小池都知事フィーバーの行方

小池百合子氏が東京都知事に就任して100日が経過しました。自民党の意向に逆らって、単身で東京都知事選挙に立候補したときからマスコミや有権者から熱い注目を浴び、当選してからは豊洲市場問題や東京オリンピックの過大な費用計上に切り込んでいます。これから小池氏はどのように行動していくのか注目です。

小池百合子氏のこれまでの政治経歴

小池氏は、テレビ東京のワールドビジネスサテライトという経済番組の初代キャスターでした。1992年に細川護熙氏が率いる日本新党に入って参議院議員に初当選しています。その後、小沢一郎氏が率いる自由党などを経て、自民党に入党しています。小泉内閣では環境大臣に就任し、日本の社会にクールビズを定着させました。2005年の郵政選挙では刺客として選挙区を鞍替えし、見事圧勝を飾っています。その後防衛大臣に就任し、当時、防衛省内で権勢をふるっていた防衛事務次官を退任に追い込みました。そして今年、自民党の意向に造反する形で東京都知事選挙に出馬し、見事に圧勝しました。

これまでの小池氏の政治経歴を振り返ると、政治家としての生存がかかっていたり、大きな判断が迫られる局面で勝負に打って出て、勝利を得ていることがわかります。小池百合子氏という人物は、勝負に強い政治家なのだと思います。単に、いわゆる「女性枠」によって閣僚を歴任した政治家とは異なるのだと思います。

豊洲市場問題や東京オリンピック会場問題に切り込む

都知事に就任して早々、築地市場を豊洲へ移転させることについて延期を表明しました。おそらく都知事選挙へ出馬する前から、豊洲市場については問題点が存在することを察知していたのだと思われます。だからこそ、就任早々思い切った決断を下したのだと思われます。

そして、豊洲市場の盛り土問題を暴き、盛り土をしない決定をしたプロセスについてもマスコミに暴き、攻めの都政を開始しました。盛り土問題については、石原慎太郎元知事についても質問書を送付し、回答書の内容についてもマスコミに公表しました。このような攻めの姿勢は、これまでの東京都政の権力構造を打破したい意思を感じることができると思います。

オリンピックの会場問題についても同様です。できるだけ会場に関する経費支出を抑制したいという意向を表明し、IOCや政府も巻き込んで、4者協議を開始しました。オリンピック会場問題についても攻めの姿勢を継続しています。

小池百合子氏の特徴は、マスコミを通して国民に政治意思の決定プロセスを公表していこうという政治手法にあると思います。一部の政治家やマスコミは、小池氏の手法をパフォーマンスだとして批判していますが、現在のところ小池知事に期待感をもっている有権者が多いと思います。就任してまだ100日ですから、まだ知事としての成果はありません。しかし、問題点について強く踏み込む姿勢は評価できると思います。

おそらく、今後もマスコミを通して問題点や決定プロセスを明らかにしていきながら、国民や都民の支持を背景にして、都政を進めていくものと思われます。

政治塾をスタート

先日、政治塾「希望の塾」をスタートさせました。2000名を超える人たちが、入塾したようです。政治塾といえば、橋下徹氏が率いる大阪維新の会が主催した政治塾を思い出します。この塾生たちが、国政選挙や地方自治体の選挙に出馬して続々と当選し、大阪府を中心とした地域政党が、現在の日本維新の会といった国政に影響力を持つ政治勢力に発展しました。

いま「希望の塾」は小池新党の予備軍ではないかと観測が流れています。来年2017年は、東京都議会選挙が実施されますが、仮に小池知事の支持率が高いレベルで推移すると仮定し、小池新党が結成された場合には、おそらく小池新党から出馬した候補者の多くが当選するものと想像できると思います。そして打撃を受けるのが、自民党や民進党だと思われます。

さらに、来年は衆議院解散の憶測も流れています。仮に小池新党が結成されて、主に首都圏の選挙区から候補者が出馬した場合には、小選挙区から当選する人物がでてくるかもしれませんし、比例代表では二桁議席を獲得するかもしれません。もしかすると、日本維新の会と小池新党が統一会派を組めば、衆議院では野党第一党になれるかもしれません。

いまの小池知事には、かつての橋下徹氏のような行動力と勢いを感じられます。したがって、新しい政治の潮流を生み出す可能性を、小池知事には期待できると思われるのです。

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岸田五郎

岸田五郎

40歳の既婚男性。東京都港区在住の会社員です。選挙活動にボランティアとして参加したり、政治家が開催するミーティングに参加しています。とくに国防、外交、マクロ経済、金融政策に関心があります。

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