2019年10月に消費税が10%に上がります。同時に実施される予定になっている軽減税率制度について、いまさらながらマイナス面の議論出始めています(前からわかってたはずなのに)という問題。そして、食材区分で混乱が起こりそうな問題。ということで、考えてみようと思います。
軽減税率の悪影響面を、よくよく、考えたほうがよいと思います
政府の試算によると軽減税率の効果は1人あたり年間で4300円軽減されるとのことです。
月に換算すると、約358円。日に換算すると、約12円。
「こんなにまけてもらったら、助かります!ありがとうございます!!」とは、さっぱり感じられないような気もします。
この頼りない数字は、一応、これでもプラス面の数字であって、この裏には、マイナス面の数字というのがあるのだと思います。
マイナス面の数字としては、まず経理財務システムの改修コストがあります。官公庁、各企業などに入っている、膨大な数となる経理財務システムの改修と調整が必要になります。システム屋さんにとっては、よいことかもしれませんが、税金なり、企業の資産から、お金が減っていきます。
これは、直接的に見える数字です。
マイナス面の数字の2つめとしては、回収されたシステムに対して運用するための永続的に発生するランニングコストがあります。
今までやってなかったことを、何かしら、しなければいけないわけですから、コストがかかります。これは、直接的には見えない数字ですが、毎年毎年、じわじわと影響し続ける、見えにくいながらも、各企業に悪影響を及ぼし続けることになる数字です。
これらのマイナス面の数字を、年間で1人あたりに換算すると、いったい、いくらになるのでしょうか?
4300円のために、いったいどれだけの追加コストを支払わなければいけないのでしょうか?
私は、1人あたり換算では、驚きの大赤字になるのではないかと思っています。
さらに、消費税を10%に上げても、税収が増えないという事態になってしまった場合、「軽減税率用無駄コストが、新たに発生し続けることになっただけ」という残念なことになりかねないかもしれません。
ということで、私は、軽減税率はやるべきではない、と考えています。
もし、やるとしたら、インボイスのシステムが全体に波及した後でないと、まともに運用できないのではないかと思っています。
安保法制の時、公明党が折れてくれたから、自民党が借りを返すみたいなことも言われているようですが、党の党の約束とか、仁義的なものとかが優先されてしまっているようなので、「本当にやったほうがよいのか?」という正面からの議論をしてほしいと思います。
そもそも、消費税の値上げ自体も、今は、やらないほうがよいと考えています。
参考:『<軽減税率>効果、1人当たり年4300円…政府試算』
「金の延べ棒は食材なのか?」裁判
こちらは、おまけコーナーみたいなものですが、考えてみると、おもしろいかもしれません。
軽減税率を導入してしまうと、食材の区分について、何かしら、もめることもありえます。とりあえず、「食材から外食まで、全部安くしてやる」ということになってるみたいですが、イレギュラーな事態は、わりと発生するのかもしれません。
例えば、「金の延べ棒は食材なのか?」裁判を考えてみます。
金の延べ棒は食材」派の主張を想像してみます。
「高級懐石料理などでは、上に金粉をかけて、食したりしている。
金粉の元は、何かといえば、金の固まりである、金の延べ棒である。
それを、薄く削って、金粉にして食している。
これは、つまり、かつお節を削って、ごはんにかけて食べるのと、まったく完全に同じである。
これによって、金の延べ棒は、かつお節と同等であると証明されてしまった以上、これは、もう、どう考えても、金の延べ棒は食材であるという最終結論に達するしかないのであります!
(税金安くしてください。おねがいします。) 」
無茶なことを言ってるようで、何か言いくるめられてるようだけど、もしかしたら、なんとなく、筋は通っているような気がしないでもないような、この主張。
これに対して、裁判所は、世論は、皆さんは、どういった答えを出すでしょうか?