東京生活者ネットワーク

2017年都議会議員選挙、政策を比べる【東京・生活者ネットワーク】

東京・生活者ネットワークに都議会議員選挙の政策を聞いてみた

2017年6月8日、東京都議会の東京・生活者ネットワークの事務所を訪問。小松久子議員に都議会選挙の政策についてお話をお伺いしました。(インタビュアー:亀山崇)

都民ファーストとは3項目で政策協定、ほかの政策は是々非々

―都民ファーストの会と選挙協力をなさるということですが、小池都知事に対する政治スタンスはどのようなものでしょうか?

小松久子

小松 北多摩2区の山内れい子都議が都民ファーストの会から推薦をいただいています。生活者ネットとしては、3つの項目で政策協定を結びました。

具体的には、再生可能エネルギーを広げる、男女共同参画をすすめる、情報公開の3項目です。

ほかの項目に関しての距離の取り方は是々非々です。道路の建設とかダムの建設などの大型公共投資などは賛成できませんでした。あと、教育施策で、反対とまではいいきませんけれども、ちょっと合わないところもあります。

大きくは予算には賛成しているので、予算というのはいろいろなものも入ってしまうので、それは石原都政には批判的ではありましたけれども、予算には賛成していますし。

―石原氏、猪瀬氏、舛添氏の時代と比べると変化はありましたか?

小松 ありました。それは、小池知事が、自民党の一強体制のもとで、旧態依然とした運営がまかり通ってきたことにバッサリとメスをいれて、特に情報を公開していこうという姿勢はとても評価しています。

豊洲市場の問題で明らかになったことのひとつに、情報の隠ぺい体質もそうですし、公文書管理の甘さ、ずさんさということも明らかになりました。私たちは、公文書管理をきちんと規定するルールを一般質問のなかで求めまして、前向きな答弁をいただき、昨日の本会議で条例として可決しました。公文書管理については民進党も言っていましたけど。それまでの知事は見向きもしなかったことですので、言っても通じなかったことが小池知事になって大きく前進しました。

ただ、中身に関してはまだまだ足りないと思いますので、現場でもっと使いやすいであるとか、使いながら強化すべきだと思っています。

豊洲移転には反対。築地の改修の間の一時利用ならばあり

―豊洲の移転問題に関する考えをお聞かせください。

小松 豊洲への移転は反対です。私たちは築地市場を改修するという考えです。

豊洲の安全性もそうですし、そこに利権が集中しているということにも、とても大きな問題を感じています。開発業者との癒着とか。それとコスト面ですよね。プロジェクトでも指摘されているように、これからどんどん市場外流通が増えていきます。高齢化、人口減少なども合わせて考えると、豊洲の施設はあまりにも巨大ですよ。あんなに大きな施設が必要なのかということです。

―築地に残った場合は市場は運営しながら改修ということでしょうか?

小松 そこは、こうしたほうがよいというドンピシャなものがないというのが正直なところです。一時的に豊洲を使うということも考えられます。方向性が明らかになれば、答えは出てくると思います。

―一時的に豊洲ということになると、そのまま豊洲ということも…。

小松 ありえそうですよね。

―築地に残って豊洲に移転しない場合は豊洲はどうすべきとお考えですか?

小松 そこは広く都民の意見を求めて、みんなで考えましょうということだと思います。PTでは、あそこを開発してあらたな大きなものを建てると言ってますけど、それがいいのかどうかも疑問がありますし。

食品関係といっても、生鮮食品を大量に扱う市場ということに向かないということであって、そのうえで、流通センター的な、物流部門だけとか、そういう使い方はあるのかもしれないですし。この使い方がいいというところまでまだ精査はしていないです。可能性やメリットはあると思います。

地域のネットワークで、医療から介護、看取りをサポート。高齢者社会を乗り切る

―東京都が抱えている問題で、最も解決に取り組まなければならないことをお聞かせください。

小松久子

小松 いわゆる2025年問題です。団塊の世代が75歳以上になる2025年、高齢人口は3,600万人を超えます。認知症の方もおそらく、高齢者の5人にひとりか6人にひとりくらいの割合になる。もう、施設では対応しきれません。そうなったときに、地域で暮らし続けられる、つまり最期の看取りまで自宅だったり、身近な小規模な施設やグループホームであったりとか、ホームホスピスなど、地域の医療、介護、看護、そういったサービスがしっかりと機能しなければいけないと思っています。

―方向性としては、現在厚労省が推進している地域包括ケアシステムと在宅医療を拡充していくということですね。

小松 はい、そうです。生活者ネットワークはもともとが共同購入運動からスタートした、地域政党です。地域にいろいろな事業を起こすということもやってきていまして、私たちの仲間が地域で空き家を活用して、高齢者のちょっとした居場所だとか、子ども食堂みたいなものとか、いろいろ作ってきています。

東京都がそういう、小さなコミュニティや地域活動を支援して、市民が自由な裁量で運営できるような応援をしていくとよいと考えています。それが高齢者社会を乗り切る方法であると思います。

―在宅医療とかホームホスピスというのは、ご自宅の看取りということですか?

小松 在宅だけだとご家族の負担が大きいので、地域でみていくべきだと思うのです。空き家を活用して、ごく少ない人数でグループホームのような最期の看取りができる地域の終末ケアみたいなことを進めてきたいと考えています。

―そうすると規制緩和みたいなものが必要になってきますね。

小松 そうです。まだまだ少ないですけれども、これからもっと増えていくべきだし、いろいろな形があっていいと思うのですね。都内は土地が高いですから、だからこそ空き家になっているところを活用していければと思います。

オリンピック・パラリンピックは人権の祭典に

―東京オリンピック・パラリンピックについてはいかがですか?

小松 オリンピック・パラリンピックというのはそれぞれ2週間ずつなんですよね。ここにお金をかけすぎるなということですね。

もともと私たちはオリンピックは反対していたんですね。いまでも根っこは反対なんです。いまでも返上するならばすぐに賛成するのですが、やるということで決まったので。

オリンピック・パラリンピックをやるからには、終わった後のレガシーとして何を残すかということが大事で、負の遺産は絶対残さないようにしなければなりません。箱ものは最小限でという考えです。

先週の一般質問では、私が担当だったのですが、ホームレスを排除しないことをオリンピックのレガシーにしようと質問しました。というのは、シドニーオリンピックやロンドンオリンピックでは、人権を尊重した大会にするということがあって、人権宣言みたいなものを、ホームレスの人にも暮らす権利があるというようなことが行われたらしいのです。ホームレスは人権の象徴なんですね。だから外国人の支援活動などをやっている人は、これを機会に人権の祭典にしていこうとおっしゃっています。

ホームレス対策は東京都もやっていますけれど、それは施設に入れて、自立を支えるというかたちになっています。そこをもうちょっときめ細かく、ひとりひとりのバックグラウンドを見ながらホームレスを生み出さないようにしていく努力をもっとすべきですね。

ホームページは政務活動費で充当、SNSとうまく使い分ける

―政治家の情報発信についてどのようにお考えですか?

小松 私個人は、自分のホームページは議会や委員会で発言したこととか一般質問で取り上げたこととか、そういうことはみんなほぼ自分でカテゴライズして載せて、あとからひっぱりだせるようにやっています。

会派のほかのメンバーも、それぞれホームページをもってその都度、情報発信をしています。ホームページに関しては運営の経費を政務活動費で充当しているので、限定されてくるので、政治活動以外の情報発信は別のツールを使います。個々の人となりを知ってもらうためにFacebookなどをやっています。Twitterもひとによってはやっていたりします。

―例えば勉強会などのようなものはいかがですか?

それはやっています。専門の方にアドバイスをいただきながら、失言、炎上は気をつけつつ情報発信をしていこうということですね。

若者が政治に参加するためにはシチズンシップ教育が重要

―若者の政治離れと女性の政治参加についてお聞かせください。

小松 若い人は、政治離れというより、最初からくっついていないですよね。政治から遠すぎるんです。自分のことだと思っていないからですよね。

私たちはもともと、「蛇口をひねるとそれが政治だよ」という、暮らしに身近なことこそ政治のテーマだというところからスタートしている政治団体です。だからこそ女性が政治の現場に行くことが必要だと思っています。若い人たちにも臆せず政治を難しいことだと思わないで、身近なことだと感じてほしいんだけどなぁ。そのためには政治の制度もあると思うんですよね。

―制度レベルだと、国の問題であったり。

小松 インターネット投票ができるようになれば劇的に変わると思うんですよね。マイナスの面ももちろんあるとは思うんですけど、安全なインターネット投票を模索するべきだと思います。いつかは実現させるべきです。そうしたら、情報発信しない人は議員になれないかもしれないですね。

あとは教育の問題もあると思います。主権者教育、私たちはシチズンシップ教育と言っているんですけど、“シティズン”=“ひとりの独立した意思を持った市民である”ということをベースにした政治教育。何も18歳になってから始めることではなくて、小学生のうちから十分それなりの学ぶべきことはあるし、教えるべきことはあると思うんですね。学級会の活動とかはそういう目で見直すともっと違ったアプローチがあると思うんです。

―生活者ネットさんは候補者がみなさん女性なんですが、とくに決まりあるわけではないんですよね?

小松 決めているわけではないですが、女性の議員を増やすというのは生活者ネットの大切なミッションだと思っています。統一地方選挙で、武蔵野市で男性の候補者を擁立したことがあるんです。でも落選してしまって、結局男性議員は誕生しなくて、いまは100%女性という状態です。

―女性の目線が足りない、「特にこの分野」というのはありますか?

小松 女性の目線がそれまでまったくなかったなというのは、例えば防災ですね。今でこそ、阪神の震災があり、東日本の震災を経験したなかで、避難所で女性特有の問題なんかが起きたりして、いわれるようになりましたけど、私たちは前から女性の目線での防災を言い続けてきました。

健康にかかわる問題も、女性特有の課題というのがいろいろありますので、それは私たちが言っていかなければと思っています。

例えば、こういう選挙のときには、生活者ネットは組織を持っていない自治体も結構ありますからね。そういうところでも仲間はいるので、どこかを支援するということはあるので、女性を支援するというのはひとつの動機付けになることはあります。

―クオータ制についてはどう思われますか?

ひとつのやり方として、実現可能性としてはぜひ進めるべきだと思っています。

―そのほかに伝えたい政策などをお聞かせください。

小松 受動喫煙に関して、どこも公約には出しているみたいですけれど、私たちは「子どもを受動喫煙から守る」という表現にしています。子供が自分の意思にかかわらず受動喫煙にさらされないようにすべきですね。

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