女性の積極的な政治参加を促すためにクォータ制導入の検討を!

女性の視点や声を社会にもっと反映させていくには、女性議員が増えることが重要です。女性がもっと積極的に政治に参加するためにも、私、安藤じゅん子はクオータ制導入を政策に掲げています。クオータ制について、皆様にも考えていただきたく、先日受講した、三浦まり上智大学法学部教授の講演会の内容をレポートいたします。

女性議員の割合を増やすにはクオータ制が効果的

2016年現在、世界的に見て日本の女性議員の比率は極めて少ないものとなっています。
衆議院ではわずか9.5%で世界191カ国中158位(2016年5月現在)です。参議院でも15.7%にすぎません。20前の世界平均が11%ですから、日本は世界から20年遅れているといってもよいでしょう。

女性議員の割合

女性議員の割合を増やす施策として、クオータ制があります。
クオータ制とは、国民構成を反映した政治が行われるように、国会・地方議会議員候補者など一定の割合で両性を定員を割り当て、積極的に性別の格差を是正する制度です。

クオータ制を施行している国は世界で120カ国以上あります。もはや特別な仕組みではなく、普通の仕組みであるといえます。アジアにおいてもクオータを導入している国は数多くあります。

アジア諸国の女性議員の割合とクオータ制導入の有無

  • 東ティモール|38.5%|法的候補者クォータ
  • 台湾|38.1%|法的議席割当、法的候補者クォータ、政党候補者クォータ
  • ネパール|29.5%|法的候補者クォータ
  • フィリピン|27.2%|政党クォータ PDSP
  • ベトナム|24.3%|なし
  • シンガポール|23.9%|なし
  • 中国|23.6%|法的議席割当
  • インドネシア|17.1%|法的候補者クォータ
  • 韓国|16.3%|法的候補者クォータ
  • インド|12.0%|地方の議席割当
  • マレーシア|10.4%|なし
  • ミャンマー|9.9%|なし
  • 日本|9.5%|なし

日本より女性議員比率が低い国は、ブータン8.5%、タイ6.1%、スリランカ5.8%などです。

数値目標を設定しなければ前進しない

ウェーデン ストックホルム大学がクォータ施行国認定を行っています。日本では、社民党が党則でクオータ制を取り入れていますが、残念ながらこの施行国を受けられていません。
その理由は、数値目標と、実施できなかった場合のペナルティが設定されていないからということです。

某トレーニングジムではありませんが、結果にコミットしなければ、認められないということです。

時代はクオータからパリテへ

クォータは、女性が排除されている現状を改善するための暫定的な特別措置に位置付けられています。それに対し、パリテとは、民主主義の原則として意思決定における男女の同等な参画のシステムです。すなわち男女同数にするというものです。
2000年フランスが導入し、ヨーロッパにおいて導入が進み、現在はラテンアメリカに波及しています。

日本では、比例代表で男女または女男の交互名簿にすることが効果的です。
現在の制度では、衆議院の重複立候補、同一順位や参議院の非拘束名簿がネックとなっりますが、グループ分けなどをすることで改善できます。

クオータ制導入を目指す民進党

民進党は5月30日、衆議院選挙比例区の候補者の一定割合を女性にする「クオータ制」導入のための公職選挙法改正案を衆議院に提出しました。また、民進、共産、社民、生活の各党は共同で、国会と地方議員の候補者を男女同数とすることをめざす「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」も衆議院に提出しました。しかしながら、国会が閉会してしまったため、この法案は流れてしまいました。

「男女共同参画法案」は当初、超党派の議員連盟が今国会での提出をめざして議論を重ね、衆参両院の議員および地方自治体議会議員の選挙で、政党等の候補者の選定の自由などを確保しつつ、「男女の候補者ができる限り同数となることを目指して行われなければならない」とする基本原則を明記することでいったんは大筋で合意しました。しかし、会期末になって、与党が「男女同数」を「男女均衡」に修正しようとしてきたため与野党間で折り合いがつかなくなってしまいました。

「女性活躍」を掲げながらクオータ制には及び腰という与党の態度は言行不一致です。民進党は超党派でこれらの法案の成立に向けこれからも活動していきます。

出典:安藤じゅん子公式ホームページ「安藤じゅん子の気づき」より

安藤じゅん子

安藤じゅん子

千葉県議会議員

1976年5月29日生まれ。
いずみ幼稚園、上本郷第二小学校、第六中学校、共立女子学園高校、早稲田大学社会科学部卒業。
2010年~2014年松戸市議会議員、2015年4月千葉県議会議員選挙に松戸市選挙区から出馬、初当選。民進党所属。
小学生の子どもを持つ、一児の母。子育て世代の声を県政に届けるとともに、男女共同参画社会の実現、女性の政治参加の促進などを目指す。

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