農林水産業に関しては、TPPに対する是非が大きな争点となります。政府与党がまとめてきたTPPの合意を批准するか否かという点で、与野党がはっきりと分かれています。与党よりの改革、日本のこころ、おおさか維新はTPPに賛成のスタンスです。
TPP賛成の政党は、株式会社参入や規制緩和など「攻め」の姿勢が強く、TPP反対の政党は戸別補償など農家を「守る」姿勢が強いようです。
自民党 |
- 農林水産物「2020年輸出額1兆円」目標の前倒し。飼料用米の生産努力目標(平成37年産110万トン)を確実に達成させる。
- 全国に農業経営塾を設置し、マーケティング、経営ノウハウを学べるようにする。全国に農業経営塾を設置し、マーケティング、経営ノウハウを学べるようにする。若者の農業分野での定着(年間1万人)を倍増する。2023年までに農業の法人経営体数を5万法人に。
- TPPに対する農林漁業者の不安を払拭する。
- 2020年に6次産業の市場規模を10兆円に拡大。
- 広域浜プランに基づく漁船導入等をすすめ、漁業・養殖業を収益性の高い操業体制へ変換。「浜プラン」を進め、漁港・漁村地域を活性化。
- 林業の成長産業化を実現。
|
民進党 |
- 今回のTPP合意に反対。
- 農業者個別所得補償制度の法制化・恒久化。
- 6次産業化を加速化。
- 農林水産物の輸出を積極的に進める。
|
公明党 |
- 「総合的なTPP関連政策大綱」の重要品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)に関する施策を着実に実行。
- 生産コストの低減を推進し、所得の向上を図る。地域産品のブランド化や6次産業化などの農林水産業の高付加価値化を推進。
- 日本型直接支払の拡充や水田活用の予算の恒久化、収入保険制度の創設、担い手への農地集積や基盤整備、新規就農や経営高度化への支援。
- 農林水産物・食品の輸出額1兆円の早期達成をめざし、生産・輸出体制の確立、物流の高度化・効率化、輸出拠点の整備、検疫対応、HACCP・グローバルGAP等の取得を推進。
- 木材産業の競争力を強化し、公共建築物の木造化、CLTの利用促進、木質バイオマス利用など新たな木材需要の創出を進める。
- 広域浜プランに基づくリース方式による漁船の導入、産地施設の再編整備、漁業経営セーフティーネット事業の運用改善など水産業の体質を強化。
|
おおさか維新の会 |
- TPP協定の早期批准を行う。TPPをてこに、RCEP、日中韓FTA、日欧EPA/EIA等、域内経済連携に積極的に関与。TPP国内対策として、TPP対策基金を創設する。
- 減反廃止を徹底。コメ輸出を強力推進。個別所得補償制度の適用対象を主業農家に限定。
- 農協法の改正により、地域農協から金融部門を分離、地域別に株式会社化。
- 農地法改正により、株式会社の土地保有を全面的に認め、新規参入を促進する。ゾーニングと転用規制で農地を守る。
- 農業委員会については、改正農業委員会法の施行を踏まえ、その実績を勘案しながら、更なる改革を進めることを基本とする。
|
共産党 |
- 国会決議違反のTPP批准阻止、廃案。各国の食料主権を尊重する貿易ルールを確立する。
- 農家の選別をやめ、大小多様な農家経営を数多く維持。集落営農や大規模農家の支援。新規就農者支援法を制定し、新たな担い手を増やす。
- 農地法の改正反対。株式会社などの農地利用を厳しく監視。農業委員会の事務局体制を強化し、委員手当ても引き上げるなど必要な予算を増額。
- 山村地域の基幹的産業として林業・木材産業の再生をはかる。
- 魚価の安定、燃油・資材経費の引き下げなど漁業経営安定対策を確立。新規漁業就業者支援制度を創設。
- 地域資源の有効利用、農家や協同組織による農産物の直売、加工、観光、農家レストランなどの取り組みを積極的に支援。民間企業と連携する農業の「6次産業化」はあくまで農業者主体を貫き、連携する企業も可能な限り地場企業を重視。
|
社民党 |
- TPP反対。。「農産物重要5項目」の関税維持を求めた国会決議に違反するTPP協定案の国会での承認を阻止。全ての交渉経過記録の公開を強く求める。
- 農業者戸別所得補償制度の法制化と畜産・酪農や果樹・野菜などへの対象拡充。環境支払の強化、飼料米・稲や米粉生産など水田の多面的利用の推進などで、「2020年に食料自給率50%以上」をめざす。
- 畜産・酪農業に対し、「肉用牛肥育経営安定特別対策事業(新マルキン)」「養豚経営安定対策事業(豚マルキン)」の法制化と補てん割引の引き上げをTPPに関わりなく早急に実施。。政府の規制改革会議が求めている指定生乳生産者団体制度の廃止に反対。
- 「森林・林業再生プラン」に基づく森林整備を着実に実行。国産材、地域材の需要拡大と安定供給体制を確立し、そのために必要な担い手を育成。
|
生活の党 |
- TPPは反対、各国とのFTA(自由貿易協定)等を推進。
- 農業者戸別補償制度で経営の安定化を維持。
- 食糧自給体制の確立、水産・畜産の振興とそのための就業・営農の支援策を充実。
|
新党改革 |
- TPPについては国民への十分な情報開示と弊害が出る分野への対策、国益を守ることを前提に、批准すべき。
- 「持続的農業経営体」の支援法を作り、農地、新規参入、技術等の問題を取扱い、現場のニーズに即した支援、規制緩和を行う。
- 5年から10年程度の中期総合計画を策定。農林水産業を基幹産業とし、輸出に貢献する産業として育成。
- 漁業集落の活動を推進し、漁港・漁村地域を活性化。
- 6次産業化に「農業女子」の「女子力」やセンスが発揮されるような環境を整える。
|
日本のこころ |
|
幸福実現党 |
- TPPへの参加を通じ、日本経済の成長力を強化するとともに、途上国の生産物を購入することで他国の経済成長を促す。
- 個人や株式会社が農業に自由に参入できるようにする。減反廃止と大規模化の推進により、生産性を高め、国際競争力を向上させる。
- 山林の集約化を進めるとともに、伐採・再造林の仕組み構築や人材育成を行い、林業を成長産業にする。
- 漁業衰退の原因となる乱獲に歯止めをかけるために、漁業者や漁船ごとに漁獲可能量を定める「個別割当方式」の導入を進める。
- 農協法を改め、農協間で競合できる環境を整える。JA全中の廃止を含めあり方を抜本的に見直す。JA全農の株式会社化を進める。
|
国民の怒りの声 |
|
政策一覧に戻る
各政党の公約はこちら
2014年衆院選の政策比較はこちら
政くらべ「世論調査」