給付金?そんなことより風呂じゃ風呂じゃ!

自民党の年金生活者等支援臨時福祉給付金について議論が交わされています。これは言わば少ない年金で生活している高齢者に3万円程を給付するというものです。批判の的になっている話題ですが、改めて見てもやっぱりおかしい話です。

高齢者は国にとってどんな存在か

65歳以上の高齢者というのは現在の国にとってどのような存在なのでしょうか。
まず最初に思い浮かぶものとして年金問題があります。今まで強制的に徴収してきた年金を今度は国が払わなければいけません。ですが最初から破綻することが分かっている制度なので国は今困っていますね。自業自得です…そしてそれを支えているのが今の国民というのが笑えますね。笑えませんね。

国民年金の保険料は1989年には8000円でしたが、現在では2倍の16000円となりました。また、65歳以上は基本的に定年退職して無職の状態となっています。そうして年金を受給することになるのですが、実は年金からも所得税等は天引きされています。
そのため税収源としては機能しているのですが少し変な話でもあります。年金の財源に国庫負担金、つまり税金を2分の1使っているので税金を渡して税金を徴収しているのです。
65歳から69歳あたりは団塊の世代に当たります。人数がとにかく多いので人口の割合は年齢別に見ると最も高いものとなっています。また、人口推計の平成28年1月1日の概算値を見てみると65歳以上の総計は3404万人とあるので全人口の約27%を占めています。

参考:人口推計(平成28年1月報)総務省統計局

年金も払わなければいけないし、税収面からみても余り良いとは言えず、それでも国に対する影響は大きい。これが国から見た65歳以上の人々となります。

給付金の種類には色々なものがある

では年金生活者等支援臨時福祉給付金とはどういったものなのか見ておきましょう。その前にまず、給付金という制度について知らなければいけません。
給付金とは受給資格を持った人に支払われるお金のことです。就職に関して言えば、求職者給付や教育訓練給付といったものなどがあります。
保険会社に加入していれば入院給付金や手術給付金というものが給付金として支払われます。
また、事業者向けには林業やコンテナ利用により補助金として高い金額を受け取ることができます。言わば困ったときの救済措置と割引措置といったところでしょうか。

この給付金制度というのは実はとても多くあります。地方自治体ごとに制定されているものがたくさんあるのです。
例えば東京都千代田区に住んでいる場合に受け取れる給付金を見てみましょう。

  • ・妊娠検査の助成
  • ・こどもの医療費助成
  • ・母子家庭自立支援給付金

子供手当てが廃止の方向で向かう中、今回の給付金を非難する方がいます。ですが妊娠女性や出産、子供に対する給付金や制度は傍目から見ても充実していると言えます。まずは自分が受けられるサービスについて調べるべきです。出産育児一時金などは素晴らしい制度となっています。

こうした様々な給付金が存在する中、年金生活者等支援臨時福祉給付金は特に槍玉に挙げられています。なぜなら3624億円という予算を計上してしまったからです。

無駄遣いにしては余りにも大きな金額

即座に「無駄遣い」「ばら撒き」といった非難がされるようになりました。
給付金を支給される対象の人は単身世帯の場合年収155万円以下の人です。月の収入が155万円÷12ヶ月=約13万円以下の人となります。
ですが、何しろ65歳以上という母数が大きすぎるので実際は10万円以下の人もごろごろ居るでしょう。ネット上で良く見かける事なのですが、こういった人たちに非難の矛先を向けてしまうのは愚劣なので止めてください。あくまでもポンと3624億円という予算を計上してするするっと通した国を非難するべきです。

高齢者問題というのは簡単なものではありません。3万円をあげて何を解決しようとしているのでしょうか。
確かに救われる人は多く居るでしょう。生活保護件数も高齢者が圧倒的に多いものとなっています。

上昇している高齢者の犯罪率も一時的には減るかもしれません。ですが「今すぐ3万円が無いと大変な事態になる!!」といったような状況にある人は少ないと思われます。実際に3万円を手にした人が数か月分の生活費に組み込んだとしましょう。数ヵ月後に3万円は消えます。それで何が変わるのでしょうか。本当に低所得な年金生活者について考えた結果とは思えません。

参考:生活保護の被保護者調査(平成27年11月分概数)

参考:平成25年版警察白書「特集Ⅱ第4節第2項 高齢者による犯罪」

例えばそうです風呂を作ろう

この年金生活者等支援臨時福祉給付金は頭の良いお金の使い方ではありません。国の知恵が結集しているはずの国会からこうした議案が通るのは国民に失望を与えてくれます。
本当に低所得の年金生活者を助けたいと思うならコミュニティを作ったり仕事を与えなければいけません。継続的な利益を生むようにしたり、金銭以外で得られる生活の質を上げたりするべきです。
互いに尊重できる環境などがあれば良さそうです。いくらでもアイデアは出るはずです。3624億円あればそれなりのものができてもおかしくありません。それが「ホイ3万円」ではどうにも納得できません。
確かに価値基準としてお金は普遍的なものなので、個人にとって確実な利益ではあります。ですが、1人分の3万円ではできないことが1000人分の3000万円ではできるのです。国はその巨額を使ってできる事を考えなければいけません。

そうですね…そうです、銭湯を作りましょう。私が政治家だったら無料で入れる公共浴場を作ります。意外と公共浴場を作るって言うのは良い案じゃないですか。孤立化も防げますし、何より風呂は最高の施設なので日本中風呂まみれになれば良いのです。
ちなみに65歳以上は無料で入ってヨシです。こうした案を出し合う事も政治へ関心を持つ1つの方法だと思います。
「ホイ3万円」が余りにも悪手なのでそれより良い案はいくらでも出てくるでしょう。3624億円という大金をどう使えば問題が解決するのか、少なくとも国はもっと良く考えるべきです。

飯田橋忠助

飯田橋忠助

30代男性、千葉県在住のライター。休日は近所のスーパー銭湯で汗を流す。サウナは8分で出たいが正直言って6分から苦しい。あんまり長いと立ちくらみを起こすので皆さんもお気をつけて。