日本共産党

2017年都議会議員選挙、政策を比べる【日本共産党】

日本共産党に都議会議員選挙の政策を聞いてみた

2017年6月6日、豊島区北大塚の日本共産党東京委員会を訪れました。広報担当の安部さん、政策担当の田辺さんにご対応いただき、都議会選挙の政策についてお話をお伺いしました。(インタビュアー:亀山崇)

小池都政に対しては是々非々の立場

―まずは、小池知事に対する政治スタンスについてお聞かせください。

安部 一言でいえば、是々非々ということで臨んでいます。都民にとってよいことは賛成し、施策が充実するように積極的に提案もしていきます。ただ、都民にとって悪いことは批判し是正するような立場で臨んでいます。

小池知事のやっている施策を見ると、築地市場の移転延期、五輪経費削減、待機児童ゼロへの取り組み、私立高校授業料無償化など、私たちも提言してきた施策ですので、そういう部分は評価しています。ただ、石原元知事以来続いている政治を引き継いでいるという部分もかなりあります。

その象徴が東京外かく環状道路の延伸工事です。住宅地のあるところのおそらく地下をトンネルを掘ってやるので、ものすごくお金がかかります(外環道の工費は1メートルあたり約1億円、中央環状品川線の場合は約3,300万円)。これを小池知事はやるというように自民党の質問に答えていますから、これをやると福祉や暮らしの充実に回す予算がなくなってしまう。小池都政はいい面も悪い面もあります。

―石原知事~舛添知事と続いた都政に比べて、小池知事の都政は「是」とする部分が増えていますか?

安部 それはそうですね。少しというよりも、都政の転換点になりうるような施策の変更というのはあります。ただ、おおもとの巨大開発優先というのを変えないと、暮らし福祉の充実に回すお金がないわけですから。そこは大きな問題ですね。

―小池知事が自民党を離党したことで、知事とはやりやすくなりますか?

田辺 自民党を離党したというのは知事の一つの決断として受け止めています。ただ、それで小池都知事の施策がどうなるかというのは、また別の話ではないかと思います。いずれにしても、都知事ですから必要なことはきちんと申し上げて、批判するところは批判し、都民の利益になることは協力するというスタンスです。

石原都政の頃から豊洲移転は一貫して反対

―豊洲市場移転に関する党としての考えをお伺いします。

安部 当初から反対していました。石原都知事が強引に進めてきました。私たちは豊洲への移転という案が出てきたときに、東京ガスの跡地ということで、ものすごい汚染された土壌になっているというのはわかっていましたから、ああいうところに持っていくべきではないということで反対をしてきました。

実際に都議会のなかでのやりとりがあるんですが、2008年に環境基準の4万3,000倍のベンゼンが検出されました。市場として使える土地ではないということがはっきりしたにも関わらず、自民・公明などが強引に進めてきたわけです。

その決着は6月1日に小池都知事が所信表明で、結局無害化はできなかったと認めています。都民に約束した盛り土と、地下水管理システムという汚染対策で、結局それは全面的に破綻しました。汚染した土壌は取り除くことができず、かなり残っているというのがはっきりしていますから、あの汚染された土壌を取り除くとなるとものすごい金がかかる。それは現実的ではありません。

食の安全を考えれば、築地は80年間一度も食中毒なども起こしていませんから、築地ブランドも確立していますので、営業しながらの築地市場の再整備というのが一番合理的であると考えています。

―築地も地下から汚染物質が出てきたりしていますが、その辺を取り除きながらということでしょうか?

そうですね。築地の汚染物質は本当に微量で、自然由来といわれるものもありますから、レベルが違うわけです。同じように報道されたりしていますが、再整備できると思っていますから、必要な対策を講じながら再整備というのが私たちの考えです。

―市場は開業しつつ、部分改修で対応という考え方ですか?

田辺 PTの報告書の案が示されて、いくつかの案が出されているのですが、専門家の知恵を集めれば、今の場所で営業しながら再整備というのは十分可能であると思っています。

―豊洲はどうしますか?

田辺 食品を扱うのはふさわしくないですが、使い道はいろいろあると思います。食品とか、カジノとかはふさわしくないと思いますが、都民参加で検討して決めていけばいいと思います。

巨大開発へ注ぎ込む予算を、都民の暮らし、福祉に回すべき

―現在、東京にはさまざまな課題があると思いますが、そのなかで最も取り組まなければならない課題は何でしょうか?

安部 地方自治体の最大の任務は、住民の福祉の向上ということですが、東京はその点で大きな問題を抱えています。それは石原元知事以来、3代続いた知事の下で大型開発優先というなかで、暮らし、福祉に冷たい都政になっているというのが最大の問題です。

今回の選挙で最大の争点と言われる築地の豊洲移転についても、“なぜ移転するのか”という一番の目的が、銀座の隣にある築地の再開発と、豊洲の区画整理事業という2つの開発を進めるということありきなんです。だから汚染された土地に無理やり市場を持ってくるという無謀なことを進めて、すでに6,000億円もつぎ込んでいる。これが大型開発優先でゆがんだ都政の象徴なんです。

税金の使い方が3代の知事のもとで大きくゆがめられてききました。例えば石原氏が知事になる前の1998年の決算と、2015年の決算を比べてみると、民生費は全国3位から32位、老人福祉費は2位から42位に転落しています。一方で土木費は40位から21位に上がっている。

この逆立ちした都政を支えてきたのが自民・公明です。

逆立ちした都政を戻すことができれば、都民の暮らし、福祉にもっと予算が使えるのです。私たちが掲げている重点公約も一般会計予算全体のわずか4%で実現可能なのです。今度の都議選で私たちを大きく躍進させてくれれば、そういうことも可能になると主張しています。

田辺 道路とか、インフラ整備とか必要なものは当然あるのですが、今の使い方はあまりに歪んでいて、巨大開発や住民の強い反対のある大きな道路建設に湯水のように注ぎ続けるという歪みをただすというのは、共産党の役割であると思っています。

インフラ整備は新規投資を抑えて、老朽化・耐震化対策に切り替えるべき

―2020年東京オリンピック・パラリンピックを成功させるべく、都も国も進めていると思うのですが、大会後の東京ということも大切です。2020年東京オリンピック・パラリンピック後の東京についてどのようにお考えですか?

安部 東京の人口構成は高齢者人口が急増期を迎える2030年には4人に1人が高齢者という予想があります。東京も2025年をピークに人口減少に向かうとされています。

オリンピック・パラリンピックは都民生活を優先させるなかで成功させることが前提です。東京大会後も都民の暮らし、福祉の充実、都民生活の質の向上に全力を挙げる必要があります。そのためにも都市インフラ整備への過大な投資を抑制すべきであると考えています。

都市インフラについては、老朽化対策というのが右肩上がりに膨らんでいくことが予想されるので、新規の投資を抑制しながら、老朽化や耐震化対策に切り替えていくべきです。

議員の情報発信は党として奨励も、高齢の世代へのサポートが課題

―政治家の情報発信や情報公開は重要ですが、インターネットなどを使った情報発信についてどう思いますか? また、インターネットなどで情報発信できていない政治家もまだまだ多いと思います。所属議員や候補に対して、党としてのサポートなどは行っていますか?

安部 都委員会としては情報発信して大いに拡散することは奨励していて、もちろん奨励するだけではなく、勉強会や交流会みたいなこともやっています。

都委員会のホームページの各議員の一覧には、どんなWeb媒体を使っているかわかるようになっていて、共産党の陣営全体が連動(お互いに情報をみて)して拡散できるような仕組みになっています。

また、共産党には勝手連的な応援の動きが結構あるんです。そういう人たちの協力も得て、候補者の演説を公開したりとか、拡散を強めてもらっています。

田辺 議員の年齢構成はいろいろで、インターネットもスマホもまったくわからないという方もいます。この世代は、ネットを使っての情報発信というのはなかなか苦労しています。周りで支えて、手伝ってやってくれている人もいます。

共産党の場合は少なくとも紙ベースは年齢にかかわらず、情報発信はしています。しかし、今の時代はそれだけではなくて、インターネット、SNSの活用はどうしても必要だと思いますので、いろいろ工夫しながらみんなでできるようにしています。

安部 紙媒体だと、マンションとかのセキュリティでポスティングできないところも増えているので、インターネットは活用していかないと、全有権者には届かないですね。

現職の都議は女性の方が多い共産党。家庭生活との両立を党としてサポート

―若者や女性の政治参加について、どのような対策をしていますか?

安部 若者の政治参加という意味では、2015年の安保法制のときの動きがヒントになると思うのです。学生たちが主権者として反対の声を挙げる、それが広がって、国民的な運動に発展していきました。政治のおかしいことには声を挙げよう、そういう動きが広がっています。SEALDsは解散しましたけれど、今は「未来のための公共」という団体が国会の前で声を挙げたりしています。そこには新しい希望があると考えています。

若い世代の声をよく聞いて、政策作りも一緒に考えて生かしてくのが大切なのだと思います。

田辺 実際、若者のみなさん向けの政策つくろうということで、若い人と一緒に議論をしています。

そうすると見えてくることがたくさんあるんですね。例えば、今年の4月、有効求人倍率がバブル期の水準を超えました。見た目の数字は高いのですが、若い人たちの就職に対する不安というのがものすごく大きいのです。ブラック企業にあたるのではないか、長く続けられる仕事なんだろうかという不安が強くて、なかなか自信をもって仕事に踏み出せないというのが現状です。

数字だけみていると分からないですが、若い人たちとの話を通じて、高齢化社会の中で、若い人がいきいきと誇りをもって働ける労働環境を作っていくことが大切だと気付かされました。

―18歳は投票率高くて19歳低いという現状についてはいかがですか?

田辺 ネットなどを活用して必要な情報を提供するといった地道な活動を続けます。また、若者向けのパンフレットなどを作って、働きかけを強めていこうと思っています。

―女性の政治参加についてはいかがですか? 女性議員が少ないことで女性目線の政治課題が改善されないという声もあります。

安部 政治の分野でも、公的な分野でも、教育の分野でも、政策の意思決定機会の女性参加が著しく遅れています。これは社会における男女平等の改善が遅れていることとも無関係ではありません。保育施設の整備とか貧弱な介護支援体制とか、議会の女性議員への差別的発言が残っているのも残念です。

私たち共産党は、女性があらゆる分野で活躍できる社会をつくることが、日本の民主主義や社会の発展のために非常に大切だと考えています。党では市民運動や住民運動などさまざまな分野で活躍している女性の党員を候補者として擁立するように積極的な努力をしています。

女性議員でいうと、6月5日時点で、共産党の全国の地方議員2,795名のうち女性議員は1,004名います。各党の中でも女性議員の比率は一番高いのです。

東京都では260人の共産党の議員がいるんですが、103人が女性議員で39.6%です。都議会に限ると、現職は17名のうち11名が女性ですから、女性の方が64.7%で多いのです。今回候補者は38名擁立していますが、そのうち18名が女性ですから48.6%です。

ただ、家庭生活と両立させるためにいろいろな困難を抱えていますから、それをサポートする体制というのが大切です。党支部や地区委員会などのサポートがないと女性たちが力を発揮することは個人の努力だけでは難しい。そういうサポートをもっと強めていきたいですね。

江東区のあぜ上都議は区議会議員のときに乳幼児医療費無料化を提案した議員なんです。その彼女の想いというのが、自分が議員になって出産し、誰もが本当に安心して子育てできる状況を作らなくてはと思って提案したんです。

女性議員が多いことで、自ら社会の中での経験を活かし、社会を変えていくことに貢献していけるのだと思います。

現地の視察と調査で保育園定員5万3000人分の定員増に寄与

―そのほかに特に訴えておきたいことをお聞かせください。

田辺 国民健康保険の話なのですが、以前は農業や自営業をやっていた方が6割~7割を占めていたんですけど、今はこれがガラリと変わって、34%が非正規労働者などの被用者。44%が退職した高齢者などの無職者という構成になっていて、経済的な基盤の弱い方が主な構成員の保険になっています。

この国保の保険料がものすごく上がっていて、23区でいうと1人平均で、去年と比べて年間7,500円くらい上がっています。例えば子育て世代で、非正規労働者のお父さんの4人家族で、年間約3万円も上がるんです。

というのも来年度から、国民健康保険の財政運営の責任主体が区市町村から都道府県に変わります。運営主体の負担軽減のために自治体が出していたお金をやめなさいという圧力が国から激しくかかっています。自治体の負担をやめて、保険料は各人に全額払ってもらういう流れが強まっているんです。それで、こんなに値上がりしているんです。

区長さんたちも区民が全部払うというのではとても持たないというのは分かっていて、東京都に要望書を出したりしています。

厚生年金ですと、会社が半分負担します。国保は自治体が負担してあげないと、とてもやっていけない。年収の1割くらい。年収300万円の人だと30万円くらい。これは大変な金額です。

これは弱者に対するひどい値上がりです。さらに恐ろしいことに、都は払えない人は差し押さえなさいと、その差し押さえに対して、自治体に補助金というインセンティブまでつけるんです。そんなことやっているのは東京都くらいです。

今回の選挙で私たちは、東京都としてお金を出して、一人当たり1万円をただちに引き下げしてくださいと言っています。

安部 あと、子育て支援や待機児童対策です。4年前の選挙で私たちは3万人の保育園の定員を増やすという公約を掲げて、条例提案などもして、お父さんお母さんたちの運動も広がったというのもあって、結局4年間で5万3000人分の定員増を実現することができました。

保育園問題に関しては、東京は土地がないというのが大きなネックになっていて、共産党都議団が、土地の写真を撮って全部調べて、都議会で質問したんです。土地がないと言ってあきらめかけていた当時の舛添知事に対して、「あるじゃないか」となったわけです。それで東京都も調査チームを作って、土地はあるということがはっきりして。そういう意味で都議団の果たした役割は大きいと思います。

5万3000人分の定員増は画期的なことなのですが、けれどもまだまだ足りない。さらに9万人増やそうと言っています。9万人増やすと未就学児童の子供の数の半分まで民間保育園の定員をつくることになるので、そこを目指しています。

そのためにも、公立が一定の役割を果たさないと、この規模の増設はできないので、都は区市町村に対して、運営費の補助だとか、設備費の補助だとか、削られているものもあるので、そういったところを拡充して、区市町村がそういった取り組みを進めやすいようにしていくことが大事だなと考えています。

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