信頼が地に落ちた「野党」と「マスコミ」 信頼を回復させるには?

「一強他弱」が不思議なこと、異様なことではなくなりつつある昨今。
ただ、自民党が凄過ぎるから一強他弱なのか、というコトには疑問があります。最大の要因は現在の「野党」と「マスコミ」の「信頼感の無さ」なのかも知れません。
何故、信頼感が無いのか、が分かりやすい一つの事件から検証。

批判されるべきところで批判されない野党

例えば、「自民党の一年生議員が日本人が他国でテロリストに殺害された当日、政治パフォーマンスのためにノリノリのダンスミュージックで踊り狂っていた」らどうだろうか?突拍子も無いことで、想像もしにくいことかも知れません。
ただ、日本中から非難が殺到し、各社マスコミもその自民党議員を叩きに叩くであろうことは簡単に予想できるでしょう。常識外れで一見にしてクレイジーだと分かる行動ですから。

しかし、現実にそんなクレイジーな行動はあったのです。
2015年1月25日。
残虐非道なテロ集団ISILの手によって、湯川遥菜さんの殺害画像がインターネット上に公開。その当日から翌日、官邸前には多くの人々が集まっていました。
実は、日本の作戦本部が置かれていたヨルダンでも日本関係者が宿泊していたホテル周辺には湯川さんの死を追悼するために多くのヨルダンの方々が集まり、ロウソクやISILを批判する横断幕などを持っていました。実に粛々と。

しかし、日本の官邸前では他国であるはずのヨルダンとは対照的に、「歌とダンスで戦争反対」と称し、DJがダンスミュージックをかけながらお酒を飲み大騒ぎしていたのです。ISILへの批判はなかなか見つけることができず、主張は終始、政権批判ばかり。「平和目的」ではなく自身のための「政治的利益」を追求したお祭り騒ぎです。
その中には社民党前党首の福島みずほ議員たちも。与党、大臣を経験しているベテラン議員です。自民党のほとんどの一年生議員よりも影響力は大きいでしょう。しかし、批判していたのは産経新聞やネットメディアなど一部のメディアのみ。

「批判するべきところで批判できないメディア」や「批判されるべきところで批判されない野党」は信用に値するものなのでしょうか?

明らかにオカシイ現状認識と党内不一致

後藤健二さんと湯川遥菜さんがISILによって殺害された事件では、1月21日に当時民主党の徳永エリ参院議員がFacebook上で「イスラム世界の国々は親日でした。」と投稿。明らかに過去形で政権批判が前後に書かれているため「安倍政権のせいで現在は親日ではない、もしくは反日である」という意味でしょう。

ハッキリといって「間違っている認識」ですし、イスラム教圏の国々に失礼。
トルコなどのイスラム教圏国家は事件の前も後も、日本に対し良いイメージを持ってくれていますし、安倍総理がトルコを訪問した際は大手誌が一面に掲載するほど。

特に、多くの国家では宗教的な言動が国家間の機微に触れるため避けることが多いのですが、安倍総理がイスラム式の礼をしたことは評価されています。

徳永議員だけではありませんでしたが、「日本人を殺害したISILの主張=イスラム教国家の主張」として政権批判に使用したのです。ISILがもっとも攻撃しているのはイスラム教徒であり、各イスラム教国家やイスラム指導者はISILを非難しているのが現状。長い歴史の中で日本との友好を図ってきた日本に好意的なイスラムの方々に失礼であり、国際的な認識も間違っています。明らかに間違った認識ではあるものの、多くの大手メディアはこういった「2人が殺されたのはイスラム教徒を敵に回した安倍政権が悪い」という野党議員たちの発言を黙認しました。

この投稿は他の問題も見せています。
徳永エリ議員が投稿する直前、当時民主党の岡田克也代表は記者団に「政府の足は引っ張らない」と協力する意向を示しています。そして、あの政権批判文の投稿。
つまり、党代表と一議員の意思の疎通が図れていないのです。

「ガバナンス(統治)が無い」、という評価は民主党が政権与党時代に散々されてきた評価です。
統治を行うのが政権与党の主な仕事であり、自身の党すら統治能力が無い政党に国家は統治できない、という評価は当然されるでしょう。与党時代にあれだけ批判されていましたが、野党に転落し痛みを経験しても相変わらずの状態です。

迅速な批判より、まずは状況把握を

個人的に、自民党がそんなにスキが無く、素晴らしい政党だとは思いません。毎週のようにスキャンダルが発覚しているのが現状です。「自民党以外の政党に一票入れたい」、という方も多いのではないでしょうか。迅速な批判はとても得意です。

事件が起これば「あの行動が問題だ、その行動が問題だ」、災害が起これば「あの対応がよく無い、この対応がよく無い」。「我が党ならこうする」、という対案ではなく批判が野党から反射的に溢れ出ますが、その批判自体が的外れなケースも少なくないのです。

自民党に多少の問題があるにせよ、「政権を任せたい」と思わせてくれる野党がどれだけいるでしょうか。
そして、「不偏不党」を謳いながら、野党の問題には目を瞑る大手マスコミ。偏っていて良いと思います。自分の立場をハッキリとさせ、主張するのも正義の一つでしょう。
ただ、現状を正しく認識した上で対案を出さなければ信頼は得られないのが世の常です。

田中鉄舟

田中鉄舟

30代、女性、広島県で事務職をしているノンフィクション好きアラサーです。 思想的にはどちらかといえば「リベラル」であるものの、日本ではそう受け取られないことも。

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