40年も都市計画税も支払いながら下水もガスも車道も来ないわが家

私が居住しているのは尾道市です。この町は、坂の街で全国的に知られている観光地です。観光に来られる方には、坂道は風情があっていいと言われますが、住んでいる者には、ゴミ問題やら手すりの問題やら、坂ゆえの心配が絶えません。介護車も入れず、坂の急峻な勾配のため、車椅子も使えないのが現状なのです。

10年前に越してきた時住民は元気だった!

私達が、この小さな旭丘団地へ越してきたのは10年程前、その頃は住民は、まだ元気でした。けれど、10年経って誰もいない空き家だらけの団地になりました。

この団地ができておよそ40年。その間、市は40年も都市計画税を徴集しながら、ガスも下水も通りませんでした。また、車も入らないのが我が旭丘団地です。残った住民は、私達ともう一軒のみになってしまったのです。
隣家のご主人も亡くなる直前タンカーで救急車で運ばれましたし、その隣の年配の女性もなくなってからタンカーで運ばれました。その前のご夫婦は子供さんのところへ身を寄せ、もう一軒のお宅は、ご主人が足が悪くなって奥様1人では住めず、結局、家は放置して空き家同然となっています。

初期段階できちっと土地買収もしないまま見切り発車で開発した団地らしく、すぐ下まで車道が来ているにもかかわらず、ほんの数10m位の道が細いので、車が入らないのです。

市街化区域なのに下水も車も入らない我が団地

この団地は、昭和48年市街化区域として届けられたそうで、そのことは県に問い合わせた時に、課から教えてもらいました。
市街化区域というのは都市計画区域の一つで、すでに市街地を形成している区域あるいは、おおむね 10年以内に優先的かつ計画的に市街化をはかるべき区域をいうのだそうです。そして、そこには、都市施設として、道路、下水道、学校、病院なども都市計画も定められています。

さらに、都市計画税は目的税なので、受益者負担となっているのですが、ガスも引けていないし、下水設備もなく、かつ車一台入らないここ旭丘の住民は、まったく受益になっていない現状なのです。それどころか、老年になったら住めないし、介護すら受けられない状態で放置され亡くなってしまったリ、亡くなった後は、今度は遺族が、6倍という法外な固定資産税を要求されてしまう結果となってしまうのです。

市も県も許可をしたのに責任意識なし

都市計画税の徴収は、各市町村に任されていることですから、このケースの場合、尾道市が都市計画税を徴収しなければいいのです。

といいますのも、我が旭丘団地は、市街化区域地区としての条件を満たしていないからです。このことは、市に苦情を言いました。しかし、市の言い分は、この地域だけ例外にはできないということ、また、道路を作るのは住民が土地を譲ってくれない以上、難しいというのが結論でした。

無論、その言い分に関して、私どもは納得しませんで、事は平行線でした。
やむをえず、訴訟までしましたが、裁判所は私どもの訴え理由と証拠などの現状すべてを認めながら、市の行政権を持ち出して、いわば判定を逃げた格好になりました。日本の行政訴訟は、中世時代といわれているとおりでした。

広島市で2014年土砂崩れで74名の方が亡くなっています。それも、市と県が崩れやすい土地であるにもかかわらず、許可したことが遠因となっています。そして、そんな事故がおきながら、当事者である市も県のトップも担当課の誰も、実質的責任は取りませんでした。

私どもの土地を市街地として許可しながら、県の誰も、その実態を調べもせず許可をしてしまったことと同様なことが起こってしまいました。我が家にかける固定資産税についても、一度も測量もしないまま車道が通る地点と同率の税金をかけていたことも、後になって分かりました。それでも、市も県も責任を取りません。

住民は、税の煩雑なことは分かりません。以前、雪の日に立ち往生した結果、手すりも付けてくれるよう要求したことがありました。その時、やってきたのは市の人ではなく、町会長。その鶴の一声で「人が通らないから必要ない」と、結局手すりはつけてもらえないことがありました。これをキッカケに、市に不信感を抱き、いろいろ調べていくうちに発覚したことでした。

市民に寄り添ってくれる議員を選ぼう!

とにかく、市政が、余りに住民無視の行政を行っているのですが、どこに訴えても、そういう状態で固まってしまっているのでどうにもなりません。
市会議員にも相談しましたが、その問題意識は当議員にもないようでした。

都市計画税を徴収しながら、下水も通さず道路も通さない…それをしなくても、なんの罰則もないとなれば、裁判に訴えるしかないわけですが、その裁判所も行政の裁量権に任すという堂々巡りだと、結局、被害を受けた住民は、どうしていいか分かりません。
分からないどころか、土地・家のことですから、一生捧に振ることにもなりかねません。

法律をつくったら、やはり、罰則までも課さなければ行政は責任を取ろうとしません。

国会議員や県議会議員が、選挙民の方を向いてくれて、住民が望んでいる意図をくみ上げ相談にも乗ってくれるような議員を選ぶことしかないのだと実感しています。そういう意味で、行政を監視する私達の代表の議員選びは、私達の身辺の生活と密着した行為なのだと思います。

音木六花

音木六花

60才代、広島県在住、フリーライター。女。社会保障、福祉ならびに原発問題に関心があり。こうしたプロセスにおいて、自由な選挙制度の壁となっている供託金制度疑問を考えるようになりました。

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