存在感を発揮できない民進党、再浮上へ正念場迎える

民進党にとって再スタートを切った2016年は、やることなすことが裏目に出た残念な1年でした。蓮舫氏に代表が交代したものの、支持率は上がらず、このままではこれからも自民1強の国会が続きかねません。生まれ変わって政権批判票の受け皿になれるのか、2017年は正念場を迎えることになりそうです。

やることなすことが裏目に出た2016年

2016年の民進党は3月、維新の党と合流して名称を改め、再スタートを切ったものの、何もかもが裏目に出たといっていいかもしれません。共産党、社民党、自由党(当時生活の党と山本太郎となかまたち)と野党共闘を組み、自公政権に対抗していきました。共産党との連携は大きな決断だったわけですが、4月の衆院北海道5区補欠選挙で野党統一候補が大善戦し、期待を持たせる出だしとなりました。

しかし、好調は長続きせず、7月の参院選ではアベノミクスに対抗する経済ビジョンを打ち出せずに惨敗します。続く東京都知事選でも野党統一を達成したにもかかわらず、推薦候補の鳥越俊太郎氏の女性スキャンダル、トンデモ発言から自滅してしまいました。さらに10月の新潟県知事選挙で自主投票としながら、原発再稼働慎重派の米山隆一氏が優勢になると、岡田克也前代表に代わり、新代表に就任した蓮舫代表が急きょ、応援に駆け付けたことで党内の不協和音が表面化、党のイメージダウンにつながりました。

体質は変わらず、旧民主党の延長線上?

旧民主党政権が国民の信頼を失った原因としては、東日本大震災対応の不手際、相次ぐ公約違反など言行の不一致、後を絶たない内部抗争などが挙げられます。変革を掲げて華々しく登場しただけに、その分国民の落胆も大きかったわけです。民進党となり、そうした過去と決別して生まれ変わるはずなのに、政党支持率はこれまで通り自民党の半分以下で低空飛行を続けています。党名や規約が変わっても、頭が切り替わらず、過去の延長線上でやっていこうとしていると国民は受け止めたのでしょう。

蓮舫氏の二重国籍問題はそれに輪をかけました。蓮舫氏はタレント、キャスター出身の知名度と、歯に衣着せぬ発言で民進党に残された最後のスター候補でした。そんな蓮舫氏が二重国籍問題をめぐって発言を二転三転させたことに落胆し、旧民主党政権時代を思い出した人も多かったのではないでしょうか。

パフォーマンス先行は旧民主党時代と変わらず

自公政権への対立軸となるビジョンも不明確でした。憲法改正では護憲の立場を取り、安保関連法に反対する姿勢を示しました。格差是正やアベノミクス批判も打ち上げましたが、どれも国民に強いインパクトを与えられず、どこかパフォーマンスの気配が感じられたのです。政権批判ばかりが表に出て、国民の目に明確なビジョンを打ち出していると映らなかったことも一因でしょう。

しかも、何か行動を起こすたびに、内部から不協和音が聞こえてきました。自分たちの政権像をはっきり示せないまま、パフォーマンスで政権批判を繰り返したのでは、昭和の旧社会党と同じで、反対するだけの野党となってしまいます。このままでは共産党との共闘も単なる数合わせの野合と受け止められかねないでしょう。

2017年が生まれ変わる最後のチャンス

民進党は現在、衆議院で民進党無所属クラブとして96人、参議院で民進党新緑風会として50人の勢力を抱え、野党第1党の地位を保っています。過去の選挙結果を共産党など野党統一で集計すると、大幅な議席増が見込め、自公政権の強力なライバルとなることができるはずです。しかし、国民の間でそういうムードが高まらないのは、民進党が変わっていないと判断されているからでしょう。この状況を打開するには、野党共闘の中で自公政権に代わりうる明確な政権像を示し、ぶれずにまい進することしかないように思えてなりません。

しかし、このまま無駄に時間が経過すれば、国民が民進党の変化を受け入れなくなるでしょう。残された時間はそう長くありません。2017年は民進党が生まれ変われる最後のチャンスかもしれないのです。もう一度足元を見つめ直し、ぶれない姿勢を示すことが求められています。

高田泰

高田泰

50代男。徳島県在住。地方紙記者、編集委員を経て現在、フリーライター。ウェブニュースサイトで連載記事を執筆中。地方自治や地方創生に関心あり。