「民進党」は本家台湾の「民進党」のようになれるか?

民主党と維新の党による新党の名称が「民進党」に決まりました。台湾にもある民進党ですが、台湾の民進党の正式名称は「民主進歩党」。今回の新党は正式名称が「民進党」。だから違うのだ、と岡田代表は記者会見で話していました。

台湾の民進党はどのような政党か

日本にも「民進党」ができると聞いて、台湾の民進党の人が親しみを感じると述べたというニュースが報道された一方、自分たちとは背景が違うと述べた人もいると伝えられました。では台湾の民進党とはどういう政党なのでしょうか。

台湾では、長いこと国民党の政権が続いていました。国民党の政権に対する批判的な野党として存在していたのが民進党です。
民進党は1986年に結成されて以降、野党であった期間が続きましたが、2000年の総統選挙では、民進党の陳水扁氏が勝利して、政権交代しました。
民進党政権の誕生により、台湾では選挙による初めての政権交代が実現して、国民は歓喜の声を挙げました。
しかし、その後、陳水扁総統の親族の汚職があったり、中国やアメリカとの関係が悪化し、民進党政権は国民の支持を失っていきました。
そして2008年には再び国民党に政権を奪われることになりました。

実は日本と似ている台湾の政治史

こうして見ると、台湾の政治史は日本の政治史と似ているような気がします。日本でも自民党政権が長く続きました。

1996年に結成された民主党は、しばらく野党でしたが、2009年の総選挙で、民主党が大勝して、自民党から政権を奪い、鳩山由紀夫政権が誕生しました。
しかし、その後、民主党政権は急速に支持を失い、菅直人政権、野田佳彦政権へと交代しましたが、2012年に総選挙で大敗し、再び自民党政権になりました。

日本では自民党、台湾では国民党の政権が長く続いていたところに、選挙によって日本では民主党、台湾では民進党の政権が誕生したという点で、日本と台湾はよく似ていると思います。

台湾の民進党は選挙で負けた後に復活した

ただし、違うのはここから先です。日本の民主党は2012年に政権を失った後も、選挙で負け続け、再び政権をとれる見込みは全くありませんでした。
今回、維新の党と新党を結成して、ようやく自民党に対抗する足掛かりを作ろうとしています。

一方、台湾の民進党は、2008年に政権を失った後、2016年の総統選挙では圧勝して、5月から再び民進党政権が発足することになりました。
ともに選挙で負けて政権を失った日本の民主党と台湾の民進党ですが、日本の民主党がその後も低迷を続けた一方、台湾の民進党は国民の支持を取り戻し、再び政権に就くことになったのです。

日本の民進党は政権を取れるか

台湾の民進党が復活できた理由は何でしょうか。いくつか考えられますが、一つは新しいリーダーを選んだことです。

民進党は2008年の総統選挙で負けた後に、2016年の総統選挙で勝利することになる、蔡英文氏を主席に選びました。
当時、蔡英文氏は政治家としての経験がそれほどあるわけではありませんでした。
そのころの民進党は、陳水扁政権で要職を務めた人たちによって幹部が占められていましたが、選挙での敗北を機に、それまでとは違う人物をリーダーに選んだのです。

もう一つは現実的な路線を選択したことです。陳水扁政権時代の民進党は、台湾が中国とは違う国であることを強調するあまり、中国との関係を悪化させ、現状維持を望むアメリカとの関係も悪化させました。
台湾人の中で、台湾のアイデンティティが高まってはいましたが、国民としては中国やアメリカとの関係をいたずらに悪化させることは望んでいなかったのです。これが民進党政権が支持を失った理由の一つでした。
そのため、蔡英文氏率いる民進党は、中国との関係は現状を維持することを強調し、国民に安心感を与えました。
こうしたことから、民進党は支持を取り戻し、地方選挙などでは、国民党と互角あるいはそれ以上の支持を集めることもありました。
そしてついに総統選挙でも勝利して政権を再び獲得するに至ったのです。

さて、日本の民進党は台湾の民進党のように、政権を獲得できるでしょうか。
そのためには、台湾の民進党が行ったように、新しいリーダーを選ぶことも必要だと思います。
せっかく、新しい政党になるのですから、思い切ってトップの顔を替えて国民に新鮮な印象を与えたほうが、支持を得られるでしょう。
日本の民進党も台湾の民進党に倣って大胆な転換をしてもらいたいものです。

浜風隆

浜風隆

30代後半の男性。千葉県在住のサラリーマン。引きこもりの政治オタクだったが、今は育児もしている。皿洗いをしながら放送大学を聞くのが日課。

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