ネトウヨ春のBAN祭りから始まる変革

最近、ネット界隈が割と騒がしくなっています。
何が騒がしいかというと、5月の中旬から沸き起こった「ネトウヨ春のBAN祭り」と称した「なんJ民」によるヘイト動画撲滅運動によって、YouTube上にある膨大な数のヘイト動画が削除され、それによって多くのフォロワーを抱える大物保守系ユーチューバーのアカウントも停止される事態が相次いでいるのです。
それでは、ここまでにいたる経緯を簡潔にまとめてみることにしたいと思います。

事の始まり

事の発端は「余命3年時事日記」という、極右的な思想を持った管理人が運営するブログにあります。

ある弁護士が安倍首相の掲げる働き方改革について批判をしていたことを受け、ブログで「この弁護士は半日的人物であり、国益を損なうスパイである」とし、弁護士への懲戒請求をブログの読者に呼び掛けました。すると、このブログの読者であるネトウヨ900人超が賛同し、弁護士に対して懲戒請求を行いました。

すると別の弁護士が懲戒請求はおかしいと批判すると、この弁護士に対してもブログで懲戒請求を煽り、同じくネトウヨによる大量の懲戒請求が行われました。このやりとりは大手掲示板「5ちゃんねる」でも話題になり、とりわけネトウヨが常に攻撃の対象とする在日・朝鮮系のことを扱う「ハングル版」においてネトウヨが大挙押し寄せ、この話題をネタに掲示板を荒らしまくっていました。

なんJ民襲来

ネトウヨに荒らされていたハングル版ですが、そこにネット界で悪名高き「なんJ民」が襲来し、ハングル版を占拠するという事態になります。このことをネット上では「ハンJ民の誕生」と名付けて盛り上がっていました。

なんJ民とは5ちゃんねる(元は2ちゃんねる)の「なんでも実況J」の住民で、これまでに様々な人の個人情報を特定し晒してきました。その個人情報特定技術は驚くべき速さと正確さで、昨年は多くのユーチューバーを抱える事務所「ネクストステージ」に所属するユーチューバー達の詳細な個人情報をネット上に晒していました。

中でも大物ユーチューバーのヒカルとラファエルへの攻撃はすさまじいものがありました。なんJ民は基本的に炎上など、盛り上がっているところに来襲して悪ふざけをすることが主たる目的ですから、今回も始めはハングル版に集まっているネトウヨ勢をおちょくりに来たのだと考えられます。

大物保守系ユーチューバー達にも甚大な被害が

なんJ民たちは、まずYouTube上に存在する韓国・朝鮮・在日に対するヘイトスピーチ動画、いわゆるネトウヨ動画を一斉に通報して、多くのチャンネルが動画投稿禁止処分にされることにより大量の動画が削除されることになりました。

それでは飽き足らないなんJ民は、保守系の大手ユーチューバーを撃沈させようと、さらに活動を加速させます。

保守系の代表的なユーチューバーとして、テキサス親父、某国のイージス、そして竹田恒泰チャンネルなどが次々とチャンネル閉鎖に追い込まれ、保守系最大手と呼ばれるKAZUYAのチャンネルも閉鎖間際まで追い込まれました。この事態に右系の人々は「言論の弾圧だ」と激怒していて、すぐさまYouTubeで新しく第2チャンネルを立ち上げる保守系ユーチューバーも出てきました。

一方、左系の人々は驚きを持ちつつも、なんJ民を讃える意見が多く出ています。ヘイトに対するカウンターで常に対立する左系にとっては、こういった動画が一掃されることは喜ばしいことなのでしょう。左右どちらにも属さない一般人の反応はというと、やはりこういったヘイト動画をYouTube上から駆逐してくれたことに対する賛同の声が相次いでいます。

というのも、例えば韓国のことについての動画を検索するだけで、膨大な数のヘイト動画で埋め尽くされていたのですから、一般人達もこの状況に不快感を抱いていたと考えられます。特に差別的なテキストをBGMと共に流すヘイト動画は見ていて誰もいい気分はしないと思います。

これからの展望

6月に入り、事態は沈静化へと向かっているように見えますが、この問題はヘイトに対する意識を大きく変える一つのきっかけになる可能性があります。

上述の弁護士懲戒請求問題ですが、弁護士側がネトウヨ達に対し法的措置を取ると発表し、全ての個人情報を開示するという反撃に出ました。示談金として10万円を設定すると、怖くなり、それに応じて10万を払うネトウヨが続出しているといいます。

この問題のオチは、ブログを運営して煽っていた管理人自体は懲戒請求をしていなかったことが発覚したことです。哀れなネトウヨ達はただ利用されていただけということになります。匿名性をいいことに、これまで幾度となくヘイト行為を続けてきたネトウヨ達も、これからは好き放題ヘイトが出来なくなる時代の始まりかもしれません。

この流れはYouTubeにとどまらず他のSNSにも波及していくのかが注目すべきところです。特にツイッター上では連日のように左右の人々が激しい煽り合いを繰り返しています。

個人が主義主張を持つのは悪いことではありませんが、自分と相反する人々を誹謗中傷し合うだけでは、いつまでたっても成熟した議論は生まれないでしょう。特にこの国の左右対立はどちらも感情的な子供じみた主張が多いのが残念でなりません。ポジショントークだけに固執せず、もっとお互いに高い次元でイデオロギーを主張し合う関係になっていって欲しいと切に願うところです。

ネトウヨとは何か

政くらべ編集部

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