不倫議員の騒動で終わらせてはならない育児についての議論

第一子誕生に合わせて、育児休暇を取ることを宣言していた宮崎謙介衆議院議員が、不倫をしていたことが週刊誌に報道され、議員辞職にまで至りました。国会議員が育休を取ることにより、世の中の男性が育休を取りやすくなることが期待されましたが、逆に育休のイメージまですっかり悪くなってしまいました。

男性国会議員が育休を取る社会的意義は大きい

国会議員の育休についてはいろいろと議論がありました。国会議員が育休を取ることにより、男性が育児をする社会的な雰囲気を盛り上げることができると期待された一方で、「議員歳費をもらっているのに、本会議を休むのはけしからん」「有権者に選ばれた議員が本会議に出ないのではその議員を選んだ有権者の声が反映されない」「国会議員がすべきことは育休を取ることより、世の中の人が育休をとれる社会的な環境を醸成することだ」といった否定的な意見も見られました。

確かに、後から考えると宮崎氏は、党や派閥に何の根回しもせずに突然育休を取ると宣言し、周囲に与える影響を全く考えていなかったのは問題だったと言えるでしょう。
しかし、国会議員といえども、一人の親として育児をすることは当然ですし、その経験をもとに、育児しやすい社会に向けた政策を打ち出していくことも可能でしょう。また、国会議員という社会的に指導的な地位にある人が育休を取ることは、社会的にもインパクトを与え、育児にかかわる男性を増やす良い影響をもたらすことができたはずです。

出産直後に男性がやるべきことは意外と多い

国会議員であることを別にして、一人の父親として子どもが生まれた直後に男性がやるべきことは意外と多いのです。
私も第一子が生まれた時は育休を取りましたが、はじめての経験で戸惑いながらも、いろいろなことをしました。
妻が入院中には、毎日病院に通って、妻の衣類を洗濯して持っていきました。また、赤ちゃんのおむつ替えもその時からやりました。
母子手帳のコピーを持って、市役所に出産届の提出をする必要もあります。母子が退院してくるのに備えて家の掃除もしなければなりません。退院してきたら、妻は数週間、授乳以外できませんので、料理も下手ながらやっていました。
毎日の沐浴もベビーバスの用意からやりました。生まれたばかりの赤ちゃんは寝ている時間が多いので、2、3ヶ月後に比べたらまだ楽な部分も多いのですが、とにかくはじめての経験でしたので必死でやっていました。

出産直後の大事な時期の騒動がもたらしたダメージ

育休を取ると宣言していた宮崎議員は、出産直後の妻に、不倫の事実を打ち明け、記者会見をして議員辞職しました。
育休を取る目的の一つに、産後の妻のサポートがあるわけですが、宮崎議員の場合には、逆に妻にとてつもないダメージを与える結果となってしまいました。
出産直後というのは最も休息が必要な時なのに、そんなときに不倫をしていたというショッキングな事実を告げなければならなくなってしまったのです。
また、事態収拾のために派閥の幹部などとの協議を重ねたり、地元に説明したりなど、休むどころではなくなってしまいました。

育児のために育休を取ると宣言していた張本人が、出産直後という大事な時期に、育児どころではなくなってしまったというのは何とも皮肉な結末でした。
議員を辞めたので仕事がなくなり、これで育児に専念できるといった冗談めいた話をする人もいます。ただ、宮崎氏自身も認めたように、育休宣言には売名行為という側面もあったようです。
しかし、育休というのは当然ながら育児をするためのものですから、これからは本気で育児に取り組んでいただきたいものです。

不倫スキャンダルとは分けて育児しやすい環境づくりを

国会議員の育休をめぐる議論は、育休を宣言した議員の不倫騒動にとって代わられてしまいました。しかし、育休宣言をした議員の資質と、育休の意義については、分けて考えるべきものです。
少子化で人口減少が進む日本において、育児のしやすい環境づくりは待ったなしの課題です。男性の育休も重要ですし、他にもいろいろな課題があります。
最大のものは、長時間労働でしょう。労働時間が長すぎるからこそ、男性が育児にかかわれないという現実があります。
育児をめぐる社会状況は、一朝一夕には改善しないと思いますが、議員の不倫騒動で終わらせることなく、育児の在り方について、議論が深まっていくことを望みたいと思います。

浜風隆

浜風隆

30代後半の男性。千葉県在住のサラリーマン。引きこもりの政治オタクだったが、今は育児もしている。皿洗いをしながら放送大学を聞くのが日課。

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