度があります。

そもそも政治家に政治献金って必要なの?

政治家はお金持ちとのイメージがありますが、政治活動をするために多くの費用を必要とします。金銭を得るために有料のパーティーなどを開催するなど、見えないところで資金繰りに必死です。

例えば、新しく政党を立ち上げたり、政治家になったばかり、選挙に出馬しようとしている方だったりすると後援者が少なく政治活動が難しくなります。そこへ支援者からの政治献金は天の助けになります。

政治献金のルールとは?

政治献金は、政治資金規正法という法律によりルールが定められています。この政治資金規正法を守らずに政治献金を行うと逮捕や議員辞職などに繋がりますので、政治資金規正法を守り献金を行う必要があります。

政治資金規正法では、個人と企業(法人)とで献金の方法が異なります。
まずは個人献金ですが、政党、政治資金団体、資金管理団体、その他の政治団体(後援会など)へ献金することができます。政党と政治資金団体への寄付金の額は2000万円まで認められており、資金管理団体とその他の政治団体へは一度に150万円、総額1000万円まで献金することができます。

企業も献金をすることができますが、政治家と企業が癒着する可能性があるので、個人よりも献金先が少なくなり、企業が献金をする場合は政党と政治資金管理団体だけであり、企業の規模にともない1年で750万~1億円まで献金できます。

政治家個人への献金はできないの?

政治家個人への献金は政治資金規制法で禁止されています。
しかし、国会議員、地方議員、自治体首長といった公職の候補者が一つだけ指定することのできる資金管理団体へ個人献金を行えば、資金管理団体を経由して政治家個人を支援することにもつながります。

政治献金で税金が安くなる? 寄付金控除と計算法

前述のとおり、政治家と政党は、政治資金をもらったからといって、献金をしてくれた方へ何らかの優遇処置をとることはできません。
政治献金をした企業へ便宜をはかったら企業との癒着であり、政治献金ではなく、それは「賄賂」となります。つまり、見返りがないので政治献金は寄付金になります。

国税庁のサイトによれば、“特定の団体に対してされた寄附又は特定の公職の候補者のその公職に係る選挙運動に関してされた寄附”(※1)となります。

この特定の団体ですが、政党、政治資金団体、そして国会議員が主宰または構成員が国会議員の団体、公職に就いている人物の後援会、公職に就こうとしている人物の後援会へできます。

政治献金をした後に寄付金の控除を受けるためには、「寄附金(税額)控除のための書類」や政党等寄附金特別控除を受けるなら「政党等寄附金控除特別控除額の計算明細書」を手に入れます。
総理大臣、都道府県の選挙管理委員会などの確認印が押してあるのを確認し、上記の書類を確定申告時に提出すると、寄付金控除を受けることができるのです。

また、寄付金控除の計算方法ですが、国税庁のサイトから引用します。

次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額(※2)

  • イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
  • ロ その年の総所得金額等の40%相当額

政党等寄附金特別控除の税額控除額の計算方法は以下の通りです。
(その年中に支出した政党等への寄附金-2千万円)×30%=政党等寄付金特別控除額(※3)

政治献金は政治資金規正法違反のときに大々的にニュースになるので、あまりいい印象を持たれませんが、選挙以外で政治家や政党を応援する手段です。
政治献金をすることで便宜をはかってもらえるわけではありませんが、このような方法でも、政治家を応援することができるということですね。

宮本武則

宮本武則

30代男。接客業で東京都在住。某電気店に勤め、休日は英会話の勉強中。日本のエネルギー問題と日本と諸外国の政治に強い関心あり。