障がいがあっても働くことができる時代

障がいがあっても働くことができる時代になりました。ですが、働きたいと言う気持ちは生まれつきの障がい者と中途障がい者、また精神障がい、知的障がい、身体障がいでは違いがあります。また、障がい者の就労については知事の権限の大きいので、みなさんに選挙に行って欲しいと思います。

障がい者の働く意欲

働きたいと言う気持ちは障がい者それぞれに違いがあります。まず、生まれつきの障がい者と中途障がい者とでは考え方が違います。中途障がい者は障がいに慣れていないので戸惑いがありますが、社会経験があるので働きたい気持ちは強いです。一方、生まれつき障がいがある人は普通の状態が障がいがある状態なので、障がい者という意識は余りなく明るい性格の人が多いですが、働きたい気持ちは低いです。

また、精神障がい、知的障がい、身体障がいでは働きたいと言う気持ちや考え方に違いがあります。一般的な健常者が抱く障がい者が働くイメージというと、真面目でこつこつと単純作業を一生懸命するというものだと思いますが、一部の知的障がい者のイメージが強く、障がい者の作業所といえば単純作業が多いのです。しかし、本当は単純作業はやりたくないし、もっといろいろなことをやりたいのが精神障がい者や身体障がい者の気持ちです。

希望の光の「在宅ワーク」

私は養護学校(今は特別支援学校と言います)を卒業してから、父の金型工場の手伝いで製品加工のプログラムをしていました。父も母も障がい者も社会の中で働くべきと言う考え方で、おそらく私が働けるようにするために父が金型工場を建てたのだと思います。どうやってプログラムを書くのかといいますと、母が私の手の代わりをしてくれて、私が言った言葉を母がキーボードに打ち込んでくれます。働くことができて、幸せな暮らしをしていました。

普通、中途障がい者は社会経験があるので働きたいと思いますが、生まれつきの障がい者は社会経験が無いので在宅ワークに目覚めることはありません。私の場合、29歳のときに父が亡くなって工場もつぶれてしまって引き篭もり生活を4年ぐらいしましたが、障がい者も社会の中で働くべきと言う考え方で育てられていたので、やはり働きたいと考えました。「伝の心」というパソコンと出会い、在宅ワークに目覚め、ホームページを作成したりすることができるようになりました。

「伝の心(でんのしん)」は重度障害者用意思伝達装置です。

障がいがあっても社長になれる

現在、引き篭もり生活をしていたことが嘘のように暮らしています。中途障がい者が作った三重県の津市にある会社の見学に行きました。その会社では従業員15人で24時間体制でネットの監視をしており、ブログや掲示板などに投稿される記事をチェックして有害な投稿は削除する仕事をしています。そこの社長に「どんな障がいがあってもやる気があれば働ける」と言われ、ホームページ作成の仕事を始めました。また、文章力は全くなかったのですが、ブログを書く仕事を見つけました。今は重度障がい者の会議に出たり、重度障がい者であるからこそできることをやりたいと考えています。

eふぉーらむについて

今から十数年前の話ですが、現在は早稲田大学の教授をしている北川正恭さんが三重県の知事をしていた頃、障がい者の在宅ワークを支援する「eふぉーらむ」というNPO法人があり、障がい者の在宅ワークを支援するためにさまざまな活動をしていました。

eふぉーらむは在宅でパソコンやホームページの作成法を訪問サポートで教えてくれたり、ホームページ作成の仕事があり、メールや共有サイトで在宅でも仕事ができる仕組みがありました。私がこちらに入る頃には北川さんが三重県の知事をやめて活動も下火になりましたが、訪問サポートだけは続けていました。とてもお世話になりましたが、3年前に県の予算切れでなくなってしまいました。

障がい者の就労を通じて見える知事の権限は絶大で、有能な知事や市長がいると地域の福祉が変わります。政治家に理解があるかないかで、大きく政策が変わってきます。障がい者のみなさんも選挙に行きましょう。

亀山孝博

亀山孝博

男性、三重県亀山市在住。無職、私は重度障がい者で生まれつきの脳性まひで、脳性まひも色んな種類があり、アテトウゼ型と言いまして手足が勝手に動いてしまう。