進められる原発再稼働、進むべき道は合っている?

2011年3月11日の東日本大震災。未曽有の大災害で福島第一原発がレベル7の大惨事を経験したことは記憶に新しい。
当時、私たちは原子力災害の恐ろしさを痛感し、原発廃止へかじを切ったはずでした。しかし、今、再び再稼働される原発。
私たちは原発、そして原子力を将来どのように活用してゆくべきなのでしょうか。

原発は再生エネルギーに取って代われるか

2011年の東日本大震災の際に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故。IAEA(国際原子力機関)の基準で旧ソ連のチェルノブイリ原発と同様のレベル7と呼ばれる最悪のレベルの事故となりました。
この事故を契機に、一旦当時の民主党政権を中心に私たちは将来的な原発廃止へとかじを切りました。

かわりにクリーンなエネルギーとして注目を浴び始めたのが、再生可能エネルギー。
再生可能エネルギーとは太陽光や風力、水力といったもので次のようなものです。

  • (1)従来の化石燃料などと違い枯渇の恐れがない
  • (2)地球環境に与える影響が少ない

このように再生可能エネルギーにはさまざまメリットがある反面、従来の石油などの化石エネルギーのような大規模なエネルギー供給が難しいなどのデメリットもあります。
当然ながら一つの方法ではなく、さまざまな仕組みを組み合わせてトータルでエネルギー需要をカバーするということになります。
しかし、この再生エネルギーも原子力に比べるとコストが高く効率が悪いというデメリットがあります。代替エネルギー手段として活用するためには更なる低価格化と高効率化が課題です。

政府が原発再稼働を進めるのはなぜ?

現在の安倍政権は再び原子力の利用推進の方針を立て、安全の確認された原発は随時再稼働していくのとの方針を打ち出しています。
これに基づいて、国内の原発は一定の安全確認を終えて、着々と再稼働へ向けて準備がなされています。
政府が原発再稼働を進めるのは、主に以下のような理由からだとされています。

  • (1)原子力技術の保持のため
  • (2)経済界からの要求
  • (3)原子力産業の雇用の維持

日本が培ってきた原子力技術は間違いなく世界のトップクラス。この技術を保持するためには、あるレベルで商業発電を維持することが必要という論点です。
近年の原発廃止論に伴って原発を廃止することは可能かもしれません。しかし、一旦廃止してしまうと、再開させるのは非常な困難を伴います。
廃止により設備や蓄積された技術、人材がすべて失われるからです。

日本の原子力産業はグローバルでの高い競争力を持つ。加えて安全性が確保されれば非常に低コストでクリーンなエネルギーです。
さらには原発立地での産業や雇用をこれまで通り維持することも地域経済には重要。こういったことから経済界からは推進したいという要望があります。
加えて、原子力技術は安全保障上の核技術にもつながることから核兵器に対する抑止力としての役割もあります。

これからの日本のエネルギー戦略 ― 国民の安全と生活を守るために

原発廃止論、原発推進論、いずれにも正しいと言える部分はあります。
政治が守るべき最も重要なものは国民の生命と財産です。そのことを念頭に置いて考えてみると、やはり完全な安全性が確立されていない今の原発は再稼働すべきではないのではないでしょうか。
事故が発生して国民の生命や財産が失われている現状を見れば、そう考えざるを得ません。
将来的な原発利用については以下の2つの選択肢があると考えられます。

完全な安全性が確立できる場合
・安全性を確立する技術を開発
・安全性が確立されるまでは再稼働はしないか、最小限の稼働とする
完全な安全性が確立できない場合
・国内の原発廃止を前提とし、原子力技術の保全の方法を検討
・地域経済への影響を考慮し、最小限の稼働を維持しながら再生可能エネルギーへの転換を図る

地震大国である日本はいたるところに活断層があり、さらには世界の活火山の10%が日本に存在すると言われるほどの火山大国です。
そういった環境の中、原発の完全な安全性を確保することは非常に困難であると言わざるを得ません。
そう考えると、やはり「原発の廃止を前提とし、原子力技術は保全しつつ、再生エネルギーへの転換を図る」という考えも成り立ちます。
いずれにしろ、国民の安全と財産をいかにすれば守ることが出来るのか。そして国家としてエネルギー政策をどのように進めることが国益にかなうのか、もう一度しっかりとした議論を踏まえて決めていくべきではないでしょうか。

早坂浩充

早坂浩充

40代前半、男性、滋賀県在住のITエンジニア。地域の少子高齢化、過疎化に危機意識を感じており、地域活動や、政党関係者としての取り組みもおこなっている。

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