ネット選挙の強い味方?政治家情報ポータルサイト「政くらべ」とは?

  •  2019年03月31日公開
  •  2019年04月1日更新

ネット選挙が解禁となり、多くの政治家たちが自身の公式webサイトやソーシャルメディアを通じて、幅広い情報発信を行っています。しかし、ただインターネットを使えば選挙に勝てるというものではなく、結果を出すためにはやり方を工夫する必要があります。この記事では、ネット選挙の強い味方である「政くらべ」の特徴や活用するメリットについて解説します。

「政くらべ」は政治家と有権者を結ぶサイト

ネット選挙の解禁によって、政治家たちがインターネットを通じて情報発信することが当たり前となっています。有権者としても街中の街頭演説を聞きに行くとか、テレビのニュースを見ることがなくても、スマートフォンなどを使って簡単に政治家の情報を調べられるようになりました。

しかし、選挙のたびに、関心のある政治家のwebサイトを訪問したり、それぞれのソーシャルメディアをフォローしたりするのは大変です。また、調べる対象も自分が知っている政治家に限られてしまうという問題があります。

政治家情報ポータルサイトの「政くらべ」には、衆議院と参議院の両方を含めた全国会議員と全都道府県知事の基本データが掲載されています。すでに、掲載されている政治家の数は2018年12月3日時点で1630人にものぼります。有権者としては、「政くらべ」を閲覧するだけで、同時に多くの政治家の基本情報を調べ、テーマごとに政策を比較することができるので大変便利です。

もちろん、有権者だけではなく、政治家にも大変メリットの多いサイトです。まず、個人のサイトなどで情報発信するよりも、より多くの人に自身の活動を知ってもらえる可能性が高まります。

さらに、「政くらべ」では政治に関するアンケート調査を実施しており、その結果も公開しています。アンケート結果を通じて政治家は有権者の民意を知ることができます。「政くらべ」は政治家と有権者を結ぶタッチポイントであり、双方にとって有益なサイトだといえるでしょう。

注目の選挙では候補者を比較する特集も!

「政くらべ」では、都知事選挙や都議会選挙、国政選挙など注目度の高い選挙では、政策などを比較する特集を組んでいます。運営スタッフの人数などの関係で、今のところ全国の選挙をすべてカバーすることはできないのですが、市区町村選挙や市区町村議会選挙など、小さな選挙も取り上げていきたいと考えています。

ネット選挙の解禁は、有権者にとしても選挙に関する情報収集が能動的にできるようになったという点では大きなメリットですが、情報の調べやすさにはまだ課題があります。選挙というのは、複数の候補者の中から、自分がもっとも良いと思った政治家に一票を投じるものです。そのため、政治家ごとに異なる政策を比較し、さらに背景にある政党ごとの公約が比較できなければ、正しい判断ができません。

その点、「政くらべ」の政策比較特集を活用すれば、政治家ごとに異なるサイトを訪問して自分で比較検討する手間はなくなります。さらに、フォーマットも統一されているので、有権者としてはより公平な判断がしやすいといえます。第三者によって、難しい選挙がらみの情報がわかりやすくまとめられているのもメリットです。公平で明快な情報であれば、有権者としても積極的に閲覧しようという気になりますし、政治家の思いにも伝わりやすくなります。結果として、それが最後の一票につながる可能性も高まるでしょう。

情報がある候補者とない候補者、どちらを選ぶ?

インターネットには、同時に多くの人に情報発信できるというメリットがあります。また、インターネットに情報を載せておくことで、有権者が自分の都合の良い時間帯で情報を閲覧してくれます。その際に、情報がある候補者とない候補者のどちらが選ばれやすいかというと、答えは明白でしょう。

選挙に勝つためには、できるだけ多くのわかりやすい情報を掲載し、サイトの中身を充実させておくことです。せっかく自身の公式webサイトを立ち上げても、中身がほとんどなかったり、数か月も更新されていない状態では逆にイメージダウンになってしまいます。

自身の政策や政治理念はもちろん、プロフィールには経歴だけでなく家族やペットの有無、趣味や愛読書など人となりがわかるプライベート情報などもあると、親しみやすくてよいでしょう。

インターネットを通じて、これまで選挙にはあまり関心を示さなかった若い年齢層を発掘できる可能性もあります。さらに、今後世代が交代していくことで、ネット選挙が選挙活動の中心になっていくかもしれません。ネット選挙を駆使して選挙に勝つためには、「政くらべ」などのように多くの有権者に閲覧される場に、積極的に自身の情報を載せていくことが重要になっていきます。一度きちんと情報を整えておけば、選挙以外の時期にも見てもらえる可能性が高まります。選挙期間だけが、戦いのタイミングではないことを念頭に置いておきましょう。

コツコツ情報発信をするほど、有権者にも届く

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを選挙活動に活用する政治家は増えています。しかし、やり方によってはマイナスの効果を生む場合があります。たとえば、選挙期間だけ限定的なアカウントを立ち上げて演説場所の告知など一方的な情報発信だけに使うといったやり方では、有権者との絆は醸成されにくいでしょう。

また、選挙期間だけ活発に情報更新があり、選挙後には放置されているアカウントというのも寂しいものです。ソーシャルメディアのアカウントを立ち上げたり、ブログを始めたりするのは案外簡単です。大々的に広告を打つのと比べると、大きな費用もかかりません。

しかし、日々こまめに更新していくのは案外大変な作業です。ですが、継続してコツコツ情報発信を行うことが、ソーシャルメディアを通じてファンを増やしていくコツです。一方的な情報発信だけではなく、ときには有権者からの質問に直接答えるなど、インタラクティブなやりとりも大切です。そうした日々の積み重ねによって、有権者から少しずつ信頼されるようになってきます。

各政治家がソーシャルメディアを通じて発信した発言は、「政くらべ」でも随時確認し、比較することができます。他の政治家に比べてこまめに情報発信している政治家は、普段から政治活動に熱心な人であるという印象にもつながります。

「比較」されるからこそチャンスという気持ちで

有権者にとって「政くらべ」を使う大きなメリットが、政治家や政党の政策を比較できるという点です。しかし、これば有権者にとってのメリットだけではありません。

実は、比較されるというのは、政治家にとっても自身の強みや個性を強調できるという面もあるのです。「政くらべ」を使えば、子育てや社会保障といった有権者の関心が高いテーマについて、ライバルの政治家がどんな考えを持っているのかがわかります。それに対して、自身はこういったアプローチを行おうといった発想にもつながりますし、結果として自分の思いを伝えやすくなるでしょう。また、上手な伝え方をしている政治家の例は参考になります。

有権者の中には、自分ともっとも考えの合う人を選びたいけれど、どの人も同じようなことを言っているように聞こえると感じている人もいるでしょう。選挙に勝つためには、ライバルたちの動向や考えをよく把握したうえで、その中でいかに目立つかという発想も大事です。皆と同じような考え、無難な答えでは有権者の心には届きにくいでしょう。

また、発言に説得性を持たせるためには、普段から政策実現のために活動を行うことが大切です。もちろん活動内容は、ネットを通じて積極的に発信していきましょう。情報発信の多さでライバルに差をつけていくことも勝つためには重要です。