40年後は、皇太子殿下と呼ばれる人物が存在しない可能性があります

現在の皇室典範が改正されないことを前提に考えますと、三笠宮家や常陸宮家の系統は男子がおらず断絶することが確実です。現状では、悠仁親王殿下が約15年から25年後に結婚されて、男子誕生がなければ天皇家は断絶する可能性が高いことになります。天皇制を存続させるためには、皇室典範の改正が必要と思われます。

世論調査では、多くの国民が天皇制を支持しています

昭和天皇が崩御され、今上天皇が即位したばかりの頃までさかのぼりますが、大手マスコミが一斉に天皇制について世論調査を実施したところ、80%前後の国民が天皇制を支持していると回答したと思います。それ以来、20年以上にわたって大手マスコミによる天皇制を支持するか否かについての世論調査は実施されていませんが、今上天皇の生前退位を支持するか否かという世論調査に対しては、70%以上の国民が同意している結果を見ると、現在も多くの国民が天皇制を支持していると推測できると思います。(天皇陛下の生前退位「認めるべき」77% 日本経済新聞社世論調査

したがって、次世代の皇位継承者が悠仁親王ただひとりという不安定な皇位継承の状況を解決するために、皇室典範を改正する必要があると思われます。

安倍総理を筆頭とする保守政治家は、男系継承を望んでいます

皇位継承については、安倍総理大臣を筆頭とする保守政治家や保守の論客たちは、男系による皇位継承を望んでいます。したがって、仮に政治家たちが皇室典範を改正する意思がなければ、将来、悠仁親王殿下が結婚して、男子を誕生させる以外に方法はないことになってしまいます。これでは、あまりにリスクが高すぎます。

悠仁親王殿下に男子出生がない場合を、いまから考える必要があると思います。そのために、安定的に男系による皇位継承をはかるためには、皇室典範を改正して、旧皇族の家系に生まれた男子を、皇室に迎える必要があると思います。天皇家の養子とするか、あるいは常陸宮家など男子のいない宮家の養子とするか、方法はいくつかあると思いますが、男系継承を存続させるためには旧皇族の家に生まれた男子を皇室に養子として迎える方法しかないと考えられます。

リベラル派の政治家たちは、女系による皇位継承を容認しています

自民党、民進党を問わず、リベラル派と呼ばれる政治家のなかには少なからず、女系による皇位継承を容認する考え方が存在します。理由としては、男女平等の概念を皇室制度にも導入すべきというものです。つまり皇室典範を改正して、女性皇族も皇位継承をすることを可能とし、さらに女性天皇の子供を皇位継承順位第一位とする考え方です。

例えば、この考え方に基づいて皇室典範を改正すると、皇太子殿下の長女の愛子内親王の皇位継承順位は第2位となります。そして、愛子内親王が結婚しても皇籍を離脱することなく、結婚相手の男性が皇族となるのです。さらに、愛子内親王が子供を産んだら、その子供が男子であろうと女子であろうと皇位継承順位が第3位となるのです。

この考え方の問題点は、国民感情として「一般家庭で育った男性サラリーマン(仮)」を突然「殿下」と呼ぶことができるだろうかという点だと思います。

時間的余裕はなく、いましか皇室典範を改正するチャンスはないと思います

男系継承を求める保守政治家も、男女平等に基づくリベラル志向の政治家たちも、どちらにしても皇室の存続を求めていると思われます。ならば、悠仁親王殿下が結婚して男子出生をするのを待つのではなく、いまこそ皇室典範の改正に動き出すべきだと思います。

事実上、天皇制を安定的に存続させていくためには「旧皇族の家に生まれた男子を、数名だけ皇室に養子として迎える」か「女系天皇を容認し、一般サラリーマンをしていた男性が皇族となる」のいずれかを容認するしか方法はないと思われます。このような大規模な形での皇室典範改正は、安定した政権のもとでないと実現できないと思います。

日本の政治は制度上、3年に2回のペースで参議院選挙や衆議院議員が実施され、与党が敗北すれば総理大臣が辞任します。このため、日本の総理大臣のほとんどが1年や2年しか務め上げていません。現在のように4年間政権が継続しており、おそらく今後も数年間同じ政権が継続していくと予想される今しか、皇室典範を改正できるチャンスはないと思われるのです。このことを国民の側から問題提起していく必要があると思います。

岸田五郎

岸田五郎

40歳の既婚男性。東京都港区在住の会社員です。選挙活動にボランティアとして参加したり、政治家が開催するミーティングに参加しています。とくに国防、外交、マクロ経済、金融政策に関心があります。

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