原発推進すべきか、それとも、脱原発を目指すべきか

2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発がレベル7の大惨事を経験しました。また、1986年4月26日のウクライナでのチェルノブイリ原発事故が我々の記憶として新しいと思います。しかし、今、安倍政権になってから、再び再稼働される原発。将来、我々は原発とどのように向き合えばよいのでしょうか?

そもそもなぜ原発が必要なのか?

原子力発電は、基本的な仕組みは火力発電とあまり変わりません。火力発電は化石燃料を燃焼することによって生じる化学エネルギーで水を熱して蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回し発電しますが、原子力発電は化石燃料を使う代わりに、ウランを核分裂させた核エネルギーによって、熱エネルギーを作ります。

天然ウランには、核分裂を簡単に起こす質量数235のウラン(化学式U)と起こさない質量数234のウラン、質量数238のウランが含まれています。ここで、質量数とは、陽子の数と中性子の数の和です。ウラン235に中性子を一つ吸収させると、一例として、質量数95のイットリウムと質量数139のヨウ素と高速中性子2個が放出されることが知られています。質量数は核反応でも保存はされますが、実際の原子核(陽子と中性子の集まり)の質量は一般に質量数である陽子と中性子の質量の総和よりも小さくなります(質量欠損といいます)。

この質量欠損が、アインシュタインの特殊相対性理論の帰結である質量とエネルギーの等価性「E=mc2」(mは質量、cは光速)によって、エネルギーが計算できます。その結果、化石燃料を燃やすことによって得られる化学エネルギーよりも膨大なエネルギーが得られるということです。

原発のメリットとデメリット

私が考えている原発のメリットとは、以下のようなものです。

  • 1. 核分裂によって放出されるエネルギーなので、安定して大量の電力を供給できる。
  • 2. 問題が起こらなければ、国の技術力の高さの証明になり、外交に対しても有利になる。
  • 3. 発電時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しない。
  • 4. 大気汚染の原因となる窒素酸化物や硫黄酸化物を排出しない(化学反応ではなく核反応だから)。
  • 5. ウランなどの放射性物質の単価が安い。

一方で、私が考えている原発のデメリットとは、以下のようなものです。

  • 1. 放射線(α線(質量数4のヘリウムの原子核)やβ線(高速電子線)などの高速粒子)の徹底した管理の必要性。
  • 2. 毒性のある放射性廃棄物が発生し、半減期が非常に長ければ、その周辺には生物は住めなくなる。

原発の代替可能なエネルギー源はあるのか?

私が知っている核燃料としてのウランや、化石燃料の炭化水素以外のエネルギーとしては、太陽エネルギー(ウランの核分裂とは違い、太陽の重力によって、太陽中心での高温高圧による水素の核融合反応)を直接使う方法や、風力(これも太陽エネルギーによる気圧変化から生み出されたもの)、水力(これは地球の重力エネルギーによって得られるもの)、地熱(地球の中心部の熱を利用、実はこれも放射性元素の長い時間のゆるやかな核分裂によって生じているものと言われている)を使うしかないと思います。

核反応によって取り出されるエネルギーより大きいエネルギーは、宇宙規模になってしまうと思いますし、私は詳しいことを知りません。

原発を推進すべきか、それとも、脱原発を目指すべきか

現状を見て、現段階では原発を推進すべきといえますが、一方で原発を減らしていくのと同時に核反応や核分裂と同等に得られるエネルギー源の開発が必要になってくると思います。大きな力を得れば得るほど、大きなリスクが伴うということは肝に銘じておかなければなりません。原子力技術の保持することにより外交を有利にしたり、日本経済を活発化したりしなければなりません。

原発廃止により設備や蓄積された技術や人材が失われる可能性があります。何か事故があったからといって、事故が起きていない原発をいきなり止めるのは、私は現実問題として否定せざるを得ませんでした。

数学太郎

数学太郎

20代後半の男性。神奈川県在住。大学院で数学を専攻しています。特に専門分野は数論と数論幾何学。政治にも興味があります。株式投資もしています。

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