民進党は、なぜ国政選挙で4連敗してしまったのか 

6月に実施された参議院選挙で、民進党は改選議席数を約10議席減らし、敗北を喫しました。これで、旧民主党時代から数えて2012年12月に実施された衆議院選挙以来、民進党は国政選挙で4連敗を喫したことになります。なぜ、民進党は敗北し続けているのかを、要因を挙げて述べてみたいと思います。

民進党の経済政策に実現性はあるのだろうか

内政面では、社会的弱者の救済を掲げていると思います。民進党の主要な経済政策は、低所得者へ現金等を給付することによって、消費の促進を促して経済成長と税収増を目指すというものです。

民進党の政策は、弱者救済に力点を置いていて、それは立派な政策です。しかし、現実的に自分自身に置き換えて考えてみても、1年間に数万円の現金等の給付がされても全額を消費に回すことはないと思います。むしろ、給付された分の金額は、貯金に回してしまうと思います。なぜなら、低所得層の人は貯蓄額が少ないからです。貯蓄の少ない人間は、少しでも貯蓄額を増やしたいと考えます。
このため、現在の民進党の政策では、経済成長と税収増を達成することは難しいと予想されます。

外交政策と国防政策で、いまだに政策にまとまりがない

民進党の外交政策と国防政策は、党内で確固たる政策がまとまっているとは言えないと思います。民進党内の保守系と呼ばれる議員は、自民党の安倍総理と考え方が似ていると言われています。軍事的野望を露骨にあらわにしている中国に対しては、日米同盟を強化して中国の海洋進出を抑制させていくという考えだと思います。

一方、民進党内のリベラル派や左派と呼ばれる議員の考え方は、第二次世界大戦終結まで日本軍によって国土を併合されたり、国土を侵略された近隣国家に対しては、融和の姿勢で対話を重ねるというものだと思います。しかし、民主党政権時にそれらの中国や韓国に対して融和的な姿勢をとったがために、かえって中国や韓国が日本に対して強気の外交攻勢や軍事的威圧に出てきたという苦い教訓を国民は忘れていないと思います。

この教訓を生かした新たな外交・国防政策を1日も早く取りまとめる必要があると思います。

参議院選挙では、自公政権に対するネガティブキャンペーンに力を入れた

先月実施された参議院選挙において、民進党は安倍政権が実施している政策に対して対案を示し、対案を前面に掲げて選挙を戦うことをしませんでした。むしろ感情的なネガティブキャンペーンに終始していたと思います。例えば「アベ政治を許さない」とか「3分の2を与えれば憲法改正が実行されてしまう」といった訴えです。

また、GPIFによる年金資金の運用成績について、2016年1月から3月までの運用成績がマイナス5%だったことを取り上げて、厳しく安倍政権を批判していました。しかし、2012年12月から2016年3月までの期間で運用成績を検証すると、30兆円以上の利益を挙げているのです。つまり、民進党は目先のマイナス運用だけを取り上げて、安倍政権を批判していたわけでして、実に小賢しい戦術であったと言わざるをえませんし、多くの有権者はこの事実をインターネットを通して知っていたと思います。

やはり国政選挙においては、政府与党の政策に対する対案を正面から掲げなければ、勝利を得ることはできません。そして、感情的な批判だけを繰り返すだけでは、野党第一党の地位さえ危うくなると予想できると思います。

日本共産党との連携を強化している

先月の参議院選挙では日本共産党との選挙協力を深化させました。1人区の選挙区では日本共産党は候補者擁立を撤回し、野党4党で候補者を1本化したのです。この結果、1人区では野党系候補者が10名以上当選しましたので、共産党との提携には一定の成果があったのだと思います。

しかし共産党との提携関係を深めた結果、無党派層は民進党から離れたのではないかと推測しています。日本共産党は、天皇制については否定的な見解を示し続けています。また、共産主義は私有財産制を否定しています。共産党は暴力革命は放棄したと明言していますが、「革命」そのものの言葉は放棄していないとされています。このような政党と提携する民進党に対しては、無党派層は投票しないと考えるのが自然な考え方だと思います。なぜなら多くの有権者は、資本主義や天皇制を支持しているからです。

岸田五郎

岸田五郎

40歳の既婚男性。東京都港区在住の会社員です。選挙活動にボランティアとして参加したり、政治家が開催するミーティングに参加しています。とくに国防、外交、マクロ経済、金融政策に関心があります。