ホームページ、SNS、情報サイト、政治家の賢いネット利用の方法

  •  2018年12月10日公開
  •  2019年01月11日更新

かつて政治家がインターネットを利用して政策や政治理念を主張することはタブーとされていました。しかし、時代は大きく変わり今やネットで支持を集めることは議員として非常に重要となっています。インターネットでの情報戦は街頭や書面とはまた違ったポイントがあります。これからの時代に欠かせないそのポイントについて解説していきます。

「選挙の時だけ」のネット選挙は票にならない

最近では政治家がインターネット利用により自分の主張を行ったり、支持を求めたりすることが認められています。中には選挙の時だけインターネットを利用する方もいますが、そういった活動はどうしても票に繋がらないと言われています。

有権者は実際に候補者が普段からどう考えているかという部分も重要視しているので、選挙の時だけネット上で主張したとしても「選挙用」の主張と思われてしまう可能性があります。また、選挙が近くなると政治家や有識者がネット上での議論をより活発に行います。普段からネットでの政治活動を行っていないと慣れていない分不利になってしまうこともあります。

やはり日常的にコツコツとネットを利用した活動を行っていた方が有利なのは言うまでもありません。もちろん、ネット上での発言は瞬く間に全世界へと発信されてしまう可能性がありますが、失言に気を付けなければならないのは現実もインターネットも同じです。

選挙運動ではなく、インターネットで政治活動

政治家のネット利用と聞くと、自らに投票してもらうための選挙運動、いわゆる「ネット選挙」を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かにインターネットを活用した選挙運動が解禁されて以来、選挙運動でホームページやツイッター、フェイスブック、YouTubeなどネット媒体を利用する政治家が増えています。

しかし、実際に重要となるのは、選挙期間以外でネットを活用して情報発信する政治活動です。常日頃からホームページやSNSを活用して自らの政治活動や実現したい政治理念、政策などを発信していきます。

新聞やテレビを見ていない若い世代はインターネットを情報収集のよりどころとしています。インターネットを活用することで、これまで情報を届けられなかった層に自分の考えを伝えることができます。

ネット上では自分の主張に対して意見や反応が返ってくることもあります。これこそネットでの政治活動において非常に重要なことです。政治家は国民の意見に耳を傾けることが欠かせませんが、毎日のように実際にたくさんの国民と意見を交わすということはとても難しいことです。しかし、ネットであればそれは可能です。自らの意見を述べ、人々の意見を聞くという政治家としてまっとうな政治活動を行うことができます。

政治家にとってホームページはネット上の事務所

多くの政治家は自らのホームページを持っていて、そこには政治理念などが書かれています。国民が政治家について知りたいと思ったときには最も便利な場所の1つです。そのため、自分の主張を書くことはもちろん、見やすさなどにも配慮しておくことをお勧めします。

ホームページはいわばネット上の事務所のような物です。事務所が散らかっていると政治家としてあまり良く見られないことになるので、レイアウトなどには気を配っておきましょう。政治運動のネット利用が盛んになる前からホームページを活用した活動はよく行われていました。昨今ではツイッターやフェイスブックのアカウントとホームページをリンクで繋いでいるケースが多くあります。

議員のなかにはホームページを開設したものの、最初は更新していたものの忙しくなってその後放置してしまうケースや、選挙前に更新して、あとは次の選挙まで何もしないという方もいます。しかし、せっかく訪問してくれたユーザーが、数年前からほったらかしのホームページを観たらどう思うでしょうか? これは事務所にお客さんが来ても、誰も対応せずにいるようなものです。ホームページは定期的に更新しなければなりません。

政治家のSNS利用のメリットとデメリット

政治家がSNSを利用することにはメリットもデメリットもあります。メリットとしては自らの意見を多くの方に届けられることや国民からの意見を聴けることなどが挙げられます。影響の大きさの割にかかる費用もそれほど多くありません。

デメリットとしてはアンチのような立場の人からバッシングを受けたり、悪く見えるような形で引用されたりする恐れがあることです。ツイッター上やフェイスブックなどで主張を書いていても、誤解が生まれやすいように主張を切り取られて転載されてしまうケースがあるため、気を付けているからと言ってバッシングされないとは限りません。

政治運動にSNSを利用する際には必ず誤解を受けない表現を心がけ、何を指摘されても良いように準備しておきましょう。生半可な知識で主張を行っているとその道に詳しい方から手痛い指摘を受けてしまうことがあります。逆にそういった方にしっかりと理論立てて説明できると政治家としての評価が上がります。

認知度・支持者の増加は政治サイトを利用

SNSは便利ではあるものの、悪意を持って主張を改変しようとする人物が現れたり、何らかのトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。そこでおすすめなのが「政治山」や「選挙ドットコム」、「政くらべ」といった政治サイトです。

「政治山」は選挙や議論、政治家に関する情報を一元管理しているプラットフォームです。「選挙ドットコム」は選挙を面白くという合言葉のもと情報を公開しています。どちらも、国政選挙はもちろん、地方選挙の情報も抑えているので、選挙対策として情報を掲載しておくとよいでしょう。

「政くらべ」は選挙時には、各政党の公約を分かりやすく比較できたり、ボートマッチなどコンテンツが充実しているサイトです。選挙がない時は、政治家などのコラムを掲載したり、広く有権者の声を拾うなど、日常生活で有権者が政治に興味を持つことを目標に情報を発信しています。

「政治山」や「選挙ドットコム」が『選挙情報』に重きを置いているのに対し、「政くらべ」は平時の『政治活動の情報発信』に力を入れています。サイトの構成も有権者が気軽に利用できるように作られており、また、自分の政治的な考えをコラム形式で無料掲載することも可能なので、ネットを通した政治活動として多くの有権者に訴えかけるには絶好の場所といえます。

政治活動においてホームページやSNSの活用は、もはや当たり前の時代です。しかし、自分自身のホームページやフェイスブック、ツイッターにアクセスしてくれるユーザーは、そのほとんどが自分を応援してくれている、あるいは自分に関心を持っている人たちだけです。
自分のことを知らない人に名前や顔を覚えてもらったり、支持していなかった人たちを振り向かせるためには、政治情報サイトを上手に活用することが、ほかの政治家の一歩先を行くインターネットの有効活用といえるでしょう。