辺野古埋め立て問題 翁長県知事に勝ち目はあるのか?

国が県を訴え、県が国を訴える泥仕合の様相を呈している辺野古埋め立て問題。埋め立てに反対として当選した仲井真(なかいま)前沖縄県知事が、2013年に埋め立てを認めたことが発端となったこの訴訟合戦ですが、国側の菅官房長官と、県側の翁長現沖縄県知事のどちらに軍配が上がるのでしょうか。辺野古埋め立て問題の「今」を考えてみましょう。

1.辺野古埋め立て問題って?

沖縄県の中心部、那覇市にほど近い宜野湾市普天間(ぎのわんし・ふてんま)。ここには、米軍の飛行場があります。
この飛行場、実は宜野湾市の真ん中にあり、小学校では米軍機が墜落したときのための避難訓練を行っているほど危険なのです。

1996年、日米間で、この普天間飛行場を移設することを約束しましたが、そこから「移転先はどこか」という問題が浮上してきたのです。国は名護市辺野古の海を埋め立てて、そこに飛行場を移設することを沖縄に打診。当時から、沖縄は断固反対の姿勢を示してきました。それもそのはずで、沖縄県は日本全国の面積の0.6%しかないにも関わらず、日本にある米軍基地の74%が集まってしまっているのです。

辺野古の海はジュゴンもやってくるほどきれいな海。そこを埋め立てて米軍の基地を作るなんて、反対するのは当然という意見が全国的に多いのです。それにも関わらず、仲井真前知事は、辺野古の埋め立てを認めてしまいました。この決断によって仲井真前知事は失脚。辺野古埋め立て取り消しを掲げた翁長現県知事が新たにこの問題に取り組むことになったのです。

2.翁長現県知事の決断

翁長現県知事は、この仲井真前知事の辺野古埋め立て承認を無効であるとして、10月13日に取り消し処分の手続きを行いました。
しかし、これに国が黙っているわけがありません。すぐに承認取り消し処分の停止と、この取り消し処分自体の無効を求める行政不服審査(国や県などの行政庁の処分などに対して不服がある者からの申し立てによって、行政機関が簡易な裁判的審理をする手続き)を申し立てました。その後取り消す処分の効力停止は認められ、埋め立ての取り消し自体が取り消されるという状況になりました。

そこで翁長現県知事は、この埋め立て承認取り消し処分には効力があるということを確認するため、また、着手される埋め立て工事の差し止めを求めて国を相手取り訴訟を起こしたのです。
この訴訟では、国の意見が全面的に認められました。しかし今月18日、沖縄県は承認取り消しの無効を認めた石井啓一国土交通相の決定が違法であるとして、抗告することを取り決めたのです。この状況から、翁長現県知事は国ととことんまで争うことを決断したと考えられます。

3.辺野古埋め立ては本当に取り消すべきなのか?

国と県の全面対決という状況に陥ってしまった辺野古埋め立て問題ですが、本当に辺野古は埋め立てるべきではないのでしょうか。

実は、辺野古の人々の8割が埋め立てに賛成であるという統計もあるのです。その理由は、米軍の飛行場ができることによって、街が活性化するというもの。
現在、辺野古は閑散として「寂れた街」というイメージが、沖縄県内では定着してしまっているようです。確かにきれいな海を見に来る観光客は多いですが、それだけでは財政が成り立たないというのが実情のよう。飛行場ができれば、米軍人たちが辺野古の街で飲食をしたりするため、経済効果が大きいのではと、辺野古に住む地元民の人たちは考えているのです。

果たして、この切実な声を無視して、反対の声だけが大きく取り上げられていいものなのでしょうか。

まだまだ決着がつきそうにない辺野古埋め立て問題。しかし、行政的な手続きなどを見れば国の方に非はないというのが大方の見方です。感情論ではどうにもならないこの問題、あなたならどう解決しますか?

そもそも沖縄にばかり米軍の基地や飛行場が集まってしまっている状態を解消する道はないのでしょうか。米軍人による婦女暴行などの事件は、根本的に解決されているのでしょうか。可能性は低くとも、県外移設という決断が下された場合には、この問題は他人事ではなくなるのです。

丹波凛

丹波凛

20代女性、フリーライター兼デコラティブアーティスト、北海道在住。コラムやブログ記事を執筆しながらデコアイテムの作成に励む日々。子供や高齢者に関わる政治テーマに関心が強い。

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