参議院の選挙だけど、参議院って本当に必要なの? 参議院の必要性とは?

2016年は参議院選挙の年です。参議院議員の任期は6年ですが、6年ごとに242人の参議院議員が一斉に任期切れになるわけではなく、3年ごとに半分の121人が任期が切れ、選挙をすることになります。
被選挙権は30歳以上の日本国民で、衆議院の被選挙権の25歳よりも高くなっています。これは、参議院は良識の府として機能することを期待されるからです。
ただ、法案や予算案、条約の承認、そして内閣総理大臣の指名は、衆議院の優越があり、衆議院で賛成された場合、参議院で否決されたとしても結局は成立します。

ここで疑問に思うのが「参議院って果たして必要なのか?」ということです。今回は参議院の必要性を紹介します。

一院制の場合

例えば、衆議院のみの一院制になると、どのような問題が出てくるのか紹介します。

一院制の場合、Aという政党と敵対しているBという政党があります。A党が様々な法案を国会で作っていましたが、選挙をおこないB党に政治交代をした場合、A党がつくった法律を次々にB党が廃止していくことが出来ます。
つまり、選挙が起こるごとに、法律も制度もすべて変わってしまう事態になるのです。この結果、政情不安にも繋がります。長期的な経済政策、福祉政策、社会政策をおこなうのは難しくなります。
B党に不満が溜まったとしても、任期が終了するまで待つか、解散を待つしか、B党の暴走や迷走を止めることはできません。
B党は議員の任期を伸ばす法律を作ることも可能ですし、選挙制度自体を廃止することも出来ます。

一院制の場合は、簡単に独裁体制を敷くことが出来るのです。

二院制の場合

衆議院と参議院の二院制の場合、解散総選挙で衆議院の政権与党がA党からB党になっても、参議院は影響を受けません。
A党が参議院で大多数の議席を持っていれば、B党が出す法案をよく精査し、可否を決めますので、B党が好き勝手に法律を作ることが出来ません。

衆議院の優越がありますが、憲法第59条2項により、衆議院の出席議員の3分の2以上の多数で再び可決しなければ法律とはなりません。
さらに、参議院で否決された法案は、衆議院で一度、廃案として新しく似た法案を作るのが現在の常です。衆議院の優越を利用しての立法は、あまり適用されません。

つまり、B党の暴走や迷走をある程度止めることが、二院制の場合は可能になるのです。
さらに参議院は世論に左右されにくいので、世論によって人気を得た政党が出した法案を、世論の声に関係なく、精査することを期待されているので「良識の府」と呼ばれているのです。

参議院選挙の現状

参議院選挙の選挙区は大選挙区・小選挙区非拘束名簿式比例代表並立制なので、顔や名前を国民に多く知られている候補者が有利になります。そのため、有名人が様々な政党から立候補するわけなのです。
政党も議席が欲しいので有名人に出馬を要請するわけです。参議院も衆議院のような人気者が、議員となることとが多くあります。つまり参議院の衆議院化です。

これにより参議院不要論が、出るのかもしれません。

宮本武則

宮本武則

30代男。接客業で東京都在住。某電気店に勤め、休日は英会話の勉強中。日本のエネルギー問題と日本と諸外国の政治に強い関心あり。