2016年参議院選挙では、改憲勢力が三分の二の議席を獲得できるかという点が注目されています。しかしながら、改憲を目指す与党は公約のなかで憲法について多くを語っていません。憲法改正を争点としたくないという意図が感じられます。
一方で、野党統一候補を出している民進・共産・生活・社民4党と市民連合は、「憲法改正阻止」「安保法制廃止」の大義の元に集結しました。よって、改憲勢力の三分の二議席獲得阻止が目標となります。
とはいえ、4党の憲法改正に関する考え方は微妙に違います。
いずれにしても憲法に関しては、改正すべきか、すべきではないのか、改正するとすればどうするのか、国民の間で大いに議論すべき時期に来ていると言えるでしょう。
自民党 |
- 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3つの基本原理は堅持しつつ、憲法改正を目指す。
- 参議院の選挙制度のあり方を検討。
- 憲法審査会における議論を進める。
- 自民党憲法改正草案はたたき台。
- 参考:自民党憲法改正草案
|
民進党 |
- 憲法9条の改正に反対。
- 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を堅持し、「新しい人権」「統治機構改革」などに対応した憲法を構想する。
- 2015年に成立した安保法制は白紙撤回。
|
公明党 |
- 記載なし。
「国民に選択肢を示す争点として、成熟していない」 方向性としては加憲
|
おおさか維新の会 |
- 経済的理由で教育を受ける機会を奪われないことを明文化。保育を含む幼児教育、高等教育(高校、大学、大学院、職業訓練学校等)についても法律の定めるところにより、無償とする。
- 道州制。自治体を広域自治体の道州と基礎自治体の二層制とする。住民に身近な行政はできる限り身近な主体が担う「補完性の原則」を明文化。国家としての存立に関わる役割以外は自治体が担う。
- 政治、行政による恣意的な憲法解釈を許さないように憲法裁判所を設置。
- 集団的自衛権の行使は厳格化。
- 参考:おおさか維新の会憲法改正原案
|
共産党 |
- 日本国憲法の前文を含む、全条項を守り、平和的民主的条項の完全実施を進める。
- 憲法改正は反対。
- 集団的自衛権の行使は憲法違反であるから、安保法制は廃止。
|
社民党 |
- 日本国憲法の「平和主義」、「国民主権」、「基本的人権の尊重」の三原則を遵守し、憲法理念の具体化のための法整備や政策提起を進める。
- 憲法改正は反対。
- 集団的自衛権の行使を容認した「7・1閣議決定」を撤回し安保法制は廃止。
|
生活の党 |
- 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の4原則のもと憲法理念を尊重。
- 参考:憲法についての考え方
|
新党改革 |
- 憲法審査会で議論を深めるべき。
- 限定的集団的自衛権は許容される。安保法制は必要。
|
日本のこころ |
- 自主憲法の制定を目指す。
- 憲法上の天皇の位置付けを検討。
- 国家緊急権に関する規定の整備。
- 自衛のための戦力の保持。
- 憲法改正の発議要件の緩和。
- 個別的・集団的自衛権行使の要件を明確化する安全保障基本法制の整備を注視。
- 参考:日本国憲法草案
|
幸福実現党 |
- 憲法9条を改正し防衛軍を組織。
- 憲法解釈の変更により、中国・北朝鮮は9条の適用対象外。
- 参考:大川隆法「新・日本国憲法試案」(公約に記載)
|
国民の怒りの声 |
- 自民党の改憲草案は主権者国民大衆が憲法によって権力者を管理する体制(世界の常識)から、逆に、憲法によって権力者が国民大衆を管理できる体制(独裁国家)への転換を意味しており、憲法改正は反対。
|
政策一覧に戻る
各政党の公約はこちら
2014年衆院選の政策比較はこちら
政くらべ「世論調査」