天皇陛下が私達国民に本当に伝えたかったこと

平成28年8月8日、天皇陛下がお気持ちを表明されました。これを機に、生前退位や皇室典範など、天皇の在り方などについての議論が活性化しているように感じます。でも正直、天皇制度は難しくてわかりづらいなと思う時が多々あります。

このままでは天皇制度はもたない

天皇陛下が「お気持ち」を表明しそれが生前退位を匂わしていたことから、日本中で生前退位という言葉が広まりました。それと同時に話題になっているのは、「天皇制度」についてです。実は、日本の天皇制度は長く持たないと言われているのです。その理由は男系男子の不足です。
現在、天皇のお子様である皇太子殿下と秋篠宮様には4人の子供がいます。その内3人が女の子で、皇位継承権を持てる男子は悠仁様お一人です。その為、将来的に皇室には悠仁様だけになってしまうという事態になる可能性もあるので、天皇制度を変えなければならないという議論が出ているのです。

その対策に上げられているのは、女性宮家創設と旧宮家復活、そして女性天皇にも対応出来る皇室典範にしようというものです。このどれもが、それぞれメリットとデメリットがあります。テレビなどでも今後の皇室について議論するような番組は沢山あるのですが、そのどれもが結局感情論でしか語っていないという印象を持ちました。人間ですから自分の意見があるのは当然ですが、結局自分の意見のデメリットを語らずにメリットだけを語り続け、相手の意見にはデメリットを言って否定する。そんな番組だけではなく、女性宮家創設や旧宮家復活についてメリットとデメリットをしっかり語ってくれる番組が増えれば、天皇制度について国民はもっと真摯に考えるのではないかと思うのです。

愛子様は天皇にはなれないの?

天皇制度を語る上で、なくてはならない問題が女性天皇問題です。実は過去にも女性天皇というのは存在していました。推古天皇や明正天皇など、8人の女性天皇がいたと言われています。そのどれもが男系女子、つまり、父親が天皇の娘という事です。これは、将来の天皇を父に持つ愛子様にも当てはまります。つまり、建前上は愛子様にも天皇になる資格があるということですね。

実際に愛子様が天皇になられたら国民はどう思うか?それはわかりません。しかし、今年日本経済新聞社がとったアンケートで、女性天皇のついて検討すべきだという意見が80%を超えました(天皇陛下の生前退位「認めるべき」77% 日本経済新聞社世論調査)。

悠仁様がいる事を前提としたアンケートでこの結果ですから、愛子様が天皇になったら嫌だという国民は少ないのではないかと思います。現在、日本では女性活躍が叫ばれている時代です。
愛子天皇はその象徴になる、そうなる日がくるのかもしれません。

旧宮家復活について思う事

皇室維持のために、女性宮家創設と共に出てくるのが旧宮家復活です。現在の日本には、天皇家の血筋だけれども皇室ではない人がいます。例えば、政治評論家である竹田恒泰さんなどですね。そのような人の皇籍を復活させようというのが旧宮家復活です。つまり、今現在は一般人の男性を皇族にしようということですね。確かに男系を維持するならば、それしか方法がないように思います。

しかし、先のアンケートのように、国民の8割は女性天皇でもいいと言っています。そのような状態で、国民が慣れ親しんだ愛子様、眞子様と佳子様が皇籍を離れ、天皇家の血筋を引く一般男性を連れてきて「今日から皇族だから」と言われても国民感情的にはどうなのでしょうか。

また、今まで一般的な生活をしてきた男性です。当然、色々なSNSなどをしていてもおかしくなりません。現在の日本は炎上社会です。タレントが不倫をしただけで炎上し、休業に追い込まれる世の中です。そのような中で過去のSNSが発掘されてしまったら、内容によっては炎上してしまうだろうと想像するのは火を見るよりも明らかです。

そのような状態での旧宮家復活。日本国民はすんなり受け入れることが出来るのでしょうか。

天皇陛下が本当にお伝えしたかったこと

天皇陛下がお気持ちを述べられたことによって「天皇の在り方」「女性天皇の是非」など、天皇制度についての議論が活発になってきました。私はこれこそが、天皇陛下が本当に伝えたかったことなのではないか、と思うのです。

今の天皇制度が限界なのは、誰が見ても明らかです。その対処法は「女性天皇」「女性宮家創設」「旧宮家復活」などがありますが、どれを行うにしても皇室典範は避けられません。

あと50年、悠仁様までは天皇制度は持つでしょう。しかしその先は?皇室典範についての議論は避けられません。その議論を先送りするのではなく、天皇陛下も皇太子も愛子様も皆が元気な内に進めてほしい。問題を未来の子供達へ放り投げるのではなく、今の大人達で決めてほしい。そんな未来の子供達へ、そして私たち国民への慈愛が込められた「お気持ち表明」だったのではないか、と思えてなりません。

そんな天皇陛下の深い慈愛をしっかりと受け止めて、今後の皇室についてしっかり話し合うのが、私たち国民が出来る天皇陛下への恩返しだと思うのです。

相原桜子

相原桜子

30代女性 現在派遣社員として中小企業で事務の仕事を勤める。

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