現在の日本の政治は、足の引っ張り合いによってがんじがらめになっています。それは政治家の責任でしょうか?それとも国民の責任でしょうか?
現状を変えるためには、当然何かを変えなければなりません。私たち国民にも、きっとできることはあるはずです。
政治家同士が足を引っ張り合う
ふと政治ニュースに目を向けると、今日もどの政党の議員がどの政党の議員を批判した、という内容が書かれています。そのとき私たち国民が抱くのは、決まって「ああ、またか」という思いです。
批判すること自体は、決して悪いことではありません。たとえば政策に問題点があれば、それを指摘するのは当然ですし、むしろそこに批判がない方がおかしいといえるでしょう。
しかし、「批判のための批判」が多いことも事実です。批判をしてみたものの対案は示さなかったり、対案があったとしても、その中身があまりに現実離れしていると感じることが多くないでしょうか。
その結果、「国民のためではなく、自分たちのために政治を行っているのではないか」という疑念が生まれてしまっているように思います。
私たち国民が政治家に期待しているのは、決して足の引っ張り合いではありません。国民一人ひとりが豊かに暮らせるようにしてほしい、老人たちが安心して暮らせる社会にしてほしい、子どもたちが夢を持って生きていける国にしてほしいという願いを託しているのです。
国民同士も足を引っ張り合う
では、足の引っ張り合いをしているのは政治家だけなのでしょうか?
いいえ、決してそうではありません。私たち国民も、日常的に足の引っ張り合いをしているのが現状なのです。
国民の政治への関心が薄れているといわれ始めてから、ずいぶん経ちました。事実、選挙の投票率も徐々に下がってきてしまっています。
しかしその一方で、たとえばSNS上などでは、現在でも活発に政治的なメッセージが発信されています。
ただ問題なのは、それが「成熟した政治的議論に発展していない」ことです。
SNS上で発信されている政治的メッセージの特徴として、政治家への極端な批判が多いという点が挙げられます。この政治家はこんな素晴らしい主張をしている、ではなく、この政治家はこんなとんでもない主張をしている、という意見の方が、圧倒的に多いのです。
先ほど政治家同士の足の引っ張り合いでも触れたとおり、批判自体は悪いことではありません。しかし、対案なく批判だけを繰り返し、最終的には感情論に走ってしまうような発信だけを続けていても、それだけでは決して政治は良くならないのです。
今こそ足の引っ張り合い政治から抜け出そう
足の引っ張り合い政治から抜け出すためには、お互いにただ批判を繰り返すだけという現状を変える必要があります。
政治家は政党の垣根を越えて、真に国民のためになる政治を目指すべきです。
そして私たち国民は、主義主張の違う相手を、ただ一方的に批判することをやめなければなりません。
では、私たち国民にできることといえば何でしょうか?
それは、まず政治へのかかわり方をポジティブなものにするという意識改革です。
どの政党や政治家が悪い、こんな主義主張をする人が悪いと、まるで犯人探しをしているような現状では、決して前向きに政治にかかわることはできません。
国民一人ひとりが、この人の政治的な信条には共感できる、この政党の政策には期待ができるといったポジティブな目線を持つ必要があるのです。
そのためには、簡単に人の意見に流されないぐらいの政治的知識をつけることが必要になります。
選挙のときには各候補者の主張にしっかりと耳を傾け、政党のホームページ閲覧を行うことも大切になるでしょう。
そして何より、実際に選挙に足を運ぶことが最も重要になります。
どれだけ政治的知識を身につけたとしても、高度な政治的情報を発信できたとしても、それを投票という具体的な形に結び付けないことには意味がないからです。
ただ足を引っ張り合うだけの政治は、もうヤメにしませんか?
今こそ足の引っ張り合い政治から抜け出すべきです。政治家は真摯に国民のための政治を行い、国民は政治に対してさらに真剣にかかわっていく必要があります。
そんな政治を実現するため私たち国民にできることは、選挙への積極的参加しかないのです。